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教会の問題

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キリスト教会はとても居心地のよいところです。でも、満点を期待してはいけないでしょう。たくさんの問題を抱えています。とくに内側にいると見えないものを、なんとか見ようとするひねた者が…
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#コロナ禍

見えざる教会

見えざる教会

聖書を直接読めるということは、古代においては特別な能力の持ち主であっただろう。殆どの人にとって、聖書は「聞く」ものだったと思われる。いまでも、礼拝説教を私たちは「聞く」。
 
音声は、時間と共に一方向に届けられる。絵画と違って、音楽はその芸術性において、どうしても時間性が関わってくる。音声も同様だ。聖書を目で読むとなると、1行前に戻ることもできるが、聞くとなると、そうはいかない。つまりは、ぼーっと

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コロナ禍はまだ顧みる段階ではないが

コロナ禍はまだ顧みる段階ではないが

命に関わる情報なので、迂闊に素人の発言に全幅の信頼を寄せることはご遠慮ください。しかし、本当かどうかご確認戴くことは歓迎したい。
 
2023年5月中旬から、新型コロナウィルス感染症の新規感染者数や死亡者数を発表しなくなった。それは、医療機関に、逐一所定の形式で毎日報告する義務を課さなくなったということである。医療機関は、少し助かっている。但し、それが感染に関して安全になった、ということを意味する

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TOKYO MER

TOKYO MER

劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』を観てきた。医療従事者の妻がどうしても見たかったということで、連れられて行ったのだ。テレビドラマの劇場版だというが、私は見ていないので、予備知識ゼロで鑑賞した。
 
最初から私は泣き通しだった。いきなり、緊迫感の中で救急救命のチームが事故現場に飛び込むのだが、意識のない負傷者に対して、冷静に語りかける、そのシーンからだ。分かっている。医療従事者はそうす

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コロナ禍の中の教会

コロナ禍の中の教会

コロナ禍に陥って、2年半。キリスト教会は、一般に苦労している、と思う。最初は、ほぼ法的に、集会ができなくなった。韓国での教会のクラスターが、抗えない雰囲気をつくったのも事実だが、概ねそれを受け容れ、その代わり、リモートでの礼拝参加という方法をつくりだした。高齢者や貧困家庭などを排除することにもなったが、なんらかの形でつながりをつくろうと努めたことであろう。
 
その後、緊急事態宣言そのものが解除さ

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私のOA機器

私のOA機器

例によって、長い文章である。大部分は、OA機器の変遷について懐かしめる方だけのための、マニアックな文章であることを、お断りしておく。
 
中学校で生徒会に入っていた。何か勧められてやり始めた流れだった。報告書だったか、印刷原稿をつくることになり、使っていたのは、ボールペン原紙だった。ブルーの薬品のついた原紙に、ボールペンで書いたものが印刷の原版となる。間違えたら修正液もあった。
 
年代が分かるだ

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コロナ禍における教会と国家について

コロナ禍における教会と国家について

「まんぼう」などと、どこか見下したような呼び方をし始めると、恐らく何かがおかしくなっていく。「まん延防止等重点措置」のことである。新型コロナウイルスの感染が広がってきた頃にも、「コロ助」などとバカにした言い方をしていたツイートがあったが、まともなことを言ってはおらず、嘘でまかせばかりばらまいていた。デマのばらまきは、その後法的に処罰されるようになっていった。
 
新規感染者数が減少傾向にあったため

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リモート配信も2年経つのだし

リモート配信も2年経つのだし

教会の礼拝をリモート配信することについての苦言である。
 
2020年、コロナ禍と呼ばれる時代となり、日本政府は一種のパニック状態になり、非常事態宣言を発した。未知のウイルスに対しては確かにひとつの方策だった。これを受けて、キリスト教会もまた浮き足立った。「礼拝を中止する」という言葉が飛び交った。冗談じゃない。私はすぐに主張した。「集まることができない」ことと「中止する」こととは等しくない、と。礼

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事の深刻さ

事の深刻さ

新型コロナウイルス感染症の新規感染者は驚異的に増えている。これが保健医療の場でどれほど深刻なことになっているか、あまり気づかれていないように見えるために、まず知ることからと思い、少しだけ簡潔に綴る。
 
新規感染者の増大は、この二年間のことが参考にならないほどに、濃厚接触者が感染者より遙かに多い人数として数えられているということである。医療従事者は、基本的にこれまで現場においては濃厚接触者にはなら

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「しなかったこと」を問おう

「しなかったこと」を問おう

教会で牧師とすれ違い様に「先ほどはありがとうございました」と声をかけられた。私は、何のことか全く分からなかった。その日教会に来てまだ10分かそこらであったから、その中で思い当たることは何もなかったのであった。
 
説明された。ある人を乗せて車椅子を押していたことだという。
 
私は、それがなんで「ありがとうございました」なのか、まだよく分からなかった。やっと少し遅れて、「いや、そんな、全然」とは言

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教会はいま何を伝える

教会はいま何を伝える

理不尽に休業せよと迫られる、飲食店があり、小売店がある。感染拡大を抑えるためだという大義名分を掲げて、権力が強要する。全く根拠がないとは思わないが、それが主要なのか、と疑問を挟みたくなる。むしろ、感染防止のために飲食店はずいぶんと配慮し、努力しているところが多いと思うし、むしろそれが閉まっているが故に別に集まって食べて感染することが多いとすれば、飲食店を閉めさせることは逆効果であるという側面も否定

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犠牲

犠牲

『ナルニア国物語』は、キリスト者として、あるいは伝道者として、作家活動を続けたC.S.ルイス(イギリス)の最も有名なファンタジー物語のシリーズである。私もファンタジーものに熱中した時期があり、全巻読んだ。瀬田貞二さんの訳だったが、児童文学に長けた方の選ぶ言葉は、読みやすかった。『指輪物語』の訳もこの方で、やはり抵抗なく読み続けることができた。
 
映画化は不可能と言われていたこの『ナルニア国物語』

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竜とそばかすの姫

竜とそばかすの姫

映画「竜とそばかすの姫」を見た。有名になった作品への奇妙な称賛と、その逆のこきおろしなどに関わるのはごめんなので、制作者には失礼かもしれないが、非常に個人的な視点からのみ、少し触れる。「少し」というのは、いわゆるネタバレを起こしてはいけないということを意味する。
 
ヒロインの、バーチャル空間での名は「ベル」である。これで「ベルと竜」が私の頭に思い浮かばないはずがない。ヒロインの名を知ったときに、

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法

中学で生徒会役員をしたとき、それはどこか「ごっこ」めいていたと思う。何かしら事務の手続きを覚えるための練習の場のようなものだった。事務レベルで何をするか、それを総会という建前の中でどう営むか。いろいろ教えてもらった。
 
それでも、生徒総会で、靴下のライン数についての校則を変更するに至ったのは、ひとつの成果であったかもしれない。規則を変えるにはどういう手続きが必要なのか、学んだ。
 
ブラック校則

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いらないもの

いらないもの

関東のラジオ番組だが、リスナーに電話をかけたときに、お決まりで尋ねる質問があって、三つのものを並べ、「いらないものはどれ?」と迫るものがある。たとえば、「にんにく・しょうが・こしょう。いらないものはどれ?」のようなものだ。リスナーは「うーん」と考えて、ひとつを返す。個人の好みがそこに反映されて、けっこう面白い。「英語・数学・国語。いらないものはどれ?」などという質問を受けたら、あなたはどれを答える

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