富樫 重太

日記のなかから取り出してラフに書いています。政策・ガバナンス領域もマイペースに探究中。…

富樫 重太

日記のなかから取り出してラフに書いています。政策・ガバナンス領域もマイペースに探究中。 issues / 公共とデザイン

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記事一覧

なにをみていても当事者性を感じ取ってしまう

2月の下旬〜3月上旬にかけて、映画を見るたびに当事者性を感じてつらくなったり、怒ったり、感情が揺さぶられすぎてしまう時期があった。 2024/02/24『くれなずめ』を見た…

富樫 重太
3週間前
7

自分中心で問いを立てるという当たり前のことが難しい

自分の問いを立てるというが、自分の内側から問いを立てるのはなかなか難しい。たとえば、仕事をしているとその意義を説かれ、そのビジョン的なのを実現したいと思う。ある…

富樫 重太
3週間前
2

ビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す

自分の場合、特に成長を義務付けられたビジネスをしていると、必然的に自己との矛盾は起こる。抽象度を高くいうと、欲望やコンプレックスを煽るようなマーケティングのあり…

富樫 重太
1か月前
3

自分の会話の苦手さから広げた思索

社会と自分の間の引き裂かれの問題について。簡単にいうと仕事とかで演じている自分と、自分が自分だと思っている自分との乖離が激しくて、それに苛まされている状態。 引…

富樫 重太
2か月前
8

悲観についての垂れ流し

ペシミスト思想家のシオランの入門書『生まれてきたことが苦しいあなたに』を読んだ。怠惰や悲観といった言葉には惹かれてしまうものがあり、梅崎春生やラッセルなどのエッ…

富樫 重太
3か月前
11

想像と分析 - 政策へのアプローチについて

年末年始でだいぶ政策関連の学術書を読んだ。政策というと何か?というのが政策づくりプラットフォームをやりつつも、まあまあ曖昧だったが、少しはクリアになった。 王道…

富樫 重太
3か月前
8

文学フリマ京都で「自由苦手軍団」として出展した

文フリ京都にサークル名「自由苦手軍団」として参加しました。自分のパートナーの真実のホタテによる、詩・エッセイ・感想文をまとめたものでした。 日々の日記から再編集…

富樫 重太
4か月前
13

選挙へのウェイトとスポーツ的な物語性

年末年始にみた選挙を扱ったコンテンツ年末年始にかけて選挙系のコンテンツをいくつも見た。書籍では『選挙学入門』、映画では「センキョナンデス」「君はなぜ総理大臣にな…

富樫 重太
4か月前
2

2023振り返り

issuesは段階的なPMFを迎えるissuesは2023年は、統一地方選・シリーズAの資金調達・国政展開の開始などがあった。2022年の前半でビジネスモデルの調整を行い、秋ごろから伸…

富樫 重太
4か月前
4

理性の暴力をどう乗り越えるのか

コードギアスと統治の形コードギアスが好きで3年に1回くらい見る気になる。征服された日本で革命を起こすテロリストの主人公・ルルーシュと、征服した架空の国家・ブリタニ…

富樫 重太
7か月前
1

民主主義や意思決定は、欲望形成に基づく。

3年前に民主主義とデザインについて、マンジーニの捉えかたをもとに整理していた。いまみるとふわっとしてる記事だなと思うが、マンジーニによると民主主義とデザインの接…

富樫 重太
8か月前
14

政策づくりプラットフォーム立ち上げに至るまでと、軽い未来想像

最近issuesの記事を2つ書いた。1個目は大胆な打ち手をどれだけ打てるかという話。2つ目は数名〜十数名規模で、会社内で顧客インサイトが回る仕組みについて。 今日はそも…

富樫 重太
8か月前
5

顧客の接点となる部署と、仕組みをつくる部署を連動させる

シリーズAの資金調達を終えて採用を実施している「issues」について。 前回はラディカルにプロダクトをつくるということを書いた。雑に書いたので読みづらく謎になってい…

富樫 重太
9か月前
5

ラディカルにつくれ

2019年3月にリリースしたissuesがシリーズAの資金調達を実施。エンジェルラウンド、シードラウンドに続き3回目。 シリーズAはPMFを達成していることが一つの目安になる。…

富樫 重太
9か月前
1

市民と共創するスマートシティ

前回は1周年記事として公共とデザインのミッションや今後取り上げていく記事のスタンスについて書きました。人々がうちなる光を灯すための公共のあり方として考える一つの…

富樫 重太
2年前
33

人々の科学への能動性を育む

過去にプロジェクト駆動の民主主義について取り上げました。私的なプロジェクトからはじまった活動が公共性を帯びていくかたちは、既存の選挙や制度のイメージが先行する「…

富樫 重太
2年前
15
なにをみていても当事者性を感じ取ってしまう

なにをみていても当事者性を感じ取ってしまう

2月の下旬〜3月上旬にかけて、映画を見るたびに当事者性を感じてつらくなったり、怒ったり、感情が揺さぶられすぎてしまう時期があった。

2024/02/24『くれなずめ』を見た。自分にとっては高校の友人を想像しながら見たせいでぼろぼろと泣いた。6人組のうちの一人が死にそれに名残りを惜しみ幽霊としてその一人を存在させる5人の話だったが、5人が均等に6人でいたころやよしおの不在に悲しんでいる感じだった。

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自分中心で問いを立てるという当たり前のことが難しい

自分中心で問いを立てるという当たり前のことが難しい

自分の問いを立てるというが、自分の内側から問いを立てるのはなかなか難しい。たとえば、仕事をしているとその意義を説かれ、そのビジョン的なのを実現したいと思う。あるいは思わされるともいえる。また、属しているコミュニティで、たとえばデザインのビジネスにおける意義などが問われたとして、まあなんとなく大事な気がしてそれに乗っかる。いつのまにか、それが自分の問いだと勘違いして、饒舌に語るようになる、とか。(例

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ビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す

ビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す

自分の場合、特に成長を義務付けられたビジネスをしていると、必然的に自己との矛盾は起こる。抽象度を高くいうと、欲望やコンプレックスを煽るようなマーケティングのあり方に違和感を覚えたり、このまま売上追求しても自分の理想のとは違う方向にいく可能性があるのではないか?という感覚だったり、組織文化自体がもっと探求的だといいなと思っていても効率的なパターンによっていて作るプロセスに楽しさを見出せなかったり。

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自分の会話の苦手さから広げた思索

自分の会話の苦手さから広げた思索

社会と自分の間の引き裂かれの問題について。簡単にいうと仕事とかで演じている自分と、自分が自分だと思っている自分との乖離が激しくて、それに苛まされている状態。

引き裂かれの問題はさまざまだが、今日は会話について。

会話における、社会と自分の間での引き裂かれ自分は社会に望ましいとされていない発言をすることが多いと、自分では認識している。空気が読めなかったり、デリカシーのない率直な言葉、ぼーっとして

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悲観についての垂れ流し

悲観についての垂れ流し

ペシミスト思想家のシオランの入門書『生まれてきたことが苦しいあなたに』を読んだ。怠惰や悲観といった言葉には惹かれてしまうものがあり、梅崎春生やラッセルなどのエッセイも読んだことがあったが、専門家による解説というところもありシオラン本がわりと頭には入りやすかった。

こんな本を読んでいたり惹かれたりする自分は怠惰だったり悲観的だったりしそうだなと思うが、状況や場面によるといえばよる。変わるものなので

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想像と分析 - 政策へのアプローチについて

想像と分析 - 政策へのアプローチについて

年末年始でだいぶ政策関連の学術書を読んだ。政策というと何か?というのが政策づくりプラットフォームをやりつつも、まあまあ曖昧だったが、少しはクリアになった。

王道は分析基本は、政策課程論や政策分析論といわれる分野の本を読んでいった。政策を取り巻く全体像のプロセスについて理解を深めたかったから。たとえば、政策分析ではこのようなプロセスを経る。

問題の変数を構造化し、コントロールできるところを探し設

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文学フリマ京都で「自由苦手軍団」として出展した

文学フリマ京都で「自由苦手軍団」として出展した

文フリ京都にサークル名「自由苦手軍団」として参加しました。自分のパートナーの真実のホタテによる、詩・エッセイ・感想文をまとめたものでした。

日々の日記から再編集販売したZINEも『自由苦手 詩と感想文』というタイトルで、自由の難しさをテーマにした本です。といっても、このテーマで書こうというかたちで書いたのではなく、日々の日記をまとめたらこのようなテーマが浮かび上がってきたという形の本でした。

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選挙へのウェイトとスポーツ的な物語性

選挙へのウェイトとスポーツ的な物語性

年末年始にみた選挙を扱ったコンテンツ年末年始にかけて選挙系のコンテンツをいくつも見た。書籍では『選挙学入門』、映画では「センキョナンデス」「君はなぜ総理大臣になれないのか」。その他読みかけのものがいくつか。

『選挙学入門』は選挙プランナーの頭のなかを公開したような内容。どのように支持者を作っていくのか。こういうのは、わりと誰が読んでも裏側を知れるので、読んでみると面白いかなとは思った。

映画の

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2023振り返り

2023振り返り

issuesは段階的なPMFを迎えるissuesは2023年は、統一地方選・シリーズAの資金調達・国政展開の開始などがあった。2022年の前半でビジネスモデルの調整を行い、秋ごろから伸び始め、2023年に入るタイミングから統一地方選にかけて跳ね上がった。

その結果、特に都市部ではissuesを経由した要望が政策実現につながる事例も増えた。事業的にはマイルストーンであるシリーズAの資金調達を完了で

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理性の暴力をどう乗り越えるのか

理性の暴力をどう乗り越えるのか

コードギアスと統治の形コードギアスが好きで3年に1回くらい見る気になる。征服された日本で革命を起こすテロリストの主人公・ルルーシュと、征服した架空の国家・ブリタニア政府のなかから変えていく道を選ぶ元日本首相の息子・枢木スザクという二人の幼馴染を軸にして話が展開されていく。

醍醐味はルルーシュの理性である。もともとチェスが強く頭の回転が早く采配に長けている高校生に、ギアスという人を操れる力が宿り、

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民主主義や意思決定は、欲望形成に基づく。

民主主義や意思決定は、欲望形成に基づく。

3年前に民主主義とデザインについて、マンジーニの捉えかたをもとに整理していた。いまみるとふわっとしてる記事だなと思うが、マンジーニによると民主主義とデザインの接続面は以下とされている。

3年前に整理した時は、自分の運営するissuesは2つ目の回路に当たるな、くらいの解像度だった。1もRxCなど実験的な取り組みが出てきている。そういう面でシステム寄りの思考だったと思う。

正直4つめの参加型デザ

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政策づくりプラットフォーム立ち上げに至るまでと、軽い未来想像

政策づくりプラットフォーム立ち上げに至るまでと、軽い未来想像

最近issuesの記事を2つ書いた。1個目は大胆な打ち手をどれだけ打てるかという話。2つ目は数名〜十数名規模で、会社内で顧客インサイトが回る仕組みについて。

今日はそもそもissuesをやっている理由でもあるどういう会社にしたいかというところについて。

源流にあったのはデザインの役割もはや今は自分は"デザイナー"という感じではないが、もともとはデザインの会社で働いたり、スタートアップのデザイン

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顧客の接点となる部署と、仕組みをつくる部署を連動させる

顧客の接点となる部署と、仕組みをつくる部署を連動させる

シリーズAの資金調達を終えて採用を実施している「issues」について。

前回はラディカルにプロダクトをつくるということを書いた。雑に書いたので読みづらく謎になっているが、内容はいいと思っている。

これでPMFに近づいた。小さくない、バーニングニーズだけに絞ることが重要。ただ、それを属人的にやっていてはスケールしない。

組織の全員がバーニングニーズを見つけて、プロダクトや仕組みに落とし込んで

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ラディカルにつくれ

ラディカルにつくれ

2019年3月にリリースしたissuesがシリーズAの資金調達を実施。エンジェルラウンド、シードラウンドに続き3回目。

シリーズAはPMFを達成していることが一つの目安になる。前回のシードラウンドは一定使われているくらいでビジネスモデルは立ち上がっていなかったが、今回はビジネスモデルの確立と、売れるトラクション得られたので、投資を受けることができた。

自分はファイナンス周りはしておらず、プロダ

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市民と共創するスマートシティ

市民と共創するスマートシティ

前回は1周年記事として公共とデザインのミッションや今後取り上げていく記事のスタンスについて書きました。人々がうちなる光を灯すための公共のあり方として考える一つのうつわとして、都市環境があげられます。

過去にも市民参加やまちづくりの記事を書いてきました。行政や企業が都市をつくるにあたって、たびたびキーワードとしてあがるスマートシティに焦点を当て、テクノロジーと住民、住民の都市における役割について考

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人々の科学への能動性を育む

人々の科学への能動性を育む

過去にプロジェクト駆動の民主主義について取り上げました。私的なプロジェクトからはじまった活動が公共性を帯びていくかたちは、既存の選挙や制度のイメージが先行する「民主主義」とは異なるものの、むしろ生活者が自律し活動していくかたちは、民主主義の理想を体現しているとも思います。

デザインや都市計画の文脈で市民に委ねられる事例も紹介しました。社会づくりやそれに有効な方法論をひらいていくことは重要ですが、

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