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『風と共に去りぬ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜97本目〜
拝啓 『風と共に去りぬ』の鑑賞経験がある方へ
本作の上映時間に大きな衝撃を受ける人は多いのではないか。それもそのはず、なんと231分の超大作となっているのだ。家で観る分にはまだいい。物語の途中でも「ちょっと待って」ができるから。しかし、もしあなたが劇場へと足を運んだとすればどうだろう?『風と共に去りぬ』でしか味わえない映画体験があなたを待ち受けている。
映画館で本作ほどの長尺作品を
『ODD TAXI イン・ザ・ウッズ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜96本目〜
「そんなもんできるかあ」。これは本作で脚本を務める此元和津也さんの制作秘話での一言だ。本作は、もうこの一言に尽きるのではないか。『イン・ザ・ウッズ』制作前、木下監督と平賀プロデューサーの2人から此元さんに以下のオーダーが入る。
木下監督「お金を払って観にきてもらうので後味の良いものにしたい」
平賀P「ただの総集編ではなく、TVアニメシリーズを観た人にも観てない人にも楽しんでもらえるようにしたい
『ブルース・ブラザース』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜95本目〜
ジョン・ベルーシ&ダン・エイクロイドは、NBCのTV『サタデー・ナイト・ライブ』に出演していたコメディアン。彼らがこの番組で披露したR&Bバンド「ブルース・ブラザース」のキャラクターを活かして制作されたのが、楽しいこと全部盛りの一大娯楽作『ブルース・ブラザース』だ。
カーチェイス映画として見応え抜群なだけでなく、音楽ファンにとっても見逃せない1作となっている。
黒いスーツに黒いサングラス
『八甲田山 4Kデジタルリマスター版』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜94本目〜
普段カフェなどで過ごしているとき、必要以上にエアコンの風当たりが強い席に座ってしまった経験はないだろうか。私はそういう場合、「寒いなあ」と耐えきれなくなり、その空間から逃げ出してしまいがちだ。
実は、本作の上映中に私はその席を引いてしまった。よりにもよって、『八甲田山』を観ているときにどうしてこんなにも寒い席を選んでしまったのか。しかし、エンドロールが流れるまでは席を絶対に離れたくない。いや
『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜93本目〜
ドラえもん映画は、こんなにもアツい戦闘シーンを描けるものなのかと感動し、目頭を熱くさせられた。特に、しずか&スネ夫 vs PCIAの無人戦闘機との戦闘シーンは圧巻の一言。「あれ、私はガンダム映画を観にきていたのか?」と錯覚しそうになるほどのクオリティがそこにはあった。
ドラえもん映画だと思って油断していると、ワクワクとドキドキが自分の中で溢れて止まらなくなり、焦ってしまう。このように本作は、
『新聞記者』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜92本目〜
本作から安倍官邸批判を感じ取る人は多いのではないか。この映画は参院選の直前に公開しているということもあり、一種のプロパガンダ映画の要素も入っているはずだ。
「自分を最も信じ、疑え」。これは劇中のエリカの父が残した言葉だ。この言葉のように、本作の内容も全て鵜呑みにしてしまうのはよろしくない。フィクションと現実を見極めるためには、正確な情報が不可欠だ。この作品を契機に政治のことをもっと知りたい
『劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜90本目〜
『おっさんずラブ』の見所といえば、吉田鋼太郎演じる黒澤部長の愛するはるたんへの猛アタック劇。しかし、この部長のはるたんへの燃えるような恋心は、ドラマ本編で儚くも散ってしまったはずだ。本作で、この黒澤部長の恋心をどう料理するのかと思っていたが、「くっそぉ〜、そう来たか!!」という展開が、観客を翻弄する。さすがは、『おっさんずラブ』のメインヒロインだ。完全に続編としての物語が待ち受けていたのである。
もっとみる『アルキメデスの大戦』ひたすら面白い映画に会いたくて 〜89本目〜
自分がやると決めたことは、それがどんなに難題であったとしても最後まで諦めずに全力で取り組む。それが本作の主人公櫂直 (菅田将暉) の生き方だ。徹底的に情報を収集し、それでも手に入らない情報は自らの頭をフル回転させて突破口を考える。その作業の試行錯誤によって櫂はある1つの公式まで辿り着く。彼の難題に向き合う決して諦めない姿勢には強く心を打たれたものである。私も彼を見習わないといけないな。このように
もっとみる『フルーツバスケット –Prelude–』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜88本目〜
大切な人を亡くしてしまうと、私は一体どうなってしまうのだろう。現実を受け止めきれずに、何が起こったかわからないまま、ただいたずらに時間だけが過ぎていく。そんな毎日を送ることが目に見えてしまう。もしも、大切な人がこの世界からいなくなってしまったら。想像したくはないけれど、現実に起きる可能性は十分にある。そのような状況になったら、どんな気持ちになって、そこからどう前を向いて人生を歩き始めたらいいか。
もっとみる『響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜87本目〜
「上手くない」。この言葉が真面目に頑張っている人に向けられたとき、どうなるのか。本作では高校生になってから吹奏楽部に入部し、楽器の練習を始めた初心者たちにスポットライトが当てられる。オーディションに受からなければ、コンクールに出場することさえ叶わない。それは、初心者にとって厳しくも乗り越えなければならない壁である。彼らは小さい頃や中学から練習してきた経験者に実力で勝てるとは思っていない。だけど、
もっとみる『フォードvsフェラーリ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜86本目〜
これが実話であることが驚きだ。レースの場面は、おもわず身を乗り出してしまうほど迫力があり、目の前の光景に惹きつけられてしまう。盛り上がること間違いなしのレース場面が盛り沢山で大満足。フォードvsフェラーリの白熱の闘いは、観る者の心の導火線を燃やし、アドレナリンまみれにさせてくれるはずだ。
『フォード vs フェラーリ』(2019)脚本 : ジェズ・バターワース
ジョン=ヘンリ
『ハローキティのシンデレラ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜85本目〜
「シンデレラ」のアニメーションは、何もディズニーだけのものではない。そのことを教えてくれた作品が本作である。残酷な描写は一切なくサンリオらしく可愛くアレンジされているのが素晴らしい。子供とも一緒に安心して観ることができる作品となっている。
『ハローキティのシンデレラ』 (1989) 脚本 : 金春智子 / 監督 : 小華和ためお
「サンリオ版シンデ
『ゴッドファーザー』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜84本目〜
1本の映画の質をはるかに凌駕している。鑑賞後に果てしなく続いたあの余韻を忘れることができない。時代を超越する普遍的な面白さが本作にはたっぷりと詰まっていた。この作品を鑑賞したのは今回で3回目であるが、本当に何度見ても飽きることがない。文句無しのマスターピースだ。淀川長治氏の言葉を借りれば、本作は「まさにコッポラの記念的代表作*」なのである。上映中一度もトイレへと席を立たずに鑑賞し続けた自分を褒め
もっとみる『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜83本目〜
続編ともただの再編集版とも違う。まぎれもなく完全新作であったことに驚いた。『この世界の片隅に』は何度も観たことがあるし、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は別に観に行かなくてもいいかなあと思っている人も多いかもしれない。だが、そんな人にこそ「騙されたと思って、1度本作を観に行ってみて!」と声を大にして言いたくなった。本作には、私たちが3年前には観ることのできなかった新しい「片隅」の世界が拡
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