ジャパンディスプレイ決算説明資料から考える日本の上場企業にゾンビ企業が含まれる可能性について
WBS(2021年2月12日のワールドビジネスサテライト)でジャパンディスプレイ決算説明会資料について紹介がされました
2021年2月12日のワールドビジネスサテライトにおいて、ジャパンディスプレイの決算説明資料が紹介されていた。時間が全くない大学生がゼミの授業に持ってきたようなプレゼン資料のようであり、「何ですか、これは。」と指摘されていた。念のためであるが、ジャパンディスプレイは東証一部上場企業でもある。
ジャパンディスプレイの決算概況について
ジャパンディスプレイ社はどんな会社なのか、気になったので、KABUTANより業績推移を調べてみた。毎年大赤字、売上が毎年のように減少している。
2020年12月末において、純資産は、36,908百万円である。2021年1月~3月に、多額の減損損失、評価減を実施した場合、債務超過に陥る可能性もある。その場合、借入には、財務制限条項が付されているとのことで(注記より)、継続企業の前提が成立してない。
なお、2020年12月期第三四半期報告書において、継続企業の前提に重要な疑義があり、継続企業に関する重要な不確実性が認められる旨の注記が記載されている。
この注記がある会社は、1年間の損益や資金繰りのシュミレーションを実施したが、1年後まで会社が継続していることを監査法人も含め、確かめることができなかったということを表している。
過去に粉飾・不正会計があった会社
業績が悪い、継続企業の前提に関する重要な不確実性がある旨の注記記載がされているだけではなく、ジャパンディスプレイ社は過去に粉飾・不正会計があった会社である。
さらに、その粉飾期間は、IPO前からあったというのである。投資家だけではなく、監査法人、証券会社、東証に対しても嘘をつき続けた会社ということになる。
2021年2月5日 改善状況報告書より抜粋
2020年の倒産件数、負債総額は、バブル期以来の低水準であったという事実。
2020年の倒産件数、負債総額はバブル期の1989年に次ぐ、4番目の低水準であったとのこと。金融緩和がバブルを招き、その後、不良債権処理に苦しんだわけであるが、歴史は繰り返されていないだろうか。
特に、ジャパンディスプレイには、INCJから出資だけではなく、相当額の貸付が行われている。国民負担を恐れて、企業を延命させていないだろうかとも思ってしまうのである。
結論
2021年は、上場企業含む企業の倒産(連鎖倒産含む)にそなえる必要がある。
与信管理・債権管理には、十分気をつけたい。
安倍前政権&黒川日銀総裁による超金融緩和政策の副作用を感じる1年になるのではないだろうか。問題を先送りすると、問題は大きくなるのである。
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