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続ちょこっとひとこと

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故郷・神戸に戻り、今を綴るもまだまだヨチヨチのエッセイ集。
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2022年8月の記事一覧

次は僕が目を点にする番だった

次は僕が目を点にする番だった

高1の夏休み、アメリカ・シアトルに行った話は何度かこの場に書いた。
観光旅行ではなく、兵庫県の高校生が参加できる2週間の短期語学研修だ。

学校の枠を超えてまでの活動を、僕は積極的にしたいほうではない。
なのに、学校の掲示板にそのプログラムの募集を見た時、なぜだか行かなくてはならないような気がしたのだ。
ひょっとすると世間ではこれを魔が差したというのかもしれない。

親にしてみればもっとこう、落語

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自分が望めば空腹も空虚も埋めることができるのだと気づいた

自分が望めば空腹も空虚も埋めることができるのだと気づいた

人づきあいがあまりうまくいかず、もがき苦しんでいた時期がある。
大学2回生の秋も深まった頃のことだ。

2回生といえば、所属していたサークルの運営を任されていた頃。
なかでも僕は、前年の新歓コンパでへべれけになったことから、サークルの決まりで代表になり、いろんな面倒も舞い込んでいた。
体重も10kg減って50kgを割り込んだ。

どんより曇った午後、僕はあてもなく自転車をよろよろと漕ぎだした。

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いざ家計簿でタイムトラベル!

いざ家計簿でタイムトラベル!

小学生の頃からこづかい帳は欠かさずつけていた。
こう見えて意外とマメなのだ。

大学生になって仕送りを受けるようになると、さすがにこづかい帳では管理しきれなくなり、ルーズリーフで家計簿をつけはじめた。
その家計簿は今も手元に残っている。

入学の翌月をピックアップ、いざ家計簿でタイムトラベル!

5/7
GWを過ごした神戸の実家を発ち、京都に戻る。
家賃19455円:いや格安物件すぎん?
賭150

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まばゆい提灯の灯りは、その夜の一度限りの記憶

まばゆい提灯の灯りは、その夜の一度限りの記憶

子供の頃、盆踊りというものを経験したことがない。

生まれ育ったのは兵庫県明石市だ。
明石は小さな地方都市だけど、中心部にほど近い住宅密集地に住んでいたから十分に人は多かった。
だからたぶん地域には祭りがあり、盆踊りもあったはずだ。
しかし僕は参加したこともなければ、それが実際にあったかも知らない。

大学附属の幼小中に通っていたのが原因だ。
電車通学だったから、近所に友達は一人もいなかった。

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お山のボスザル

お山のボスザル

朝のバナナをかじりながら、ふと世界のリーダーたちの顔を思い出す。
動物園のサル山でバナナを独占するボスザルの姿がオーバーラップした。

***

お山の大将、という子供の遊びがある。
少し高くなったところに競って登り、てっぺんを取った者が、他に登ってこようとする者を突き落とす遊びだ。

転じて、小集団でいばる人、常にトップにいないと気が済まない人、周りにイエスマンしか置かない人などを指すようになっ

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僕はこんな目的でメンバーシップを始めた

僕はこんな目的でメンバーシップを始めた

noteメンバーシップを始めて早や1か月半が経った。
いろいろ模索しながらやってきたというのが正直なところだ。

長文になるが、あらためて僕のメンバーシップを紹介しておきたい。
やや宣伝のきらいもあるが、そもそもメンバーシップって何?という方の理解の一助にもなるように書きたい。

メンバーシップとはメンバーシップとは早い話がサークルだ。
誰かが作り、共感した人が会費を払ってメンバーになる。

僕は

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「そんなに冷たいものばかり飲んだらお腹の中のコビトさんがビックリするよ」「今ケガ治そうとコビトさんたち集まってきてくれてるよ」――まだ小さかった子供に、身体の中でいっぱい働いているコビトさんの話をよくした。
コビトさん今も元気かなぁ。今年のクリスマスはこれどうぞ。京・錦市場にて。

ホンマにそれ乗って帰らはるん?

ホンマにそれ乗って帰らはるん?

京の都で大学生活をスタートした頃、ようやく学生の分際でも電子レンジを持っていい雰囲気は漂いはじめていた。
それでも依然贅沢品には変わりなく、入学当初から持っている下宿生はまだまだ少なかったものだ。

貧乏家に育った僕にとって、一人暮らしで電子レンジなど願うべくもない。
食品を温める能力があるのは、兄が同じ京都の下宿時代に使っていたオーブントースターのお下がりだけだ。
同じくお下がりの炊飯器にはタイ

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最近エアコンに頼りきって季節感ゼロ。
昨晩ふと窓を開けてみたら意外と涼しくなっていることに気づき、久々にエアコン止めて扇風機にしてみたけどやっぱり暑いのなんのって、ほぼ眠れず。
でももうこんなにもコオロギがコロコロ美しく鳴くようになっていたのか。
夏の余韻と秋の気配が同居する夜。

残りわずかの十代を心ゆくまで楽しんでおくれ

残りわずかの十代を心ゆくまで楽しんでおくれ

娘は来年ハタチだ。
昨日、成人式の前撮りにつきあった。

神戸・北野のハンター坂にあるスタジオへ。
北野ならではの斜面のまっただ中にある。

ちなみにハンター坂というのは、明治の昔、この地にE.H.ハンターという英国商人が3000坪もの広大な敷地を有したことに由来する。
ハンターだからといって、狩猟場だったわけではない。

美容師が鮮やかな手さばきでメイク、続いてヘアアレンジ。

こういうの間近で

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僕はやっぱり中毒なのかもしれない

僕はやっぱり中毒なのかもしれない

またやってしまった。
どうにも止まらないのだ。

しばらくはいいかなと思っていたのに、気づいたらまた。
つい気を緩めるとやってしまう。

独りよがりではないだろうか。
誰も迷惑していないだろうか。
もうやめてほしいと声に出せないだけではないだろうか。

でも、面と向かってやめてほしいといわれたらしばらく立ち直れない。
矛盾しているようだけど、それが本心。
そういわれないように、少し控えるべきなんだ

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――それが編集者の仕事

――それが編集者の仕事

先月、noteのメンバーシップ「ちょこっと倶楽部」を立ち上げた。
2コース用意したうちの一つが「エディターコース」というもので、元編集者の僕が編集にまつわる記事をメンバー限定で投稿している。

今日はまさに編集ドンピシャの記事を書こうとしていて、本来であれば「エディターコース」の限定記事にすべき内容だ。
だが、通常の記事として投稿するのにはちょっとした訳がある。

5か月も前のことになるが、こんな

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「何食べたい?」ではなく「何飲みたい?」と訊きがち

「何食べたい?」ではなく「何飲みたい?」と訊きがち

僕はお酒が好きだ。
noteでも何度か書いているので、ご存じの方も多いかもしれない。
昔に比べるとずいぶん弱くなったけれど。

お酒デビューはきっと皆と同じ、梅酒をちびっと舐めた幼稚園の頃。
ビールをゴクリと飲んでみたのは小学校に上がった頃だったか。
小学校の遠足に友達と赤玉ワインをボトルで持っていった覚えもある。
何やってんねん。

その頃からアルコールに嫌悪感は抱かなかったから、たぶん大人にな

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誰しも三田グルメに終日どっぷり

誰しも三田グルメに終日どっぷり

兵庫県三田市。
これを正しく読める人は東京にはいないと聞いたことがある。
東京では「ミタ」だが、ここは「サンダ」なのだ。

兵庫県サンダ市にその店はある。
「スイーツのテーマパーク」と称される〈パティシエ・エス コヤマ〉だ。

閑静な新興住宅街の中、1500坪もの広大な土地に本店、カフェ、ショコラ工房、パン工房などが林立し、中には12歳以下の子供しか入館できないパティスリー〈未来製作所〉などもあっ

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