マガジンのカバー画像

ワイン片手に旅のハナシ

26
油断も隙もありゃしない。オーストラリアを私は許さん。/破天荒なエジプトという国を、私がガッチリ仕留めてきました。/私が過ごしたスリランカには、夢とか幻とか現実があった。
運営しているクリエイター

#エッセイ

【脳内TRiP〜上海編〜】上海ベイビー、真夏の夜の夢

【脳内TRiP〜上海編〜】上海ベイビー、真夏の夜の夢

キラキラと輝く街の明かりや、やたらと激しいカラフルなネオンの光、裏通りで静かに放たれる小さな灯火。眠らない街、上海。
煌びやかさの裏に陰鬱とした闇を持つ、上海の夜が私は好きです。

上海のボーイズ&ガールズ、レディース&ジェントルメンたちは、夜な夜な深夜を徘徊中。
眠らない彼らの、真夏の夜の夢はどこで繰り広げられるのだろう。

雑多な街並みをくぐり抜け、現れたのは街の静けさをスッとそこに寄せ集め

もっとみる
【脳内TRiP〜イスラエル編〜】世界でそれぞれの花金NiGHT!

【脳内TRiP〜イスラエル編〜】世界でそれぞれの花金NiGHT!

その昔、バックパッカーで世界をぐるぐる巡る中インドにいた私は、「金曜日」をとても気にしていた。

あ、金曜日がやってくる、、今週の金曜日を逃したら来週の金曜日までチャンスがない、、って。

インドで”ねこぢる”読みながらうかうか長居してる場合じゃねーぞ、つって。金曜日はもうそこだぜ、つって。

なので、来たるべく金曜日のために、インド滞在の後半で行く予定にしていた最大の目的地、”バラナシのガンジス

もっとみる
私と15人の奇妙な住人たち〜金田一以上東野圭吾未満物語〜

私と15人の奇妙な住人たち〜金田一以上東野圭吾未満物語〜

宿はいつもの安宿だ。
そこに躊躇はなかったが、私に割り当てられた部屋がまさかのパンドラの箱だったことには完全に躊躇した。

私は旅慣れていて、不衛生なところでなければ大体どんなところにでも寝泊まりできる。なので、安価だけが取り柄のこのオーストラリアの宿も、かかってこいや〜精神で乗り込んだ。

が、部屋の扉を開けた瞬間、箱は開かれた……。

初めての大人数16人部屋(二段ベッド×8台)であったこと。

もっとみる
evolution①〜エジプト初日の進化論〜

evolution①〜エジプト初日の進化論〜

なんとなく気持ち的にすごく遠いような気がしてなかなか行く機会のなかった国、エジプト。そろそろピラミッドくらい見とかねばね、と思い立ち、度重なる調査の結果、エジプト旅において最も重要な2大巨塔が判明した。それは「SIM(シム)カード」と「Uber(ウーバー)」だ。

海外によく行く人たちの間では、もうとっくの昔から使いこなされているSIMカードとUber。私は海外によく行くけれど、これまで一度も利用

もっとみる
evolution②〜エジプト初日の進化論〜

evolution②〜エジプト初日の進化論〜

約2時間に及ぶ、私の荒ぶりをアラブ顔にぶつけるアラブの春は無念の敗北に終わったものの、どうにかSIMカードを無事ゲット。標準装備は整った。そうなってくるとお次は初めてのUberだ!とりあえずドライバーが私を見つけやすいように、アジア人顔全開の自分のプロフィール写真をアプリにセットした。今度こそ塩顔のお披露目どころだ!

もちろん私もドライバー情報が事前に確認できるので、ドライバーの顔を写真で確認し

もっとみる
アラビアンマジック DE コシャリ革命!

アラビアンマジック DE コシャリ革命!

初めて見るカイロの街は、銃に打たれまくって今にも死にそうなというかお前はもう死んでいるというような車が放置されてあったり、牢屋に半ば無理やり投獄されたまま食事も与えられず、そのまま餓死して干からびてしまったようなゴミの山があったり、もはや何かの呪文にしか見えない摩訶不思議なアラビア文字が宙にたくさん浮いていたりして、これはなんとも非現実感漂う国に来てしまったゾ、と、心がざわついた。

お昼ご飯を食

もっとみる
トリップトラップ〜ミイラ取りがミイラになるのもよくあるハナシ〜

トリップトラップ〜ミイラ取りがミイラになるのもよくあるハナシ〜

コシャる…コシャれば…コシャるとき…。
ほぼ毎日、時には1日2回コシャってしまう。そろそろ飽きてきたぜ、もうお前なんていらね〜よ!ポイッ!、、って突き放してお別れしたはずなのに、翌日には会いたくなる中毒性南無〜〜。

そんなコシャリをテイクアウトし、ルクソール行きの深夜列車へと乗り込む。

エジプトで私たち外国人は、普通列車のチケットを買うことが出来ない。駅で買おうとしても売ってくれないの

もっとみる
木蘭の花はジャズに揺れる〜アザーン満月remix〜

木蘭の花はジャズに揺れる〜アザーン満月remix〜

私はベッドの上に横になり、ただただ穏やかな気持ちで過ごしている。iPhoneでジャズを流していると、窓の外からアザーンが聴こえてきた。

アザーン。それは、イスラム教徒へ礼拝を呼びかける合図。モスクからスピーカーを通して響き渡る呪文のような肉声。私たち日本人が普段聴くことのないその肉声は、異国情緒に溢れていて、威厳と美しさを兼ね備えた音楽のように聞こえる。

がしかし、イスラム教徒はアザーンを音楽

もっとみる
ピザハット DE ピラミッド〜ブルース・リーも言ってたけど私も言うよ〜

ピザハット DE ピラミッド〜ブルース・リーも言ってたけど私も言うよ〜

「Uberを制す者は、エジプトを制す」とはよく言ったもので(知らんけど)、Uberを制する者は、あのピラミッドだって制することができるのだ。

そもそもエジプトってなんだかすごく行きにくそうだし、ましてやピラミッドなんてどこの地の果てにあるのよ、ってずっと思っていたのですが、まーUberを制する者はピラミッドも制するわけで。まさかまさかの、街の中心から驚くほどあっさりと行けちゃうわけです。車で道走

もっとみる
インドが落とした一粒の涙〜光り輝く東洋の真珠〜

インドが落とした一粒の涙〜光り輝く東洋の真珠〜

あの国の日差しは、私の目を眩ませるようにしながら、なにか夢とか幻とかを見させるような尊さがあった。

奥底からじんわりと滲み出し、そのまま皮膚の表面をつたって滴れ落ちる汗水でさえも、今思えば、紫陽花の葉に艶めく滴のような瑞々しさを含んでいたような気がする。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー 

スリランカの首都、コロンボの空港に到着した私は、街の中心にあるコロンボ駅を目指す。

自分の

もっとみる
路地裏のサルサ、ベリーはそのあとで〜summer night dream〜

路地裏のサルサ、ベリーはそのあとで〜summer night dream〜

はて?

私はなぜこんなところにいるのだろうか…。

”スリランカ”初日の夜ってことで間違いないですよね?

そんな疑問さえ浮かんでくるほどに、暗闇の中で鳴り響く音。

まだ土地勘もなく、ここがどこだかも分からないまま、ついさっき出会ったばかりのロベルタとルーカスに連れられてやってきた暗闇。

木を叩くような音とか、波のような音とか、シャカシャカとか、ズンチャチャとか、しまいには「マンボー!」「ッ

もっとみる
スパイスたっぷりのキャンディ〜味わうのはまだまだ先、旅は続くよどこまでも〜

スパイスたっぷりのキャンディ〜味わうのはまだまだ先、旅は続くよどこまでも〜

コロンボからおおよそ130km。
キャンディという町へ向かうことにした。

コロンボという街にもっと興味を持てばよかったのに、たった一度ひとりで外出した先が、思っていた以上に「THE・ビジネス街じゃん」だったこと、顔を覆わなければ殺られる…ってほどにその日が異常に暑かったこと、がやたらと印象付いてしまい、積極的に出かける気力がなくなってしまった。

たぶん、別のエリアをdigすれば、もっと違った雰

もっとみる