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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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2024年5月の記事一覧

第55話:電子レンジとつばさの党

第55話:電子レンジとつばさの党

最近、カスハラがクローズアップされている。

モンスターペアレンツもその一種であろうか。
僕も「うちの息子の体育の成績が10(10段階評価)でないのはおかしい」と言う母親からの苦情の電話に対応したことがある。「必要であればお子さん本人が体育の教員に聞きに行けばちゃんと説明するはずです」と言うのだがなかなか引き下がってくれない。
何かにつけてクレームを言ってくる母親で、これといって明確な根拠があるわ

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チョコモナカジャンボ

チョコモナカジャンボ

今年度、勤務をハーフに変えてから休日に家にいるようになったのでありますが、何となく何かしないではいられないのでありました。

5月初旬から庭をゴソゴソいじり始め、棚を作ってみたり、小石を敷いてみたり、草刈りをしたり。

ついこの間は庭のススキの大きな根っこを鍬で掘り起こしていたら、よほど力が入ったものか、左ふくらはぎを痛めて整形外科に行き「軽い肉離れ」と言われ、痛み止めと湿布をもらってきました。

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反戦の歌

反戦の歌

白菜はラファ砲撃を告ぐる日の記事に包まれ厨にありき

 戦争を歌うのは難しい。

白き雲穏やかにゆく空は青く ミャンマーで人が死んでゐる

 反戦を人に伝えるのも難しい。

高校生に反戦をどう語るかも実は難しい。

ロシアがウクライナに侵攻した時、「この時代にそんなことが起こるのか」という衝撃と同時に、みんな「自分に何もできない無力感」に駆られていた。

「祖国のために銃を取る」というウクライナの

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第54話:電話

第54話:電話

30年も前に自分が書いた文章を見返していたら、H2(1990)頃のものにこんなふうに書かれていた。

30数年も前のことであり、この頃はまだごく特定の人がショルダーフォンを使っていただけの時代であって、ケータイやスマホが当たり前の時代からすれば、「何を言っているか」とせせら笑われてしまう内容だろう。

いつでもそうだが、ちょっと振り返ると、時代の変化の速さを思わずにいられない。

この後、ポケベル

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「遊ぶ」って、どんな字?

「遊ぶ」って、どんな字?

一昨日の授業で漢文の反語を扱ったのでありましたが、「遊」という字を間違えて黒板に書いてしまったのでありました。

結構、ショックでした。

『文選』所収の古詩に「人生は短い。春の夜も短い。憂いを忘れて楽しむべきだ」と詠んだ詩があって、その中の句に

何 不 秉 燭 遊 

があります。
訓読すると「何ぞ燭を秉りて遊ばざる」。
「どうして灯火を手に取ってこの春の夜を楽しまないの?いや存分に楽しもうよ

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バレンタインデーというブラックデー

バレンタインデーというブラックデー

過去記事を加筆訂正しながらひとつのマガジンに整理を試みています。その中で割と自分が好きな記事を再掲してみたいと思います。
元記事にスキやコメントもいただいているので、こんな「妙な」元記事の再投稿になりますがよろしければお付き合いください。

なお、勝手なお願いで申し訳ありませんが、このページ自体は順次削除したいと思いますので、もしスキやコメントなどいただける場合には元記事にお願いできればと思います

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第50話:怠けることと誠実であること

第50話:怠けることと誠実であること

全くの愚話である。

ウチのカミさんによると僕は「怠け者」であるらしく、その見解は僕が僕のことを誠実で几帳面な人間と考えていることと甚だしく食い違っている。

僕はこのカミさんと大学で知り合い、卒業後5年間の付き合いを経て結婚に至ったのだが、この5年間は静岡と神奈川で中距離?恋愛をしていたことになる。
ただ、その間、僕はカミさんにろくに手紙も書かず、自分からはほとんど電話も掛けずに済ませてしまった

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GWと僕の居場所

GWと僕の居場所

ゴールデンウイークが終わりました。

見事に爽やかな天候で、後半四日間は完全休養しました。

ここ御殿場では田植えも終わりました。

4日間もまるまる家にいるのは全くなかったことで、さぞかし心身が休まった!と言いたいところですが、なかなかそうでもありません。
昨年まで何十年もゴールデンウイークなど全く関係なく仕事をしていた心身が違和感を訴えて、のんびりできない自分に違和感を感じたりなどしまうのです

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友人からの手紙

友人からの手紙

過去記事を加筆訂正しながらひとつのマガジンに整理を試みています。その中で割と自分が好きな記事を再掲してみたいと思います。
記事にスキやコメントもいただいているので、こんな「妙な」元記事の投稿になりますがよろしければお付き合いください。

なお、まことに勝手なお願いで申し訳ありませんが、このページ自体は順次削除したいと思いますので、もしスキやコメントなどいただける場合には元記事にお願いできればと思い

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第40話:勉強って?

第40話:勉強って?

西日暑き土間の机に人向かふ垣間見しより何のあくがれ

自分の記憶に誤りがなければ、これは高安国世という歌人の歌である。
頃は夏の夕方、西陽がジリジリと照りつける中で、ある青年が土間に置かれた机に向かい一心不乱に書と向き合っている。作者はふと通り掛かってそれを見たのだろう。その光景に「この胸に起こる憧れは一体何か」と自問しながら一瞬立ちすくんで見たのである。
作者の感じたものが求めて得られなかったも

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