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リベラルの対となるコミュニタリアリズムの台頭を願って/サンデルの危惧した未来の僕ら

リベラルの対となるコミュニタリアリズムの台頭を願って/サンデルの危惧した未来の僕ら

僕の学生時代は、比較的長かったが忘れえない講義の一つにマイケルサンデルの特別講義があった。下記の書籍は彼の「これからの正義について考えよう」の簡易版にあたる彼の講義録である。上下巻には彼の東大で行った特別講義が収録されている。この講義は公開形式だったので僕もつくばから東京へ出てきて参加したのである。

僕は当時リベラルな思考を持っていた。遺伝子工学を学ぶ学生でもあったし若さゆえの傲慢さもあったと思

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みんな、お金がほしいかー!/給与テーブルとピケティ

みんな、お金がほしいかー!/給与テーブルとピケティ

僕は欲しいでーす。
副業云々が話題になっているが、まだ世の中はサラリーマンが多いと思う。今回は給料を上げるにはどうしたらいいか、を教えましょう。

具体的には以下の4つになる。

①年齢を上げる
②職位を上げる、資格をとる
③仕事を変える
④収入源を複数作る

現在も年功制の給与体系をとっている会社は多いので①はメインの方法だった。しかし今就業している人であれば、昇給率を計算してみていかほどか確認

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闇落ちツイッタラーを救うもの

闇落ちツイッタラーを救うもの

僕は政治的な話や真面目な話が苦手である。

不真面目でずるくて楽をしたくてたまらないぼくは、僕の中の生真面目くんの考えが古臭くて、進歩的な方には反感を買うだろうなと分かっているからである。

生真面目くんは、頑固で真面目、そして古臭いモラリストだ。そして、明らかに間違っているものをそのまま見過ごせないという大変めんどくさい一面も時々顔を出すのである。個人的に嫌いな性質ではないが、後始末がめんどくさ

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プログラミング何やる?/キャリアを見据えたスキルセット

プログラミング何やる?/キャリアを見据えたスキルセット

僕はLinuxユーザーである。

そもそもなぜ使い始めたかといえば、ハックが好きだったからである。僕は自分用にカスタマイズするのが好きだ。僕自身、癖の強い人間であることは自覚しているので、それに合わせてチューニングをかけたいのだ。

なぜ、PCが動くのか、自作でPCを作っても中身はわからなかった。じゃぁプログラムからやるかとなったとき、無料かつカーネルまでいじれるのはLinuxだったのだ。

プロ

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姿勢がつくるこころの話

姿勢がつくるこころの話

前向きな姿勢で!とか、挑戦する気概を!とかそういう話ではない。

僕は、立場上メンターの役割を任されることが多かった。が、僕自身は大した人間ではない。ちょっと物理やパソコンは得意だが、人に道を説けるご立派な人間ではないのである。知識やら小手先のテクニックはともかく、他に伝えられることはないかなと悩んだ時期があった。

結局、そんな大層なものは僕にはなかったので、姿勢と呼吸の大切さを伝えることにした

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血液型性格診断はでたらめではない、かもという調査(論文リンクあり)

血液型性格診断はでたらめではない、かもという調査(論文リンクあり)

とある経験から、こんなことが言えそうだ。と思った経験とはあると思います。でもそんなの実証されてないし、なんてのもよく聞く話。ABOの血液型性格診断については、まだ明らかになっていない。ということで根拠がないとも長年言われてきましたが、結構信じている人もいるはず。

そもそも1920年頃、お茶の水大の古川竹二教授がパイオニアの血液型と気質の研究。今年、一般社団法人ヒューマンサイエンスABOセンター(

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ポリコレと見えざる手/ナッシュ均衡の視点からSDGsを俯瞰する

ポリコレと見えざる手/ナッシュ均衡の視点からSDGsを俯瞰する

始めに断っておくが、僕は政治的なことを書くのは好きではない。

政治は信仰や宗教と不可分にあり、論破することで解釈を書き換えることはできても事実を変えられるわけではないからだ。そして有意義な議論になるには相手と同様の立場で忌憚ない意見の交換が必要であるが、その土台に立てていない人も多い。特によくあるのが、自分の「普通」がいかほどの偏りを持つのかということを認識せず、その「普通」を絶対軸として話にな

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研究者のリアル/残る命、散る命

研究者のリアル/残る命、散る命

僕は旧帝大のライフサイエンス系の研究者でもありました。研究者の実態と少し思い出話を書きたいと思います。お目汚しになったらすみません。

研究者の徒弟性について学部生と異なり、師となる指導教官につきその指導を受ける。同じ研究室内で全く系統が異なることもあるし、ボスの直弟子なこともありうる。

僕は独立行政法人化した後の大学院しか知らないが、教授陣は非常にペーパーワークが多かった。一部僕にもその作業は

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わかった気になってもらうことの大切さ/アホの壁

わかった気になってもらうことの大切さ/アホの壁

僕の大学院の恩師は常々言っていた「アホなやつにはわかった気分にさせとけ」と。

暴論ではあるので少し説明を加えたい。

人にはそれぞれ得意分野がある。人は誰でも打ち込んできた分野や得意な分野がある。例えばSEであれば案件の担当した部分におけるスキルはある程度あるだろうし、研究者であれば専門分野があるだろう。大酒飲みのオッさんは酒に酔って人生を満喫するのが得意なのかもしれない。

その得意分野の説明

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Lost Picture -アンナの光-

Lost Picture -アンナの光-

IDC川村記念美術館にはかつて「ニューマンルーム」と呼ばれる展示室があった。創立の1990年から所蔵していたバーネット・ニューマンの最大の作品である「アンナの光」(1968年)を単独展示していた部屋である。
過去形なのは2013年に海外の企業に売却し、公開が終了しているからだ。

出会いこの作品との出会いは僕のアートに対する概念をひっくり返した。

写真で見ると現代アートでよくある赤一色の塗りつぶ

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とある中小企業の限界/活かされぬ高学歴の人柱たち

とある中小企業の限界/活かされぬ高学歴の人柱たち

採用に関わっていて、中小企業と大企業の違いを大きく感じたのは、修士以上の学生の取り扱いだった。(ベンチャーは未経験の為、除外)

これはあくまで個人の経験なので、そこを差し引いてほしいが、こういった中小企業としての小回りを利かせず腐っていく中小企業もあるのだ。という一例としてお読みいただきたい。

僕の見た中小企業の限界非上場のサービス系の中小企業に事務系職種で勤めた際には、修士として取られたにも

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いつもひと口ずつ/仕事のコツ

いつもひと口ずつ/仕事のコツ

僕は、まぁそんなスーパーマンでは無いので、いろんなことを教えられるわけではありません。ただものすごく飽きっぽく、面倒なことは大嫌いなので興味のないことは基本したくありません。そんな僕ですから仕事は上手く進むのがいちばんですし、スムーズに行くのが1番です。

なので仕事が上手くいくコツをライフハックとして書いてみます。

ゴールしたいのか?見つけたいのか?ゴールをしたい時と見つけたい時をきちんと区別

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DXのため息/スキルアップを考える

DXのため息/スキルアップを考える

「デジタルトランスフォーメーション」をDXと略すのはやめた方がいいんじゃないかな。と思う出来事がありました。

言葉を丁寧に使うことを推奨したいです。

略語を使う弊害一般論として略すとキャッチ―になる分、本来の意味を忘れてしまいます。略すと考えなくなるんです。10人のうち9人は。でも改善や改革なんで、組織の行動レベルで浸透させようと思うなら、5W1Hまで落とし込むまでやってスタート地点です。

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続・氷河期の僕達へ/時代の流れに逆らえずとも

続・氷河期の僕達へ/時代の流れに逆らえずとも

先日書いた僕ら氷河期へのメッセージを書きました。

今回は少し説明を加えます。

流れに逆らって泳ぎきれるのは1部の種類の魚だけ。水の流れに逆らって泳げる魚は限られています。よく知られているのは川登りをする鮭、それでも産卵のために登りきると力尽きてしまいます。流れに逆らわなかった魚が正解、逆らった鮭が不正解なんて誰にも言えないはず。

時代の流れも同じです。抗えない流れの中で逆らって生きていく、そ

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