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夕遊の映画座

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2022年5月の記事一覧

おやじのギャグはどの国でも寒い。『ありがとう、トニ・エルドマン』ドイツ・オーストリア、2016年

おやじのギャグはどの国でも寒い。『ありがとう、トニ・エルドマン』ドイツ・オーストリア、2016年

ネットで見た映画紹介がおもしろかったので、かなり期待して見に行きました。が…ちょっと予想を大きく外してました。てっきり『寅さん』みたいなやつだと思っていたんですけど、かなり違ったシュールなオヤジ映画でした。

映画は、オヤジ的なギャグの大好きなパパが、35歳を過ぎても仕事しかしない娘を心配して、あれこれまとわりつくというお話です。娘が、尖っていて全然魅力ないし、仕事でたくましいという感じもない。そ

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コメディ映画で農村歌舞伎。『大鹿村騒動記』2011年

コメディ映画で農村歌舞伎。『大鹿村騒動記』2011年

予告編がおもしろそうだったので急遽、見に行った映画です。夫曰く「主演はサントリーのモルツのCMに出てた人だよ」。ああ、確か、ストレートしか投げなくて打たれるピッチャー役ね……って、キリンじゃん!?

もとい。長野県下伊那郡大鹿村は農村歌舞伎で(一部)有名ですが、そこを文字通り舞台に、達者な役者さんの原田芳雄、岸部一徳、そして大楠道代と3人勢ぞろい。しかも、脇役に三國連太郎、佐藤浩市、松たか子って、

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優しさと強さが心に残る。映画『チョコレートドーナツ』アメリカ、2012年

優しさと強さが心に残る。映画『チョコレートドーナツ』アメリカ、2012年

最近、仕事が一区切りするとほっこりする映画を見るようにしています。有名な映画も見ておきたいですが、辛い映画は遠慮しがちです。この『チョコレートドーナツ』という映画は、ハートウォーミングな紹介文だったのですが、内容は少し違いました(いつものパターン)。

舞台は1970年代末のアメリカ。同性愛に偏見があって、バレたらまともな仕事にはつけなかった時代。主人公のルディは歌が上手いけれど、ゲイバーのステー

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自転車レースの迫力がすごい。映画『疾風 スプリンター』香港・中国、2015年

自転車レースの迫力がすごい。映画『疾風 スプリンター』香港・中国、2015年

自転車好きの夫を誘って、最終日に観に行って来ました。大画面で迫力ある自転車レースのシーンと、台湾、香港、そしてヨーロッパのきれいな風景、レースコースに圧倒されました。可能な限り、大きなディスプレイで見ることをおすすめしたい映画です。

もともとの中国語タイトル「破風」はアシストという意味。ラストの試合結果で、その意味がよくわかります。自分は誰かのアシストで、だけど自分も誰かにアシストしてもらってい

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自分の道を切り開くために。映画『野球少女』韓国、2020年

自分の道を切り開くために。映画『野球少女』韓国、2020年

野球好きで女性が活躍する映画といえば、『プリティ・リーグ』。トム・ハンクス、ジーナ・デイヴィス、そしてマドンナなんかも出演した物語を思い浮かべる映画好きがいるかもしれません。でも、普通の日本人で野球好きが女性選手を思い浮かべると、水島新司の『野球狂の詩』でしょうか。

さて、韓国の野球少女は、130kmのストレートを投げることができるスイン。日本の部活と違って、韓国の野球部はノンプロレベルらしく、

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