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これからのアパレルのビジネス脳

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アパレルの工場目線から、こんなビジネス脳と仕組みが作れたらいいなって思う記事をまとめています。
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#縫製

田舎の小さな下請け工場が大手とのコラボレーションで全国展開を実現した話

田舎の小さな下請け工場が大手とのコラボレーションで全国展開を実現した話

最初は周りに「無理だろ」と言われ続けました。私は田舎の小さな縫製工場の三代目として、縫製業を営んでいます。
作っているのはネクタイ。

ご依頼のあった商品のお仕立ての仕事だけを行うだけのいわゆる下請け工場でした。

アパレル業界の仕組みは、細かく分業化されていて、一気通貫した仕組みがないのが一般的です。

その為、川上の産業と言われる生地や縫製などの専門の下請け工場は、その技術は優れていても、受

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サスティナブルなファッションって「制服」って文化じゃないか?「実はスーツはサスティナブル」

サスティナブルなファッションって「制服」って文化じゃないか?「実はスーツはサスティナブル」

こんにちは。

縫製工場の三代目シャクモトです。

今日は最近よく聞く「サスティナブル」
ファッション業界でも声高に言われたりしていますが、それについて個人的に感じたことを書いてみたいと思います。

ファッション業界は石油産業に次いで、
「世界で2番目に環境汚染を引き起こしている産業」と言われています。
環境汚染に影響を与えていると言われる産業です。

そういわれる要因は、近年特に問題視されている

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今!縫製工場が考えないといけないこと。

今!縫製工場が考えないといけないこと。

昨晩、Facebookのメッセンジャーで同じ縫製の仕事をしている先輩とやり取りをしていました。

〇〇君、頑張ってるね。
これから先どうなっていくんだろう。
自分たちには何ができるんだろう。

そんな、話をしていく中で感じたことを書いてみたいと思います。

近年、縫製工場だけでなく、繊維産業を取り巻く環境はすこぶる良くない。
十数年前までは地域の有名企業として先頭を走っていた縫製工場も先日倒産しま

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プロ意識を持って。

プロ意識を持って。

今日のnoteはごくごく短い内容です。
ですが、どうしても書き留めておきたいことだったので、33歳の誕生日にこれを書きたいと思います。
たかが10分でできる仕事だとしても、それが10分で出来るのは
これまでに何百何千時間の
努力積み重ねてきたからこそ 
それをリスペクト出来ない人はどの分野においてもプロとは呼べない

思い返してみてほしい。
こういった意識を持っていられていますか?

自分の戒めに

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やり続けりゃ当たり前になる

やり続けりゃ当たり前になる

習慣もそうだし、価値観や意識もそう。

知らないこと、わからないことは、コワイから、誰かが今のカタチに変化を与えようとしたり、新しいものが出てきたら拒否反応を示しちゃう。

それって、誰しも持ってる感覚だと思うんです。

ビジネス面においてもそういったことは多々あって、長年にわたり当たり前だった商習慣に浸かってしまっていて変化を拒む人も少なくないと強く感じています。

アパレルはそれが顕著に現れて

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手っ取り早いのはメジャーで活躍する事

手っ取り早いのはメジャーで活躍する事

スポーツの世界だとわかりやすいのですが、その業界を盛り上げていこうと思えば、次の世代の若者たちに、

あの人みたいになりたい。
あの選手みたいに活躍したい。

と、憧れを持てるような姿を見せる事が大切だと思うんです。

そういった若者が増えることで、底辺が広がってレベルが高まっていきます。

野球やサッカーのようなメジャースポーツもそうですし、近々で言えばラグビー だってそうでしょう。おそらく、ラ

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縫製工場の現実を捉えた記事を紹介

回りくどく課題を書いてみたり、問題提起をしてみたりと、
世の中に発信していく中で色んな方法があるのですが、やはり、

物事の本質はシンプルに伝えるのが一番いい。そんな中で、とてもシンプルかつ分かりやすく縫製工場の課題について書いてあるnoteを発見した。

若手の中で『アパレル業界をなんとかしたい』とか『工場や産地を守りたい』とか言っている人もいて、それ自体は私も悪いことではないし、頑張ってほしい

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縫製工場を救いたい!の裏側

縫製工場を救いたい!の裏側

僕は決して「無慈悲」なことを言いたいわけじゃない、

ましてや夢を諦めているわけでもない。

ただ、

本当にたくさんの熱い学生さんや、アパレル関係の方々が

「アパレルをなんとかしたいんだ!」と言ってこの業界に入ってきて、

もしくは取り組もうとして諦めたり、苦戦していたりすることが多く、その理由はとてもシンプルであり、

とても難しいからなのだ。

先日ある学生さんからの取材で

「今縫製工場

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下請け工場は「売れない芸人さん」と似ている

下請け工場は「売れない芸人さん」と似ている

同業の方と話をしていて、ふと自分の口から出た言葉を、書いてみようと思います。

どんな業種でも、どんな業界でも、下請けの立場の人達の共通点は、

「作ることができる」のに「売ることができない」

という点にあります。

もちろんすべての人がそうではないでしょうし、いろんなケースがあるとは思いますが、一般的にはそういったケースが多いように思います。

これは、

「芸はある」のに「フリートークがで

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アパレル工場の多品種小ロットの落とし穴~現場目線を3分で読む〜

アパレル工場の多品種小ロットの落とし穴~現場目線を3分で読む〜

国内のアパレルは大量生産から多品種小ロットの生産に移行して生き残る

的なことが言われている場面に遭遇することもあります。
確かにそういった面もあるのかもしれませんが、
ここには重要かつ絶対的条件があります。

それは、それに見合った価格と生産バランスです。

**1アイテムを大量に生産する前提で設定された製造コストと、
いろんな工程のものを色々な種類作るのでは、
同じ物量だったとしてもコストは違

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『BtoB』と『BtoC』と『D2C』のお話。目指すべきはどのビジネスモデルなのか?

自分の好きな分野でブランドを立ち上げたいと思っている人もいることでしょう。その際に、どんなコンセプトにのどんな商品をどんな人に届けたいとか、そういった事ももちろん大切ですが、もう一つ大切なことを考えなければなりませんよね。

それは、どのビジネスモデルを選択するのか?

代表的なものを極めて簡単に説明します。

BtoB→〈企業が企業に売る〉 

BtoC→〈企業が個人に売る〉

CtoC→〈個人

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レスポンスの遅さは致命的不信感を生む

レスポンスの遅さは致命的不信感を生む

仕事、学校、地域活動、プライベートetc・・・

様々な場面でコミュニケーションを取ることはありますが、
普段の何気ない会話から、仕事の連絡に至るまで、

レスポンスが遅いというのは、致命的欠陥であると言わざるを得ません。

とにかく早いレスポンスを重視するあまり、わからないことをテキトーに答えるのはもちろん違いますが、それならば、

「即答はしかねるので、◯◯までに確認して連絡しますね」

とい

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「下請け」って言葉自体がもう古いのかもしれない。

「下請け」って言葉自体がもう古いのかもしれない。

当たり前のように使われる言葉ですが、「下請け」という言葉自体が、業務上の上下関係を明らかに表していて、これは、

言葉としても意識としても
もう時代に合わなく
なっているのかもしれない。

と思うこの頃。

変化していく時代において、企業が生き残るためには、お互いが高め合い、持っている力や価値を最大化していく必要があります。

そのためにも立場の垣根を越えたパートナー関係を築く必要があると思ってま

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