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生物多様性地域戦略を策定するための科学情報

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全国の都道府県ごとの生き物マップをもとにして、地域の生物多様性を適切に保全利用するための科学情報を記事にして提供しています。地域の方とのコラボで、保全のアクションプランをエビデン… もっと読む
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生物多様性地域戦略のレビュー:ビッグデータで保全計画を実装する

生物多様性地域戦略のレビュー:ビッグデータで保全計画を実装する

生物多様性地域戦略とは何か?COP10で設定された愛知目標では、生物多様性保全の実効力を強化するための戦略計画を掲げています。日本でも国家戦略が策定され、地方自治体レベルの地域戦略の策定が行われています。地域戦略は、国家戦略の方針を地域社会へ浸透させて、生物多様性の保全と持続可能な利用を推進するために、とても重要な役割があります。

都道府県の地域戦略の問題点
各都道府県の地域戦略を分析すると、地

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日本の47都道府県の生物多様性

日本の47都道府県の生物多様性

日本は生物多様性ホットスポットとして世界的に注目されている地域です。日本に分布する維管束植物(シダ・草本・木本)は約5600種にも及び、その約30%は日本だけに分布する固有種です。

コンサベーション・インターナショナルでは、1500種以上の固有維管束植物 (種子植物、シダ類) が分布した地域で、原生の生態系の7割以上が改変された地域を生物多様性ホットスポットと定義して、日本列島や琉球諸島や小笠原

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佐賀の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

佐賀の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

玄界灘と有明海、筑後川が流れる筑紫平野、脊振山地、杵島丘陵、多良岳や経ヶ岳など、佐賀は地形あるいは気候的に多様です。このような環境の多様性が生き物の生息場所を豊かにし、佐賀の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らして

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鹿児島の生物多様性と保全上の重要性

鹿児島の生物多様性と保全上の重要性

霧島や桜島などの火山、屋久島や奄美群島などがあり、鹿児島県の地理的な広さは広大で、サンゴ礁から針葉樹林まで、地域固有で豊かな生物多様性が形作られています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親し

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熊本の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

熊本の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解も深まるに違いありません。このような意図から、日本の地方自治体(47都道府県)の生物多様性の特徴を可視化して、保全利用に関わる科学情報を普及させてい

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熊本の生物多様性

熊本の生物多様性

はじめに都道府県ごとの生き物分布と、生物多様性の特徴を分析しています。この記事では、熊本県(私の地元)の生物多様性について解説します。

熊本県の生き物の分布記録を整備して、種類ごとに分布地図を描きました。そして、全種の分布地図を重ね合わせると、種数地図になります。

また、各種の分布を予測する場合に、気候など環境要因だけで分析すると種の潜在的な分布を予測でき、土地利用など人為影響も含めて分析する

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長崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

長崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

半島、湾、島嶼が組み合わさった独特の地形、東シナ海や玄界灘。長崎特有の地形と温暖な気候は、生き物にとって、多様な生息場所をもたらしています。さらに、数万年前の最終氷期には、対馬海峡がほぼ閉塞して、長崎は大きく陸橋化して朝鮮半島と近接しました。現在の地域特有の環境条件に加えて、歴史的な環境変動が、長崎県の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が

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宮崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

宮崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

九州山地、祖母傾山系、霧島山系、それらから発する耳川、五ヶ瀬川、一ツ瀬川、大淀川、清武川、日向灘沿岸の宮崎平野、リアス式海岸や砂浜海岸など、宮崎の環境は多様です。このような、環境の複雑さが、宮崎の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どの

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大分の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

大分の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

周防灘や伊予灘、太平洋に通じる豊後水道に面した大分県。内陸は山地が多く、くじゅう連山や祖母傾山が連なります。海や山の地形の影響で、沿岸から内陸山地にかけて雨が多くなり、明瞭な気候勾配があります。そして地質も複雑です。このような環境の複雑さが、生き物の生息場所の多様性をもたらし、大分の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているの

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福岡県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

福岡県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

九州の北端に位置する福岡県、今から7万年前〜1万年前の最終氷期は、陸橋で大陸と(ほぼ)結合し、気候が大きく変動し寒冷化しました。現在の福岡は、玄界灘や瀬戸内海に通じる周防灘、内湾の有明海に面し、内陸には英彦山などの山々も連なり、平野には多くの河川が流れています。過去の気候変動と地形の多様性が、生物にとって様々な生息環境をもたらし、福岡の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用

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徳島県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

徳島県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

瀬戸内海沿岸の低地から太平洋岸の山地にいたる複雑な地形、地形に関係した降水量の勾配、地質の複雑さが、徳島県の生物多様性を特徴付けています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解も深ま

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香川県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

香川県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

香川は面積的には小さな県ですが、温暖で乾燥した気候、地域特有の地史や古気候変動に関係した地形形成があり、それらが、香川の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや

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愛媛の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

愛媛の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

瀬戸内海と太平洋、西日本最高峰の石鎚山などが連なる四国山地、このような海と山の配置に関係した気候条件と地質の空間的異質性が、愛媛の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への

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高知の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

高知の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

歴史的な地質形成の複雑さ、そして、黒潮の流れる太平洋に面した山地の多い地形、それに関係した温暖多雨の気候が、高知の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解

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