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サラリーマン会計士による決算深読ニュース

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決算ニュースを大手監査法人に勤めていたサラリーマン会計士が独自の目線で伝えます!決算書から見え隠れする会計の情報から企業の本質に近づく記事です。なお、記事は全て筆者の私見になりま… もっと読む
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ブリヂストン社の中計(シン・グローカル・ポートフォリオ経営)が素晴らしいと考える6つの理由

ブリヂストン社の中計(シン・グローカル・ポートフォリオ経営)が素晴らしいと考える6つの理由

中期経営計画。
いろいろな場面でご覧になることがあるかと思います。

実は私、公開されている中計を拝見するのが、趣味でして、、、
今回は、個人的に中計No.1と考える、ブリヂストンの中計がなぜ素晴らしいと考えるのか、その6つの理由、について、語りたいと思います。

ブリヂストン社のホームページで公開されている、中期事業計画(2024-2026)- 24MBP 第一部 24MBP シン・グローカル・

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あみやき亭による決算早期化(4月2日9時開示)の凄さについて解説したい

あみやき亭による決算早期化(4月2日9時開示)の凄さについて解説したい

あっという間に春ですね・・・。
世の中としては待ちに待った、球春到来ですね。
そして、それは3月決算の企業の皆様、監査法人の皆様にとって、繁忙期に突入していくことを表すのだと思います。
休日出勤やGW中に出勤をされる方もいらっしゃるのかもしれません。
そんな中、同じく3月決算会社である、あみやき亭が、4月2日朝9時ジャストに決算発表をしていました。

こちらの凄さについて、少し解説してみたいと思い

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知ると楽しくなる監査報告書の中で見るべきたった3つのポイント

知ると楽しくなる監査報告書の中で見るべきたった3つのポイント

この記事は、フィードフォースグループAdvent Calender2021の5日目です。昨日は、アナグラム マーケチームのおかださんの「島暮らしの準備をしてたら千葉の一軒家をもらった話」でした。一軒家をもらうなんて、本当に面白い記事で感動しました。是非、チェックです!!!

5日目の私は、2021年11月よりフィードフォースグループで勤務している新参者なのですが、前職で会計監査をやっていたというこ

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日本の監査法人ってなにやってんの?という問いに勝手に答える。

日本の監査法人ってなにやってんの?という問いに勝手に答える。

Noteを書こうと思った理由週刊ダイヤモンドの2021年2月13号は、会計士・コンサル・税理士 序列激変!ということでした。どの監査法人の収入が多いとか、4大ファームの監査報酬と非監査報酬比率とか書いてありますが、結局監査法人って何やっているのかという点は誰もわからないと思います。そのため、Noteにメモをしておきます。

監査法人の一番大きな役割監査法人の一番大きな役割は財務諸表に対する監査を行

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エヴァンゲリオンの世界観から、会計士が地球温暖化について考えた結果、非財務情報の重要性に気付くという話

エヴァンゲリオンの世界観から、会計士が地球温暖化について考えた結果、非財務情報の重要性に気付くという話

エヴァンゲリオンとは筆者は37歳男であるが、現在30代後半くらいのほとんどの男性はたいてい影響を受けていると思われる。日本の中学生男子誰しもが碇シンジだったわけです。念のため、wikiを張っておく。

物語の舞台は西暦2000年9月13日に起きた大災害セカンドインパクトによって世界人口の半数が失われた世界。その15年後の西暦2015年、主人公である14歳の少年碇シンジは、別居していた父、国連直属の

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東証マザーズ上場企業アジャイルメディア・ネットワーク社の不正事例から考える、コーポレートガバナンスの重要性について

東証マザーズ上場企業アジャイルメディア・ネットワーク社の不正事例から考える、コーポレートガバナンスの重要性について

アジャイルメディア・ネットワーク社で不正事例が発生した東証マザーズ上場企業であるアジャイルメディア・ネットワーク社にて不正事例に関する報告が発表されている。

アジャイルメディア・ネットワーク社より「2021 年 12 月期第1四半期報告書の提出期限の延長(再延長)申請に係る承認及び第三者委員会による最終報告に関するお知らせ」が2021年6月16日に公表されている。

公表されてい

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徹底的な合理化により達成された、時価総額約14兆円かつ平均給与約2000万円のキーエンス社のIRから、キーエンス社が抱える大きな課題について考える

徹底的な合理化により達成された、時価総額約14兆円かつ平均給与約2000万円のキーエンス社のIRから、キーエンス社が抱える大きな課題について考える

高給料・高時価総額企業といえば高給料・高時価総額企業としてキーエンスを思い浮かべる方は多いのではないだろうか。今日は、キーエンスについて取り上げたい。

キーエンスの特徴①経営方針第51期(2020年3月期)の有価証券報告書より。

経営方針に「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」が掲げられている。

キーエンスの特徴②高い給料

①の経営方針からも導きだされるが、とにかく高給である。

第5

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ファーストリテイリングは、時価総額でアパレル世界一になったというが、実力はZARAに遠く及ばないかもしれないという話。

ファーストリテイリングは、時価総額でアパレル世界一になったというが、実力はZARAに遠く及ばないかもしれないという話。

ファストリの時価総額がアパレル1位になったというニュースユニクロ、GUを展開するファーストリテイリング社(以下ファストリと略す)が時価総額でZARAを展開するINDITEX社を抜き、時価総額でアパレル世界首位になったとニュースになった。

日本の会社が世界のトップになるというニュースはなかなかないので、すごい!と思いつつも、「時価総額で」というところが気になった。

そこで、企業の

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ブリヂストンの2021年12月期業績予想から、自動車業界の先行きが見えてしまうという話。

ブリヂストンの2021年12月期業績予想から、自動車業界の先行きが見えてしまうという話。

ブリヂストンの決算発表があり、69年ぶりの赤字という衝撃。 ブリヂストンの決算発表があり、69年ぶり赤字ということで、ニュースになった。

バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災時も黒字を維持していたが、2020年は無理だったということらしい(いかに、2020年12月期の景気が悪かったか、という象徴的な話でもある)。

ブリヂストンの決算をみてみようカブタンを見てみると、以下であ

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日産の決算からわかる、現状は、令和バブルではなく令和恐慌前夜だという話。

日産の決算からわかる、現状は、令和バブルではなく令和恐慌前夜だという話。

日経平均が3万円を超えたとのこと日経平均がバブル期以来の3万円を突破したとのこと。

まあ、今現在も令和バブルの可能性がある。

下記の通り、株価は2020年3月19日から右肩上がりに推移しており、ほぼ倍になった。

株価は、景気の先行指標といわれるが、2021年1~3月の日本のGDPはマイナス7.4%予測とのこと。Go to トラベル、Go to イートキャンペーンによるバラマキも意味がなかった

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2021年のコロナウイルスワクチン接種のスケジュールから、With コロナの居酒屋上場企業の未来が絶望だとわかる話

2021年のコロナウイルスワクチン接種のスケジュールから、With コロナの居酒屋上場企業の未来が絶望だとわかる話

新型コロナ対策において、悪者にされた居酒屋三密(密閉、密集、密接)が起こりうるのは、何も居酒屋だけではないのである(通勤ラッシュの満員電車の方が危険とも思われる)が、2021年1月7日~の緊急事態宣言では、居酒屋での会食がコロナウイルス拡大の要因のような意識づけが国民にされてしまったと思われる。

居酒屋関連の上場企業は多いなお、居酒屋関連の事業を営む上場企業は、多い(KABUTANより)。

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ジャパンディスプレイ決算説明資料から考える日本の上場企業にゾンビ企業が含まれる可能性について

ジャパンディスプレイ決算説明資料から考える日本の上場企業にゾンビ企業が含まれる可能性について

WBS(2021年2月12日のワールドビジネスサテライト)でジャパンディスプレイ決算説明会資料について紹介がされました2021年2月12日のワールドビジネスサテライトにおいて、ジャパンディスプレイの決算説明資料が紹介されていた。時間が全くない大学生がゼミの授業に持ってきたようなプレゼン資料のようであり、「何ですか、これは。」と指摘されていた。念のためであるが、ジャパンディスプレイは東証一部上場企業

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日本のオリエンタルランドと米国の本家ウォルトディズニーの決算比較をして、日本の株高にバブルの兆候を感じた話

日本のオリエンタルランドと米国の本家ウォルトディズニーの決算比較をして、日本の株高にバブルの兆候を感じた話

夢の国はコロナで大ピンチ緊急事態宣言も首都圏では2021年3月7日まで延長となり、東京ディズニーランド&シーを運営するオリエンタルランドは、国内需要だけではなく、中国の春節インバウンド需要も完全消失した。

オリエンタルランドの2021年3月期の業績予想は、大幅減収(前期比60%減)、51.4億円の赤字見込みである(カブタンHP、単位百万円より)。

業績予想以上に時価総額が6兆4

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2021年は、増収という言葉には気を付けて!

2021年は、増収という言葉には気を付けて!

2021年3月期第三四半期ですとか、2020年12月期の決算発表シーズンになっているが、やたらと「増収」とか「減収」という言葉を耳にする。少し気になったのでNoteにメモをしておく。

増収という言葉の語感決算発表があると、増収増益とか、減収減益といいますね。増収とは売上高が増えたことを言います。増収(売上増加)から連想できることとしては、市場が大きくなった、会社が成長した、顧客が増えた、シェアを

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