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かったぱしから読書生活

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大学卒業以来、ずっと出版業界。本が好きで、ずっとこの世界で暮らしている。読書はフィクション派。ファンタジー好きなれど、時代物、ミステリー、純文学、何でも来いで、ひたすら濫読。読書… もっと読む
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2023年9月の記事一覧

遠藤貴「代理人は眠らない 世界への路を拓くサッカー代理人の流儀」

遠藤貴「代理人は眠らない 世界への路を拓くサッカー代理人の流儀」

遠藤貴「代理人は眠らない 世界への路を拓くサッカー代理人の流儀」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CJLQKVS8/
 遠藤貴は日本人初のFA公認エージェントである。その仕事として、日本代表のキャプテン・遠藤航のリバプールへの電撃移籍を始め、数々の世界的ビッグディールがある。その交渉術と舞台裏は、どのような過程で生まれたのか。虚々実々の

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小路幸也「からさんの家 伽羅の章」

小路幸也「からさんの家 伽羅の章」

小路幸也「からさんの家 伽羅の章」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHFLV6JQ/
 東京・根津の古い洋館に住む三原伽羅。詩人にして小説家にして画家にして女優。昭和・平成・令和を自分流に波瀾万丈に生きてきた。そんな彼女に、息子の結婚相手に義理の娘・まひろがいた。息子が北海道に転勤したので、同居することになった孫は伽羅のヘルパーでもあ

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西尾潤「マルチの子」(徳間文庫)

西尾潤「マルチの子」(徳間文庫)

西尾潤「マルチの子」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CH9XMKCP/
 徳間書店の中では、赤松利市と並んでエグい小説の書き手。この作品はマルチ商法にのめり込んでゆく女性の破綻を描く。賢い姉、愛らしい妹に比べて、みすぼらしい自分。承認欲求というコンプレック克服への強烈なエネルギー。連続して展開してゆく、ノンストップなスピード感。だから

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六道慧「公儀鬼役御膳帳 春疾風(はるはやて)」(徳間文庫)

六道慧「公儀鬼役御膳帳 春疾風(はるはやて)」(徳間文庫)

六道慧「公儀鬼役御膳帳 春疾風(はるはやて)」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CH9XCK3F/
 膳之五家の務めは「鬼役」なる将軍の毒味。しかし筆頭である木藤家の役目は、それだけでない。徳川吉宗伝来のお庭番を率いての、お上の隠密でもあった。前作「連理の枝」で、主人公・隼之助の許嫁・波留の姉・奈津が殺された五家の一つ水嶋家。娘だけの水

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夢枕獏「牙の紋章」(徳間文庫)

夢枕獏「牙の紋章」(徳間文庫)

夢枕獏「牙の紋章」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CH9Y4V63/
 よく「ランナーズハイ」ということばで表現されるスポーツの極限状態。高校時代の僕にも一度だけ、100mフリーで自己ベストを出した時に訪れたことがある。その時水路は光の道のように輝いて開けていた。自分のような市井の凡庸なスイマーにすらあったのである。ましてやアコーステ

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鳴神響一「警察庁ノマド調査官 朝倉真冬 能登波の花殺人事件」(徳間文庫)

鳴神響一「警察庁ノマド調査官 朝倉真冬 能登波の花殺人事件」(徳間文庫)

鳴神響一「警察庁ノマド調査官 朝倉真冬 能登波の花殺人事件」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CH9ZHSH5/
 全国都道府県警の問題点を探る警察庁長官官房審議官直属の「地方特別調査官」である朝倉真冬。まだ若いのに警視である。旅行系ルポライターと称して全国を調査する真冬。自らを自重気味に「ノマド調査官」と呼ぶ。警察小説に新たな世界を切

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樋口明雄「南アルプス山岳救助隊K-9 さよならの夏」(徳間文庫)

樋口明雄「南アルプス山岳救助隊K-9 さよならの夏」(徳間文庫)

樋口明雄「南アルプス山岳救助隊K-9 さよならの夏」(徳間文庫)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CH9Z4T1Y/
 北岳で登山者たちの遭難を救助する「山岳救助隊K-9」。9人の隊員が2頭の救助犬と行動を共にする。ある日、隊員の星野夏実と相救助犬メイは、岩場に佇む若い男性を発見。その前後で夏実は不思議な体験と感覚に遭遇した。男は意識が朦朧として記

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京まふ「AINS(アインズ)」始動、一枚の絵が動き出す

京まふ「AINS(アインズ)」始動、一枚の絵が動き出す

季刊エス編集部から2つのニュース。季刊エス・SS編集部は器を変えて、着実に新しいステージを迎えている。
1️⃣季刊エス83号が9/15発売
・今回は「米山舞」特集。これまでの個人活動を振り返るロングインタビューと、表紙描き下ろしのメイキングも掲載。フルカラーのアニメーション・フリップブックの小冊子が特別付録。森倉円との対談も。勝負を賭けた渾身の一冊。
https://pie.co.jp/news/

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渡辺惣樹「虚像のロシア革命 後付け理論で繕った唯物史観の正体」

渡辺惣樹「虚像のロシア革命 後付け理論で繕った唯物史観の正体」

渡辺惣樹「虚像のロシア革命 後付け理論で繕った唯物史観の正体」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CGVC86MG/
2020年から2年間にわたって月刊WILL誌上に連載された「ロシア革命再考」の書籍化。著者による第一次世界大戦の分析と総括である。現代の国際間諸問題にも通じている。これまで協商国よりだった歴史が、同盟国側の苦衷から見て論じ

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