たびと

合計17年強、上海で生活した日本生まれ日本育ちの日本人。高校卒業後に上海へ渡り大学~大…

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合計17年強、上海で生活した日本生まれ日本育ちの日本人。高校卒業後に上海へ渡り大学~大学院で中国史の勉強。「アジア金融危機とかで日本にゃ仕事がない」と親から脅され、現地でフリペライター・市場調査、日本帰国後も中国情報メディア&マーケティング関連のお仕事に従事中。うつ病治療中。

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    うつ病と診断されてから考え始めた、自分にとっての「生き方」と「中国」との関係を、思いつくままにまとめていきます。 ただし、けなす、否定する、見下す、憎悪するものではありません。

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    『孫子兵法』をノンビリ、ややオタクに読むColumn。昔、PDFで配信していたものを再編集しています。

記事一覧

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍④

現代中国が形成される1つの要素となった「六四」 6月4日である。 この日はどうしても「現代中国」というものに思いを巡らさざるを得ない日である。 この日の出来事に対し…

たびと
1か月前
1

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍③

日本国内ではけっこう「闇の組織」化してしまっている、「中国共産党」という組織。 「気味が悪い」とか「非合法組織」めいたイメージばかりが広がっているが、原則的に言…

たびと
1か月前
2

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍②

中国の若者はこれまでの世代とは大きく異なる。 中国マーケティングを行っていると、その事実を常に突きつけられている。 その「違い」を恋愛や結婚という人生の一大イベン…

たびと
1か月前
17

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍①

春、学校や会社、自身の研究テーマやビジネスノウハウとして「中国」というキーワードを選択する、もしくは自発的ではないが出会う人も多かろうと思う。 そういう人に読ん…

たびと
2か月前
2

約20年前の中国“非主流”トリップ体験と中国観 ~中国の多角的多様性を考える~

おことわり 自分の経験(中国学習、中国留学、中国就業や中国ビジネスなど)を整理して書き出そうと思い、準備を始めた。 一部はノートのこのページに書いてあるのだが(h…

たびと
2か月前
4

孫子をゆる~く読むコラム 始計篇を読み込む①~五事・七計~

序ビジネスに役立つと言われる中国古典『孫子』。 確かに同書は会社の事業戦略やマーケティング戦略、人事労務に関係する人間関係などを考えたり、果ては人生そのものに役…

たびと
1年前
7

ウツと“生きる”と中国と~中国とカエルのお腹~

眠るのが怖い。 眠ると確実に悪夢を見て自分の叫び声で目が覚めるのが毎日の習慣になっている。 休んでいるのに、かえって疲れてしまうのである。 誤解のないようにふと前…

たびと
2年前
3

ウツと“生きる”と中国と~努力できない人間と努力の定義~

「うつ病」という病気は、症状が出てくると、本格的にいろんなことができなくなってくる。 書きたいと思った文章も、まったく書けなくなる、書く気がなくなる。 とにかく…

たびと
3年前
2

ねころんでロンゴ(論語)~オリンピックスピリッツ

八佾第三 原文子曰「君子無所爭。必也射乎。揖讓而升下、而飮。其爭也君子。」 書き下し子曰く、君子は争う所無し。必ずや射か。揖譲(ゆうじょう)して升下(しょうか)…

たびと
3年前
1

ウツと“生きる”と中国と~序~

この内容を書き始めようと思い立ってから3~4カ月が過ぎていた。 仕事が忙しいというせいもあるが、気が湧かない、頭も体も気怠く、時間のある時は横になっていたいとい…

たびと
3年前
1

ねころんでロンゴ(論語)~それが一番大事

子路第十三 原文子路問政。 子曰。先之勞之。 請益。 曰。無倦。 書き下し子路、政(まつりごと)を問う。 子曰く、「之に先(さきん)じ、之を労(ねぎら)う」。 益(…

たびと
3年前
2

ねころんでロンゴ(論語)~働き方って

衛霊公第十五 原文子曰、直哉史魚。 邦有道如矢。邦無道如矢。 君子哉蘧伯玉。 邦有道則仕。邦無道則可卷而懷之。 書き下し子曰く「直(ちょく)なるかな史魚(しぎょ)…

たびと
3年前
2

ねころんでロンゴ(論語)~何話してるんだか…

衛霊公第十五 原文子曰。羣居終日。言不及義。好行小慧。難矣哉。 書き下し子曰く、群居(ぐんきょ)終日、言(げん)、義に及ばず、好んで小慧(しょうけい)を行う。難…

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3年前
1

日中価値基準考察~「600元の“とうふ”を売るには」に思う

中国が抱える“とうふ”の悩みいつも読んでいる中国のマーケティング情報メディアで、面白い記事を見つけ、日本と中国の価値基準について思いついたことがあるので書き出し…

たびと
4年前
2

「中国ITすごい!」や「中国ベンチャーすごい!」ブームに“今”乗れない理由

なんとな~く、巷でよくある「中国すごい」、「中国ベンチャーすごい」に載れないままでいる。 中国の仕事をしている以上「いけないな」と思う気恥ずかしさがある。 中国…

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4年前
6

ねころんでロンゴ(論語)~幸せな生き方って~

雍也第六 原文子曰「賢哉回也。一箪食。一瓢飮。在陋巷。人不堪其憂。回也不改其樂。賢哉回也。」 書き下し子曰く「賢なるかな回(かい)や。一箪(いったん)の食(し)…

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4年前
4
中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍④

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍④

現代中国が形成される1つの要素となった「六四」

6月4日である。
この日はどうしても「現代中国」というものに思いを巡らさざるを得ない日である。

この日の出来事に対して、数多くの書籍が出されているが、
今回は現在における中国ルポライターのこの方の本を紹介。

書名:八九六四完全版 「天安門事件」から香港デモへ
著者:安田峰俊
出版:角川新書

いわゆる天安門事件(第二次天安門事件、六四事件)は、

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中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍③

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍③

日本国内ではけっこう「闇の組織」化してしまっている、「中国共産党」という組織。
「気味が悪い」とか「非合法組織」めいたイメージばかりが広がっているが、原則的に言えば、中華人民共和国の政権与党、執政党なので、公的な組織であることは、ちょっと考えればわかるようなもの。

それでも「恐怖の闇組織」と言われてしまうのは、組織トップそのものの透明性にあるのだろうが、本書はそうした部分を取り払い、非常に客観的

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中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍②

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍②

中国の若者はこれまでの世代とは大きく異なる。
中国マーケティングを行っていると、その事実を常に突きつけられている。
その「違い」を恋愛や結婚という人生の一大イベントという切り口から描き出した一冊。

書名:シン・中国人―激変する社会と悩める若者たち
著者:斎藤淳子
出版:ちくま新書

まさに経済発展の恩恵を享受しながら育ってきた90後世代だが、社会に放り出された後に、現実とまた上の世代との価値観の

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中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍①

中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍①

春、学校や会社、自身の研究テーマやビジネスノウハウとして「中国」というキーワードを選択する、もしくは自発的ではないが出会う人も多かろうと思う。

そういう人に読んでいただきたい書籍を少しずつ紹介していこうと思う。
今回は日本の最高学府の中国専門家たちの講義内容をじっくり読めるというお買い得の書籍。

書名:現代中国ゼミナール: 東大駒場連続講義
著者:東大社研現代中国研究拠点
出版:東京大学出版会

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約20年前の中国“非主流”トリップ体験と中国観 ~中国の多角的多様性を考える~

約20年前の中国“非主流”トリップ体験と中国観 ~中国の多角的多様性を考える~

おことわり

自分の経験(中国学習、中国留学、中国就業や中国ビジネスなど)を整理して書き出そうと思い、準備を始めた。
一部はノートのこのページに書いてあるのだが(https://note.com/tabito_china/n/n4b5d084487bc)、ほかに何かないかと探していたら、社内用に作った資料が出てきた。
自分の原点であり、一部の「中国すごいぞ系」のビジネスマンや、中国で有名になった日

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孫子をゆる~く読むコラム 始計篇を読み込む①~五事・七計~

孫子をゆる~く読むコラム 始計篇を読み込む①~五事・七計~

序ビジネスに役立つと言われる中国古典『孫子』。
確かに同書は会社の事業戦略やマーケティング戦略、人事労務に関係する人間関係などを考えたり、果ては人生そのものに役立つ内容が多く盛り込まれている。
しかし、それを真剣に読もうと思うとけっこうな労力がかかる。
なので、少し大学院時代の研究を思い出し、『孫子』を読み解いていこうと思う。
ただ、どこまで続くか分からないし、かなりオタクな内容を差し込むことがあ

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ウツと“生きる”と中国と~中国とカエルのお腹~

ウツと“生きる”と中国と~中国とカエルのお腹~

眠るのが怖い。
眠ると確実に悪夢を見て自分の叫び声で目が覚めるのが毎日の習慣になっている。
休んでいるのに、かえって疲れてしまうのである。

誤解のないようにふと前回の文章を読み返して、誤解を招くかもしれないので書いておこう。

▶前回の文章
ウツと“生きる”と中国と~努力できない人間と努力の定義~
https://note.com/tabito_china/n/n4b5d084487bc

私が

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ウツと“生きる”と中国と~努力できない人間と努力の定義~

ウツと“生きる”と中国と~努力できない人間と努力の定義~

「うつ病」という病気は、症状が出てくると、本格的にいろんなことができなくなってくる。
書きたいと思った文章も、まったく書けなくなる、書く気がなくなる。

とにかくできるところから、まずはもう一度、自分が中国に行った経緯を整理してみようと試みた。

それで思ったのだが、ツラかったことの一つが「努力」という言葉の持つ意味の違いじゃなかったのか、と思う。

なぜ中国へ行ったのかと自分にとっての「努力」私

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ねころんでロンゴ(論語)~オリンピックスピリッツ

八佾第三

原文子曰「君子無所爭。必也射乎。揖讓而升下、而飮。其爭也君子。」

書き下し子曰く、君子は争う所無し。必ずや射か。揖譲(ゆうじょう)して升下(しょうか)し、而(しこう)して飲ましむ。其の争いや君子なり。

訳孔子が五輪見て(ウソ)つぶやいた。
「イケてる人って、ああだこうだって争うことはしねぇよな。
まぁ勝ち負け付けるとしたら弓の試合ぐらいか。
それだって、きちんとマナー守って、譲り合

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ウツと“生きる”と中国と~序~

ウツと“生きる”と中国と~序~

この内容を書き始めようと思い立ってから3~4カ月が過ぎていた。
仕事が忙しいというせいもあるが、気が湧かない、頭も体も気怠く、時間のある時は横になっていたいという欲求に勝てなかった。

それも仕方がない、と自分では思う。

2020年、コロナ禍の中、私は「うつ病」との診断を受けた。

ただ、医師と話していて言われたのが、昨年にうつ病になったわけではなく、そう診断されたにすぎない。
医師の言葉を借り

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ねころんでロンゴ(論語)~それが一番大事

子路第十三

原文子路問政。
子曰。先之勞之。
請益。
曰。無倦。

書き下し子路、政(まつりごと)を問う。
子曰く、「之に先(さきん)じ、之を労(ねぎら)う」。
益(えき)を請う。
曰く「倦(う)むこと無かれ」。

訳子路が政治について大切なことを聞いたので、
孔子はそれに答えてあげた。
「まず自分からやること。周りをねぎらってやること」
子路が「もうちょっと、なんか教えてください」と(図々しく

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ねころんでロンゴ(論語)~働き方って

衛霊公第十五

原文子曰、直哉史魚。
邦有道如矢。邦無道如矢。
君子哉蘧伯玉。
邦有道則仕。邦無道則可卷而懷之。

書き下し子曰く「直(ちょく)なるかな史魚(しぎょ)。
邦(くに)に道有れば矢のごとく、邦に道無なきも矢のごとし。
君子なるかな蘧伯玉(きょはくぎょく)。
邦に道有れば則ち仕え、邦に道無ければ則ち巻て之を懐(ふところ)にすべし」

訳孔子が空を見上げて言った。
「まっっっすぐだよね“史

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ねころんでロンゴ(論語)~何話してるんだか…

衛霊公第十五

原文子曰。羣居終日。言不及義。好行小慧。難矣哉。

書き下し子曰く、群居(ぐんきょ)終日、言(げん)、義に及ばず、好んで小慧(しょうけい)を行う。難(かたい)かな。

訳孔子が吐き捨てるように言った。

「1日中集まってるのに、話しているのはこざかしい子知恵ばっかりで、世の中をどう考えてるのかなんて、全く考えてない。どーしよーもねーな」

弟子「ギクッ(;’∀’)」

寸感けっこう

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日中価値基準考察~「600元の“とうふ”を売るには」に思う

日中価値基準考察~「600元の“とうふ”を売るには」に思う

中国が抱える“とうふ”の悩みいつも読んでいる中国のマーケティング情報メディアで、面白い記事を見つけ、日本と中国の価値基準について思いついたことがあるので書き出してみた。

近年は中国も「価値観の多様化」が始まっているので、一概に「中国では」と言い切る事はできないのは承知の上。なので、ここに書いたことはあくまで参考までというレベルであることを先に申し上げておく。

読んだ記事はこちら

『吃一顿豆腐

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「中国ITすごい!」や「中国ベンチャーすごい!」ブームに“今”乗れない理由

「中国ITすごい!」や「中国ベンチャーすごい!」ブームに“今”乗れない理由

なんとな~く、巷でよくある「中国すごい」、「中国ベンチャーすごい」に載れないままでいる。
中国の仕事をしている以上「いけないな」と思う気恥ずかしさがある。

中国の事を話す機会が多いのだが、中国ITや中国ベンチャーに関する話題になると、どうしても言葉が辛辣になるようで、
「中国IT嫌いなんですか?」
「中国の会社って嫌ですか?」
などと聞かれてしまうことがある。

最近、やや反省気味である。

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ねころんでロンゴ(論語)~幸せな生き方って~

雍也第六

原文子曰「賢哉回也。一箪食。一瓢飮。在陋巷。人不堪其憂。回也不改其樂。賢哉回也。」

書き下し子曰く「賢なるかな回(かい)や。一箪(いったん)の食(し)、一瓢(いっぴょう)の飲(いん)、陋巷(ろうこう)に在り。人は其の憂いに堪えず。回や其の楽を改めず。賢なるかな回や。」

訳孔子がマヂで驚きながら言った。
「スゲーよな、顔回ってさ。一膳飯に一膳酒、ボロッボロの家に住んでるなんて、フツー

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