マージナルマン・ブルーズ #10

ナンミンに点在するお墓を縫うように歩いて海辺に出た。
 日中の高い陽射しと密度を感じさせる湿度が、潮の香りと一緒に身体にはりついた。僕はそういうのが昔から好きだった。クーラーも扇風機もない部屋で汗びっしょりになって昼寝から目覚めるときが好きだった。

 しばらく歩くと、波打ち際に黒人が座っているのに気づいた。ヒートーはまっすぐその男の人の方に歩いていった。
 あめりかーがいるね、とヒートーに言おう

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第3話 沖縄でアメリカは完全な自由を手に入れた

真理:まあまあ、賢人くん落ち着いてちょーだい。そりゃーはじめのうちは無駄な努力ばっかりだけどさ、そのうちに要領よくなるから心配するな。

賢人:先生、やっぱり無駄な努力だったんですか。

真理:あっ、いや、そんなこたあないよ。まったくの無駄ってわけじゃあないから。

賢人:でも、ほとんど無駄だったんですよね。

真理:賢人くん、大事なことだからよく聞いてちょうだい。

賢人:はい。(ゴクリ)

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マージナルマン・ブルーズ #9

沖縄の町は、たいていどこでもそうだが、町を歩いていると必ずどこかから三線の音と、それにあわせて民謡を唄う声が聞こえてくる。暑く、湿度の高い空気の中を漂うように歩いていると、「チルダイ」という言葉の意味がよくわかる。そうして三線の音がチルダい昼下がりの町にぴったりだということに気づく。沖縄がパラダイスなのは青い海青い空だからではなく、チルダさが現実味を失わせるからだ。

 土曜日の午後だった。
 と

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Saving private Ryan

Saving private ryan という映画を観た。
といっても、戦争映像が残酷すぎて40分でリタイア。
実話を元にした映画で、第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦が舞台。アカデミー賞11部門にノミネートされた名作。

まず最初の20分は人がただ残酷に死んでいく映像。

こんなことほんまに起こった?現実?世界ではまだこんな現実が続いてんの?
何のために戦争して、何を得られるのだろうか。

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マージナルマン・ブルーズ #6

わりにどんなところにも、既存のシステムのあらを探し批判だけする「わかりやすい正義の味方」がいるが、そういう者こそが無責任で闘うことをしない、最もたちの悪い偽善者であることに気づかない人は多い。そればかりか自分たちの代弁者だと信じて疑わない。そうして「わかりやすい正義の味方」その人自身が、自分のことを偽善者であることにつゆほども気づいていない。
 偽善者と、偽善者にだまされる人たちの共通項は、決して

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マージナルマン・ブルーズ #5

冷静に戦争を見つめることができない、所謂戦争アレルギーを引き起こしているのは、日本が敗戦国であるという一番大切な事実を日本人が引き受けてこなかったからだが、それは例えば負け戦や失敗を想定せずに、ただひたすら勝ち続ける姿だけを妄想して戦争に踏み切り、且つやめられなかった、彼らの大嫌いな「軍部」と全く同じ発想だった。
 正義の味方を名乗る知識人や文化人や行動人や自称生活者たちの多くは、所詮はプロレタリ

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マージナルマン・ブルーズ #4

一部の懐古趣味の臆病者たちが、襲撃してくれる者なんて一人もいないのに、物々しい色にペイントした装甲車のような車を連ねて、どでかい日章旗や旭日旗をまるで大漁旗か牛丼屋ののぼりのように賑やかにたなびかせて叫び声を上げたり錆びついた歌を流したりしながら周囲を威嚇しつつパレードしたが、あまりにも島の歴史からかけ離れていたため、むしろ街全体をうつろに飾り立てていた。まるで、少しは勉強しないとこんなふうになる

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マージナルマン・ブルーズ #3

(とりあえず)沖縄の味方をしている人たちに現実的な解決策や政策を打ち出せている人はいなかったが、(とりあえず)「センソー反対ベーグン出て行け」と唱えたら満足できるようだった。責任を取る必要のないお気楽な「正義」がトーキョーにあふれかえった。自分たちの身を汚さないことを前提としたところで物事を発想するというのはこういうことだ。
 そもそも国連加盟国196カ国のうち米軍駐留国が151カ国にのぼっている

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第2話 沖縄の信託統治はフェイント

真理:しっかし、もう一人か二人ぐらい履修してくれたほうが安心なんだけどなー。賢人くんにもしものことがあったら、あたしはどーすれば。

賢人:先生、オレそんな簡単には死なないっす。

真理:頼りにしてるわよ、賢人くん。

賢人:はい。絶対に生き延びて見せます。

真理:よーし、その意気だ。で、サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約) 第3条は、もう読み終わったかなー。

賢人:先生、なんか長っ

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右翼をこじらせると現実が見えなくなるらしい。

いまこそ〝草莽崛起〟のとき、アメリカかぶれで中国に媚びへつらう自公政権を倒し、「誰も置いてきぼりにせ」ず、近隣相和し平和を構築する八紘一宇、万邦無比のわが「国体」(旧字では「國體」で、国民体育大会のことではない)を内外に顕かにし、もって父祖の高恩に報ゆるときである。

「正義なき力は暴力、力なき正義は無力」というが、これを読んで、もしかしたら力なき正義も暴力なんじゃないかって気がしてきた。

アメ

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