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たにかつコラム

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2023年2月の記事一覧

子ども食堂とはなんなのかを考える

子ども食堂とはなんなのかを考える

いちおう書いておかないといけないと思うので書くんだけど、私は「子ども食堂」が(少なくとも現状において)無い方がいいとか、意味が無いとかをと言っているわけではなくて、いろんな効果や役割を認めた上で(「お前に認めてもらう必要はない」と言われるかもしれないけど、そこには税金が使われているからね)、つまり、これまでに果たしてきたもの、現在の役割、これからの役割と、社会的な効果を、(将来的な予測は難しいにし

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依存しないこと。依存させないこと。

依存しないこと。依存させないこと。

あんまり知られてないかもしれないんだけど、うちは日常的に生活困窮とかひとり親世帯への食糧支援もやっていて、その点では、子ども食堂とそんなに変わらないんだけど、うちには人は殺到しないのね。

最初はね、困ってるんならどうぞ、とあっさりお渡しするんだけど、2回目以降は、その人の話をしっかり聴いて、どのくらいのものが必要なのか、これからどうすればその人たちがより良くなるかを一緒に考えるからなの。

もう

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ちゃんとやっているところにお金をください(2021年3月11日にFacebookに投稿したものを再掲)

ちゃんとやっているところにお金をください(2021年3月11日にFacebookに投稿したものを再掲)

対面による相談500件超、訪問による相談300件超、電話・SNSによる相談応答(送受信)件数は統計とってないけど1万件を超えていると思う。

これらは、NPO法人ルネスかごしまが2020年4月から2021年3月までに受けた相談件数です。

電話・SNSによる相談は鹿児島県障害福祉課からの助成(地域自殺対策事業)を、7~9月、10月~3月まで合計110万円いただいていますが、それ以外は、交通費、人件

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「きょうだい」という呪縛

「きょうだい」という呪縛

障がいの有無に関わらず、きょうだいのことで悩む人はすごく多いみたいなんだけど、たとえば、「(あんな親なら)捨てていい」という考え方があり、家族も他人だという認識を持てば、兄弟姉妹だからといってわかりあえるとは限らないし(むしろ、距離が近い、共に過ごす歳月が長い、しかも自分では選べない)、「捨てる」というと乱暴に聞こえるかもしれないけど、テキトーに距離を取って(距離を取るためにも努力しなきゃいけない

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私がやる家庭教師とは

私がやる家庭教師とは

こーゆーこと言うと、親御さんが「えっ」と思って家庭教師の依頼が減るかもしんないけど。

生徒さん「たにかつさん、そろそろ勉強したいんですけど」
たにかつ「えー、もう少し漫画とかゲームの話しようよう」
生徒さん「さすがにそろそろ勉強したいです」
たにかつ「えー、しょうがないなあ、ちょっとだけだよー」
こういう会話がわりとあるんですけどね。
本人がやる気になるのが一番早い(効率的だ)ということがわかっ

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クラウドファンディングと日ごろからのファンつくりについての考察とお願い

クラウドファンディングと日ごろからのファンつくりについての考察とお願い

クラウドファンディングを成功させるのって、もちろん企画内容が人に応援してもらえるようなものか、社会が求めるものなのかというのが最終的には必要になるんだけど(規模が大きければなおさら)、そのためにも、多くの人に知ってもらう必要があって、さらにそのためにはスタートダッシュが大事なんだけど、スタートで応援してくださる方って、要は元々その活動のファンでいてくださる方々のことで、社会活動をおこなう団体の中に

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知らないから不安、知っているからなお不安

知らないから不安、知っているからなお不安

「たにかつさんっていろんなことよく知ってますね」って言われるんだけど、ほんとはなにも、ほんとになにも知らないからさ、わりと不安でしょうがない夜もあるんだけど。

不安だからこそ勉強するし、どこまで行っても安心することなんて、ないのかもしれないけど。

知ってることが自信になることもあれば、謙虚だから何からも学ぼうとして。

それでもあなたが心のそばにいるから、なんとかやっていくことができているのか

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NPO法人の運営に関する考察(「ファンを作る」ということについて)

NPO法人の運営に関する考察(「ファンを作る」ということについて)

小さいNPO法人などでは、予算的に限りがあることもあり、それでも活動を知ってもらう必要があるので、「ファンを作るのが大事だ」とよく言われるのです。

じゃあ、人はどんな人のファンになるかというと、もちろん、色んな要素があるとは思うのですが、私にできそうなのは、ウソが無い、自己開示をちゃんとする、つまり、私はこんな人間です、というのを、しっかり出して行こうかなというのが採択した方向性で。

それはま

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NPO法人ルネスかごしまのカウンセラーになるには

NPO法人ルネスかごしまのカウンセラーになるには

カウンセラー志望の人にとって、どうもこの、クライアント(相談者さん)と話ができる(相談を受ける)機会って一種の花形みたいに思っておられる方が多いみたいで、ひだまりカフェのボランティアを希望される方の中にも、お茶を淹れたり、挨拶をしたり、よく来られる方のお話相手をすることがつまんなくなってきて、「私にもカウンセリングをさせてください」とか、「私はできるのに、どうしてさせてくれないんですか」とか、「谷

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私にとっての最後の仕事

私にとっての最後の仕事

女性学(ジェンダー・フェミニズム)の第一人者であるところの、上野千鶴子さんは10年ほど前のころだろうか、「男性」の女性学研究者に向けて、割と厳しい目(ご意見)をお持ちだったように見受けられる(実際にその種の発言もしている)。

それは、「女性学を作ってきたのは私たちだ」という自負、「自分たちのことは自分たちで決める」という決意、そして、「人のことに口出している暇あんのかよ」というスタンスだったよう

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NPO法人ルネスかごしまが「合格しました」「就職が決まりました」と言わない理由

NPO法人ルネスかごしまが「合格しました」「就職が決まりました」と言わない理由

うち(NPO法人ルネスかごしま)は、あまり(というかほとんど)うまくいった事例というか、たとえば、「学習支援をおこなっていた人が高校に合格しました」とか、「ひきこもり支援で関わっていた人が就職をしました」とかを書かないんだけど、それには理由があって。

1つにはもちろん、プライバシーの問題があって、この狭い社会では、「あの人は支援を受けてここに来たのか」ということが特定されてしまうことがあり、それ

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東浩紀「一般意思2.0」を読んで考えたこと

東浩紀「一般意思2.0」を読んで考えたこと

東浩紀「一般意志2.0」読了。

昨日のYouTube収録(近日中に 学カフェチャンネル https://www.youtube.com/watch?v=VS7vxhFyeRg&t=105s  にて公開予定)でも少し話したんだけど、いわゆる『熟議民主主義』という理想、フランス革命を推進した「それまで、貴族や支配階級が独占していた知識や情報を、一般市民が学ぶことにより、より多くの有意義な議論が『成熟

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