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ジェラピケのもこもこ必要
絵を描く。
土のにおいを嗅ぐ。
親友のY嬢と話す。
ねこを愛でる。
めがねを変える。
レイトショーを観る。
ビタミン不足の体に
フルーツを与えるように、
私のなかの「なにか」が不足すると
これらを心に与える。
ルームウェアブランド・ジェラートピケ
通称ジェラピケのもこもこパジャマを
買ったときもそうだった。
「ジェラピケのもこもこが要る」
他のじゃいかん。
甘さを纏ったジェラピケの
もこも
妖精と、はたらくことと。
はたらくつもりがなかった。
描きたい絵を描いて、名古屋城のほとりで詩を売って、バイトしながら親のスネをかじって生きていこうと大学3年の夏までわりと本気で思っていた。
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名古屋芸術大学という地方芸大のアトリエの片隅。日差しが気持ちいい窓際のスペースで、いつも油画を描いていた。一枚の絵を描くのに半年かかった。
卒業した先輩がのこしていったソファとテーブル、ティファールの電気ケトル。昼の3