富樫 重太
記事一覧
なにをみていても当事者性を感じ取ってしまう
2月の下旬〜3月上旬にかけて、映画を見るたびに当事者性を感じてつらくなったり、怒ったり、感情が揺さぶられすぎてしまう時期があった。
2024/02/24『くれなずめ』を見た。自分にとっては高校の友人を想像しながら見たせいでぼろぼろと泣いた。6人組のうちの一人が死にそれに名残りを惜しみ幽霊としてその一人を存在させる5人の話だったが、5人が均等に6人でいたころやよしおの不在に悲しんでいる感じだった。
自分中心で問いを立てるという当たり前のことが難しい
自分の問いを立てるというが、自分の内側から問いを立てるのはなかなか難しい。たとえば、仕事をしているとその意義を説かれ、そのビジョン的なのを実現したいと思う。あるいは思わされるともいえる。また、属しているコミュニティで、たとえばデザインのビジネスにおける意義などが問われたとして、まあなんとなく大事な気がしてそれに乗っかる。いつのまにか、それが自分の問いだと勘違いして、饒舌に語るようになる、とか。(例
もっとみるビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す
自分の場合、特に成長を義務付けられたビジネスをしていると、必然的に自己との矛盾は起こる。抽象度を高くいうと、欲望やコンプレックスを煽るようなマーケティングのあり方に違和感を覚えたり、このまま売上追求しても自分の理想のとは違う方向にいく可能性があるのではないか?という感覚だったり、組織文化自体がもっと探求的だといいなと思っていても効率的なパターンによっていて作るプロセスに楽しさを見出せなかったり。
自分の会話の苦手さから広げた思索
社会と自分の間の引き裂かれの問題について。簡単にいうと仕事とかで演じている自分と、自分が自分だと思っている自分との乖離が激しくて、それに苛まされている状態。
引き裂かれの問題はさまざまだが、今日は会話について。
会話における、社会と自分の間での引き裂かれ自分は社会に望ましいとされていない発言をすることが多いと、自分では認識している。空気が読めなかったり、デリカシーのない率直な言葉、ぼーっとして
悲観についての垂れ流し
ペシミスト思想家のシオランの入門書『生まれてきたことが苦しいあなたに』を読んだ。怠惰や悲観といった言葉には惹かれてしまうものがあり、梅崎春生やラッセルなどのエッセイも読んだことがあったが、専門家による解説というところもありシオラン本がわりと頭には入りやすかった。
こんな本を読んでいたり惹かれたりする自分は怠惰だったり悲観的だったりしそうだなと思うが、状況や場面によるといえばよる。変わるものなので
想像と分析 - 政策へのアプローチについて
年末年始でだいぶ政策関連の学術書を読んだ。政策というと何か?というのが政策づくりプラットフォームをやりつつも、まあまあ曖昧だったが、少しはクリアになった。
王道は分析基本は、政策課程論や政策分析論といわれる分野の本を読んでいった。政策を取り巻く全体像のプロセスについて理解を深めたかったから。たとえば、政策分析ではこのようなプロセスを経る。
問題の変数を構造化し、コントロールできるところを探し設
市民と共創するスマートシティ
前回は1周年記事として公共とデザインのミッションや今後取り上げていく記事のスタンスについて書きました。人々がうちなる光を灯すための公共のあり方として考える一つのうつわとして、都市環境があげられます。
過去にも市民参加やまちづくりの記事を書いてきました。行政や企業が都市をつくるにあたって、たびたびキーワードとしてあがるスマートシティに焦点を当て、テクノロジーと住民、住民の都市における役割について考
人々の科学への能動性を育む
過去にプロジェクト駆動の民主主義について取り上げました。私的なプロジェクトからはじまった活動が公共性を帯びていくかたちは、既存の選挙や制度のイメージが先行する「民主主義」とは異なるものの、むしろ生活者が自律し活動していくかたちは、民主主義の理想を体現しているとも思います。
デザインや都市計画の文脈で市民に委ねられる事例も紹介しました。社会づくりやそれに有効な方法論をひらいていくことは重要ですが、