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中国ビジネス、中国学、中国語などに飛び込もうとする人たちに読んでもらいたい書籍①

春、学校や会社、自身の研究テーマやビジネスノウハウとして「中国」というキーワードを選択する、もしくは自発的ではないが出会う人も多かろうと思う。

そういう人に読んでいただきたい書籍を少しずつ紹介していこうと思う。
今回は日本の最高学府の中国専門家たちの講義内容をじっくり読めるというお買い得の書籍。


書名:現代中国ゼミナール: 東大駒場連続講義
著者:東大社研現代中国研究拠点
出版:東京大学出版会
発売:2020/5/21

政治、経済、外交、課題などが一括で理解できる

「一帯一路」、「雨傘革命」、「デジタルチャイナ」、「中国之夢」、「ウイグル問題」などの聞きなれた現代中国の内政・外交についてや台湾問題、中国の憲法改正や農村問題、被差別の人々など11のテーマで、まさにその道の「第一人者」たちの講義内容が収められている、コスパの高い1冊。

2020年と4年前の書籍だが、「書かれている内容と現在とどう変わったのか」を合わせて思考することで、現代中国の状況やこの先に進もうとしている方向性などがよくわかる。

もちろん、今日本のニュースなどでも盛んに取り上げられる中国の外交方針や「IT」、「EV」、「ドローン」などに代表されるデジタル中国を推し進める背景など、現代中国を考える上でのホットテーマを、研究者の視点と言葉で理解することができる。

また聴講生とのQ&Aも収められており、そこから新たな視点を得ることができる。

ちなみに個人的に注目したのは第10講・第11講。

田原史起教授による中国が抱える農村問題と格差、今行われている「城鎮化」がなぜ、どのように進められているか、阿古智子教授によるフィールドワークによるセックスワーカーや貧困問題など、華やかな発展から「こぼれた人たち」の姿について考察でき、非常にためになった。

いずれにせよ、巨大な中国という国の現代「やろうとしていること」と「その課題」を知る「中国市場向け人材」となるうえで必読な1冊。

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