鈴木諭

地獄の詩世界と秋田弁ブルースを唄う、純血秋田県人。じゅんさい王国(旧・山本町)出身。バ…

鈴木諭

地獄の詩世界と秋田弁ブルースを唄う、純血秋田県人。じゅんさい王国(旧・山本町)出身。バンド「無善寺ドクダミ団」も営業中。noteでは只管に私の中にある憂鬱を綴ってゆく。

記事一覧

サンモールの恐怖

"実は"と言うのも改まって何だが、秋田にいた頃から中野だけはしばしば来ていた。 仕事をしていた地域のアンテナショップがあったからである。 誰にも言ってない。言いた…

鈴木諭
7日前
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薄れゆく自己を求めて、秋田へゆく。

半年に一回は、実家へ帰るようにしている。 東京にいると良くも悪くも"自己"が薄れ、それが楽な部分でもある反面、創作をする一地方人にとっては大切な事を忘れていく一因…

鈴木諭
8日前
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ささらの夜

皆さんの音楽の原初体験は何だろうか。 私は"ささら"だ。 ささらと呼ばれる伝統芸能は日本各地にあり、私の出身部落のは『泉八日ささら』と呼ばれる。 祭りの目的として…

鈴木諭
13日前
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生きてるうちは、死にたくない。

薬漬けの人生を送って来た。 小学校五年生の時にアトピーを発症し、一時は完治かと思ったものの高校一年生の時に再発。 爾来、好不調の波を繰り返しながら基本的に薬が手…

鈴木諭
2週間前
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苛烈と穏当(2023.08.10)

疲れが溜まってる状態で、19度の日本酒(原酒)を飲んだせいか矢鱈と眠い・・。 終電で寝たらマズい状況なので、眠気覚ましに文章を書く。 本日は初めて行って以来、大のお…

鈴木諭
1か月前
3

佐渡山豊を見た。(2023.12.08)

佐渡山豊を見た。 久しぶりに本当に感動した感覚がある。 体に穴が空いたんじゃ無いかと思う程、ザクザクと言葉が刺さってきた。 私はこれを浴びたいし、そして多分これ…

鈴木諭
1か月前

裏日本後記(2024.01.21)

凄く疲れてる筈なのに、あまり寝れなかった。 時計を見るとまだ五時半で、窓の外では雨の音がしとしと鳴っている。 雨の向こうから救急車の音が聴こえてきて、気づけば七…

鈴木諭
1か月前
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消えた盟友。

「バスジャックをしよう。バスジャックをしよう。行きたいところへ行けるように、バスジャックをしよう。」 その歌が私の中に飛び込んで来たのは、昨年五月の事だった。 …

鈴木諭
1か月前
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ブルース夜話

私は音楽が好きで音楽を始めた人間だから、普段からよく音楽を聴く。 しかし色々なミュージシャンと会うようになり、音楽を殆ど聴かないミュージシャンが一定数いることを…

鈴木諭
2か月前
1

2023.11.05 ムジカライブ翌日の日記。

何だかずーっと憂鬱なスイッチが入ったままなので、気分転換に早起きして久しぶりに絵を描く。 どうも先週の木曜から続いてる気がする。 私は気分の高低が100か0かのとこ…

鈴木諭
2か月前
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私の山怪

裏日本の際に、猫道さん(@nekomichic )からお借りした一冊。 山間部に残る不思議な話を集めたモノ。 読んだ後の率直な感想としては"どこかで聞いたような話が非常に多い"…

鈴木諭
2か月前
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卓球を清算したい。

卓球を清算したい。文章を書くことで。 「音楽をやる」と決めて東京に出てくるまで、15年やっていた。 中・高・大・社会人と。だから音楽歴よりよっぽど長いのである。 …

鈴木諭
2か月前
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ずっとブルーハーツを聴いていた。

高校一年生の夏休み、小学五年の発病時以来のアトピー重症化により治療で引き籠もっていた。 汗をかくと悪化するので、丸一日クーラーのガンガン効いた部屋にいるだけ。 …

鈴木諭
2か月前
7

「もう秋田に帰ろう」と思っていた、という話。

もう秋田に帰ろう。 そう思ってた時期があった。 2022年頃。 上京して最初に組んだパンクバンドは、ボーカルとのいざこざで逃げるように脱退。その後に組んだバンドも、…

鈴木諭
2か月前
4

死の防波堤

痒い、痒い、兎に角痒い。 この数日、顔を中心とした皮膚が只管に痒い。 昔から酷い痒みに襲われる日々が続く度に思うことがある。 死ねばこの"痒み"という感覚から解放さ…

鈴木諭
2か月前
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海を渡りたかっただけなのです。

以下記事の経緯で会社を休職からの退職をした私だが、その休職期間中の話である。 2017年のクリスマス頃に休職を始め、3月末まで休職期間が続く。 何かもう全てに絶望し…

鈴木諭
2か月前
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サンモールの恐怖

サンモールの恐怖

"実は"と言うのも改まって何だが、秋田にいた頃から中野だけはしばしば来ていた。

仕事をしていた地域のアンテナショップがあったからである。

誰にも言ってない。言いたく無かったから。
まあ、言う必要も無いのだが。

私にとっての『地獄の四年間』時代は思い出したく無い事ばかりで、無論出張で中野に来ていた頃の事もあまり考えたくない。

が、何の因果か今は毎月のようにその中野で歌ってる。こんな事になると

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薄れゆく自己を求めて、秋田へゆく。

薄れゆく自己を求めて、秋田へゆく。

半年に一回は、実家へ帰るようにしている。

東京にいると良くも悪くも"自己"が薄れ、それが楽な部分でもある反面、創作をする一地方人にとっては大切な事を忘れていく一因となってゆく。

田舎にいると、自分の意思に関わらず周りから性急に"自己"を押し付けられる。

●●の家の孫
●●の同級生
昔は●●で働いてた
●●の学校だった

至る所に知り合いがいる。知り合いしかいない。常に何処かに目線があり、気を

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ささらの夜

ささらの夜

皆さんの音楽の原初体験は何だろうか。

私は"ささら"だ。

ささらと呼ばれる伝統芸能は日本各地にあり、私の出身部落のは『泉八日ささら』と呼ばれる。

祭りの目的としては、ごくごく一般的な五穀豊穣を祈るモノ。

毎年、お盆の夜になると部落に二軒しか無い商店の片一方、通称・酒屋さんの前のT字路でそのささらが行われていた。

自分が意識するしないに関わらず、最初に触れた音楽というのは間違いなくささらな

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生きてるうちは、死にたくない。

生きてるうちは、死にたくない。

薬漬けの人生を送って来た。

小学校五年生の時にアトピーを発症し、一時は完治かと思ったものの高校一年生の時に再発。

爾来、好不調の波を繰り返しながら基本的に薬が手放せなくなっている。

先日のライブの際にW.C.カラスさんに『屈折してる』と評されたのだが、私の心理的屈折の最たる要因は間違い無くこの皮膚病から来ている。

心の陽と陰の振れ幅が、とかく激しい。
が、だからこそ創作が出来てると思ってる

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苛烈と穏当(2023.08.10)

苛烈と穏当(2023.08.10)

疲れが溜まってる状態で、19度の日本酒(原酒)を飲んだせいか矢鱈と眠い・・。

終電で寝たらマズい状況なので、眠気覚ましに文章を書く。

本日は初めて行って以来、大のお気に入りになってる「工房ムジカ」へ店主の葛原りょうさんのワンマンを見に行った。

ウクライナ戦争に関する短歌連作及び、広島・長崎の原爆投下に関する詩の朗読といった内容。

この数年で膨大な量の本を読んで来たのだが、戦争に関する詩には

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佐渡山豊を見た。(2023.12.08)

佐渡山豊を見た。(2023.12.08)

佐渡山豊を見た。
久しぶりに本当に感動した感覚がある。

体に穴が空いたんじゃ無いかと思う程、ザクザクと言葉が刺さってきた。

私はこれを浴びたいし、そして多分これをやりたいのだろう。

佐渡山さんは所謂フォーク世代のミュージャンで、郷里・沖縄をバックグラウンドとした歌を歌う方。

沖縄弁・標準語双方の曲があるが、いずれにしても土地の匂いが兎に角濃い。

私が初めて音源を聞いたのは恐らく半年くらい

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裏日本後記(2024.01.21)

裏日本後記(2024.01.21)

凄く疲れてる筈なのに、あまり寝れなかった。

時計を見るとまだ五時半で、窓の外では雨の音がしとしと鳴っている。

雨の向こうから救急車の音が聴こえてきて、気づけば七時半になっていた。

----------。

昨夜『裏日本』を終えた。
ツーマンを決めた昨年十月以降、ずっと「裏日本へ向けて」という想いを抱えながら動いていたので、緊張の糸が一気に切れたようになっている。

自分の事は後回しにして、圧

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消えた盟友。

消えた盟友。

「バスジャックをしよう。バスジャックをしよう。行きたいところへ行けるように、バスジャックをしよう。」

その歌が私の中に飛び込んで来たのは、昨年五月の事だった。

二月に初めて無善寺を訪れ、次から次へ現れる奇人変人に心を踊らせた私は全レギュラー日に出ようと思うように。

そして四月から色んな日に出始めて、五月に"酔っ払って"という第三木曜日へ出演する。

初めて片山さゆ里と会った日だ。

無善寺で

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ブルース夜話

ブルース夜話

私は音楽が好きで音楽を始めた人間だから、普段からよく音楽を聴く。

しかし色々なミュージシャンと会うようになり、音楽を殆ど聴かないミュージシャンが一定数いることを知った。

私には無い感覚だから面白い。

著名な方で言えば、以前シバさんが聴くよりも先に弾き始めたみたいな事をMCで言ってた記憶がある。

何故に唐突にこんな文章を書いてるのかと言うと、文学の話題や絵の投稿ばかりで、私自身が「あまり音楽

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2023.11.05 ムジカライブ翌日の日記。

2023.11.05 ムジカライブ翌日の日記。

何だかずーっと憂鬱なスイッチが入ったままなので、気分転換に早起きして久しぶりに絵を描く。

どうも先週の木曜から続いてる気がする。

私は気分の高低が100か0かのところがあり、大体良い詩が生まれる時は0の時だ。
昨日も3つ浮かんで来た。

ここ最近は人と会ってる際は100の状態なので、今年に入って知り合った人にはよく「鈴木さんは落ち込んだりしないでしょ」とか言われるのだが、逆に問いたい。私の詩を

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私の山怪

私の山怪

裏日本の際に、猫道さん(@nekomichic )からお借りした一冊。

山間部に残る不思議な話を集めたモノ。

読んだ後の率直な感想としては"どこかで聞いたような話が非常に多い"事である。

以下、類似した私自身の話を述べて行こう。即ち、私の山怪だ。

書き始める前の前置きとして一つ。
私は私自身の認識で、正気である。では本編へ。

1.青い二つの火の玉

正確な年齢は定かで無いが、保育園の年長

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卓球を清算したい。

卓球を清算したい。

卓球を清算したい。文章を書くことで。

「音楽をやる」と決めて東京に出てくるまで、15年やっていた。
中・高・大・社会人と。だから音楽歴よりよっぽど長いのである。

そもそも何故に卓球を始めたのか、という理由にもアトピーが絡む。
小学校五年の時に発病し、入院するほどの重症状態に。

その後、中学に入るころには一旦落ち着くが"汗をかくと悪化する体質"な為に、極力汗をかかなそうな楽なイメージである卓球

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ずっとブルーハーツを聴いていた。

ずっとブルーハーツを聴いていた。

高校一年生の夏休み、小学五年の発病時以来のアトピー重症化により治療で引き籠もっていた。

汗をかくと悪化するので、丸一日クーラーのガンガン効いた部屋にいるだけ。

体は痒い、痛い。辛い。兎に角辛い。
そして何もする事が無い。

時間は丸一日ある。

----------中学二年の時に「太鼓の達人」というゲームがきっかけでブルーハーツを知った。

世の中にゴマンと溢れる恋の歌が全て嘘っぱちに思えて、

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「もう秋田に帰ろう」と思っていた、という話。

「もう秋田に帰ろう」と思っていた、という話。

もう秋田に帰ろう。
そう思ってた時期があった。

2022年頃。

上京して最初に組んだパンクバンドは、ボーカルとのいざこざで逃げるように脱退。その後に組んだバンドも、メンバーとの関係がうまく行かず脱退。

人と関わるのが兎に角嫌になり、一人でネットを中心に活動を始めた。これが2021年春。

小賢しくマーケティングばかり考えていた当時の私は、自分の曲に人を流すための導線を作る必要があると考え、音

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死の防波堤

死の防波堤

痒い、痒い、兎に角痒い。
この数日、顔を中心とした皮膚が只管に痒い。

昔から酷い痒みに襲われる日々が続く度に思うことがある。
死ねばこの"痒み"という感覚から解放されて、楽になるんじゃないかと。

------------------自分で命を絶つ検討を大真面目にした事が、人生で三度ある。

一つ目は、高校一年生の夏休みにアトピーの重症化で引き籠ってた時期。
二つ目は、社会人三年目に重度の鬱状態

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海を渡りたかっただけなのです。

海を渡りたかっただけなのです。

以下記事の経緯で会社を休職からの退職をした私だが、その休職期間中の話である。

2017年のクリスマス頃に休職を始め、3月末まで休職期間が続く。

何かもう全てに絶望しきって、疲れていた。漠然と音楽をやりたいと考えながらも、こびり付いて取れない焦げのような迷いがあった。

兎に角、時間と金はあった。休職なので、給料も入ってくる。実家にいるし食には不自由しない。

或る日、好きなバンドのライブが北海

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