ずっとブルーハーツを聴いていた。
高校一年生の夏休み、小学五年の発病時以来のアトピー重症化により治療で引き籠もっていた。
汗をかくと悪化するので、丸一日クーラーのガンガン効いた部屋にいるだけ。
体は痒い、痛い。辛い。兎に角辛い。
そして何もする事が無い。
時間は丸一日ある。
----------中学二年の時に「太鼓の達人」というゲームがきっかけでブルーハーツを知った。
世の中にゴマンと溢れる恋の歌が全て嘘っぱちに思えて、私は夢中になった。
流行り音楽を全く聴かなくなり、以来誇張抜きで二十歳頃まで彼らの音楽しか聴かない程の熱心な"信者"になるのだが。
・・・話を戻す。
引き籠もっていてやれる事は限られている。
只管CDを聴いていた。青いポータブルプレーヤーで。
この時期、ブルーハーツの初期作3枚が紙ジャケで再販されて入手してたので、兎に角こればっか聴いていた。
「ドブネズミみたいに美しくなりたい」
「終わらない歌を歌おう、クソッタレの世界の為」
「見えない自由が欲しくて、見えない銃を撃ちまくる」
「僕、パンクロックが好きだ。中途半端な気持ちじゃなくて」
唯一の心の救いだった。
"音楽は自分を助けてくれる"
"ボタンを押せば曲の世界に入って、色んな事を忘れられる"
アトピーだったから、音楽をすごく好きになってしまった。間違い無く。
いや、好きというよりも心の拠り所と言ったほうが正しい。
今も多分そうなんだ。
憂鬱を好き勝手に吐き出せるから、私は音楽が好きなのだ。
だからそんな歌いたい歌を歌う程に忌避されてた頃は疎外感ばかりで、誰にも分かって貰えないのが辛かった。
今は私が歌いたい事を歌える場所が、沢山あって幸せだ。
私はブルーハーツのお陰で生かされた。
私はブルーハーツのお陰でギターを持った。
私はブルーハーツのお陰で詩を描き始めた。
私はブルーハーツのお陰で歌い始めた。
私は、音楽が好きだ。
●ブルーハーツもとい、私の音楽との出会いについての歌。
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