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日々のエッセイ

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2019年から湖畔暮らし。自然、ヤギ、トリ、仕事、考え事の日々。
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#自然

天気と意欲と土いじり

天気と意欲と土いじり

気が付けば前回の記事を書いてから、約1カ月が経過してしまった。

その間リアルな生活では、嬉しいことや残念なことなどいろいろなことが起きていたし、心で感じることもたくさんあった。ふだんなら一コマずつの様子をnoteに記録していただろうけれど、この1カ月はどうも書くモシベーションが枯渇していた。

単純に忙しくてパソコンに向かう時間が取りにくかったのも大きく関係しているが「何としても書く時間を死守す

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ひよこと暮らした100日間

ひよこと暮らした100日間

今年の春にひよこが生まれてから100日が経過した。

卵を自宅で温めひよこを孵す孵卵器(ふらんき)と呼ばれる機械を使い、合計7羽と一緒に暮らしている。2度孵化させたから、2グループの群れ(3羽+4羽)がいるイメージ。

ひよこを飼うのは今回が初めてで、生まれる前はどんな感じなのか想像もできずにいた。それが今では毎日メロメロの日々を送っている。

夫に、ひよこを可愛がりすぎて自分の体調が疎かにならな

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旅に出たい欲の変化について

旅に出たい欲の変化について

以前と比較して「旅に出たい」という欲がなくなってきている。

これまで旅が大好きで、国内は44県(徳島、愛知、富山以外)、海外は12か国(アメリカ、カナダ、イタリア、タイ、ラオス、カンボジア、スリランカ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、韓国、台湾)を訪問した。

特に大学生になると、アルバイトをしてお金を稼ぐことを覚え、暇さえあればシフトを入れては旅に出る、というのを繰り返していた。当時付き合

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一枚の小さな羽毛

一枚の小さな羽毛

ある朝のこと。いつものように鶏小屋へ行くと、かわいがっているひよこが毛繕いをしていた。しばらく眺めていると、白くて小さな羽毛がハラッと落ちた。

「きぬちゃん、もう羽毛が抜けるようになったんだねえ」

これまでは羽毛が生えていくばかりで抜けることはあまりなかったため、珍しい場面に遭遇したと思った。

抜けた一枚の羽毛がとても愛おしくて、私はそれを家へ持って帰ることにした。

***

これまで羽毛

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友人に話す感じで今後の人生や夢を

友人に話す感じで今後の人生や夢を

今日は珍しく「ですます調」で書いていきます。

というのは、タイトルにも書いた通り今日は親しい友人とカフェで時間をかけて語る感じで、今後の人生や夢について書いてみたいと思ったからです。

なんで急にそんなことをしたくなったかと言うと、ここ最近ずっと潜在的に誰かと深い話をしたい欲が湧いているからです。信頼できる人たちとリアルで会えばいいかなーとも思ったのですが、しばらく体調が優れない日が続いていて、

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なぜか森は暖かい

なぜか森は暖かい

最近、森へ行くと暖かいことに気が付いた。家のお勝手よりも、庭よりも、ヤギ小屋よりも、どこよりも森の中にいると暖かい。

底冷えする日が増えてきて、隙間だらけの古民家は暖房器具を付けなければ外気温と変わらない。むしろ日光が当たらない部屋だと屋外よりも冷え込んでいる。料理しながら白い息を出している自分がなんだか面白い。

そんな冬本番を体いっぱい感じるなか、森だけは明らかに暖かいのである。不思議だ。

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100年の歳月

100年の歳月

わけあって自宅敷地内にある築100年の蔵を改装し、宿泊施設へリノベーションすることになった。工事期間は2022年5~11月頃までを予定していて、実際のオープンは2023年春の予定。

なぜそのような運びになったのかだけ、ここに記録を残しておこうと思う。

***

私が暮らしているのは湖畔の田舎町である。結婚をきっかけに2019年に移住し、2年半が経過した。サツマイモの産地ではあるものの、特に目立

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鴨と過ごした三十日

鴨と過ごした三十日

庭で偶然カモの卵を発見し約三十日が経過した頃、予定通りにカモの親子は引越していった。正確には引越しの現場を見てはいないから、無事にヒナが孵ったのか、水辺に到着できたのかどうかは定かではない。

ただ産毛と思しき柔らかな羽が巣に残されていただけで、それ以降は一切姿を見なくなった。鶴の恩返しではないけれど、絵本の物語に出てくる動物みたいにいつの間にかスッと消えてしまった。

草原のかげにそっと隠れて卵

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鴨の巣作り

鴨の巣作り

庭で鴨の巣を見つけた。恐らくカルガモの巣だと思われる。その出会いは偶然で、まさかこんなところに!という具合で発見した。

春以降、命の芽吹きを感じずにはいられない日々が続いている。それは庭の草花を見ていても思うことだし、生き物の卵や赤ん坊が色々な場所で生まれていることからも思うこと。

この4~5月は偶然にも知人の出産報告も多く(これは人間の話)、新しい命について考えさせられている。そしてひたすら

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白銀の眩しさ

白銀の眩しさ

「食わず嫌い」という言葉に象徴されるように、やっていないこと、見ていないこと、に対して負のイメージを持つことは誰でもあることだと思う。なぜ先行して負のイメージが付いてしまうのか、それは生きている中でたまたま育まれた防衛本能なのかもしれない。

苦手な環境に放り込まれたり、嫌な人に絡まれたり、そういうものを経験しながらみんなが生きている。だからこそ自分を守るために、似たような臭いを嗅いだとき「食わず

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染まっていく毎日

染まっていく毎日

未知で新しかったことも、生活に馴染んでしまえばそれが「その人の当たり前」となる。

先日、ヤギのエサ取りで庭に出ていた時のこと。この作業は自分にとって、いつから当たり前になったのだろう、と考えた。

寒さが厳しくなり、田んぼは少し寂しそうな姿をしている。そこへ大きくて真っ赤な夕日が落ちていく。小高い丘で、一人の女が二頭のヤギと一緒に草取りをしている風景があるならば、それは私の日常かもしれない。

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湖への寄り道

湖への寄り道

「今日の山と空、絵画みたいだよ」

まだ薄暗い早朝に家を出たわたしたちは、同じタイミングで同じことを思ったらしい。

前日の大雨が関係しているのか、滅多に見ることのない風景が広がっていた。水墨画で描かれたような黒い山。その後ろには、薄い水色の空と雲。この地域にそんなものはないはずなのに、雲がまるで山脈のように見えた。

「少し立寄ってみようよ」

わたしたちは湖畔に車を停車し、しばしその風景を眺め

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余白のある場所

余白のある場所

先日、ふとトイレの天井を見上げると、すみっこに足が細長いクモがいることを確認した。隙間だらけの古民家は大体虫だらけだし、クモは毒蜘蛛を除いて益虫だと考えているから、放っておくことが多い。今回もそうだった。

そしてトイレに行くたびに天井のすみっこを見上げる日々が続いた。不思議だったのは、このクモが全然移動しないのと、お尻のあたりに何やら「丸い塊」を付けていることだった。

「変なの」

そう思いな

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微生物の不思議

微生物の不思議

今年の2月、まだまだ寒い冬にヤギのフンを活用した堆肥づくりを行った。

たしかnoteでもそのことを書いたなという記憶があって、記事をさかのぼってみたら見つけた。(↓)

そして先日、その堆肥を観察していたら驚くほど「熱」を持っていて、完成が近いんだ!ということを知った。手をかざしてみると、まるでストーブに手を当てているのかな?と思うほどの熱気を感じる。

堆肥を作り始めて約7か月後の出来事であっ

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