風塵

リタイア老人。来し方行く末は一面の砂漠。そこに時おり気ままに水やりをする。期待も幻想も…

風塵

リタイア老人。来し方行く末は一面の砂漠。そこに時おり気ままに水やりをする。期待も幻想もなく… なべて風の前の塵のごとし。

最近の記事

砂漠に水を撒く 5  青木理の「劣等民族」発言に触発されて

「砂漠に水を撒く 4  「東京裁判批判」批判」投稿後、どう書き継ぐか迷っていたところ、そして出来した2週間余りの入院生活を経たところで、青木理の標記発言が袋叩きに遭うというニュースが飛び込んできた。とりあえず書き出しは決まった。 津田大介が「それでも日本人が自民党を支持し続けるのはなぜでしょう?」と問いかける。青木理は「一言ですみます。劣等民族だからです」と答える。 すると、ここぞとばかりネット民やネトウヨたちがピラニアのように襲いかかり、袋叩き状態。報道の自由度76位の

    • 極私的サッカー改造論

      はじめにお断りしておくが、自分はサッカーを実際にプレーした経験がない。代表の試合は欠かさず観るが、Jリーグの試合はほぼBS1の「Jリーグタイム」のハイライト映像で済ませている。 映像で観るペレやクライフやベルカンプには天才を感じるがマラドーナにはまったく感じないという、ある意味偏見にみちた老人のひとりごとでありつぶやきである。 そんなサッカーファンの末席にいる傍観老人がサッカーに抱く最大の疑問は、なぜドロー(の多さ)を放置し座視し続けるのか、という一点につきる。 リーグ

      • 砂漠に水を撒く 4  「東京裁判批判」批判 

        問:また陛下は、いわゆる戦争責任について、どのようにお考えになっておられますか。 ヒロヒト:そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究もしていないので、よくわかりませんからそういう問題についてはお答えできかねます。 問:原子爆弾投下の事実を、陛下はどうかお受け止めになりましたのでしょうか。 ヒロヒト:原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾に思っていますが、こういう戦争中であることですから、どうも、広島市民に対しては気の毒であるが、やむをえないことと私

        • 砂漠に水を撒く 3  戦艦大和を特攻出撃させたわけ

          まことに兵の命は軽かった。 イジメの被害者やパワハラの被害者にはかろうじて不登校、転校、転職等の逃げ道がある。兵士らにそれはなかった。「お国のために」が噴飯ものなのは、かれらにとって世界とは生殺与奪の権限をもつ上官と飢餓がすべてであって、国の行く末を考える余裕は1ミリもなかったろう。日常的なシゴキと理不尽な作戦命令に翻弄されながら、あげくは木の根草の根をかじりながら露命をつないだ兵が死に臨んで「心が山のように静か」だったとはとても思えない。 靖国神社に参拝を続ける能天気な

        砂漠に水を撒く 5  青木理の「劣等民族」発言に触発されて

          砂漠に水を撒く 2  ワンチームではなかった日本軍

          死後に英霊とおだて上げるほどには、日本軍は兵士を大切にしなかった。 日本軍は人類史上まれにみる特異な軍隊だった。今でならヒューマンリソースと呼ばれるであろう兵を消耗品として扱った。上官はシゴキやイジメで日常的に兵を毀損し(軍靴でビンタし、角材で尻を殴打した)、作戦に当たっては異様に兵站を軽視した(無謀の代名詞インパール作戦、アッツ島の玉砕、等々)。兵站の代わりは神風と大和魂だった。行きついた先が特攻作戦であり戦艦大和の撃沈必至の特攻出撃だった。 先の大戦の軍人軍属の死者数

          砂漠に水を撒く 2  ワンチームではなかった日本軍

          砂漠に水を撒く  「カタルシスで終わらせてはいけない」

          早田ひなの「特攻記念館へ行きたい」発言(騒動?)で思い出したのが標記のことば。故大林宣彦監督が大岡昇平原作の映画『野火』の監督塚本晋也との対談で発したもの。戦争映画への戒めである。念頭には『永遠の0』や、遠くは『男たちの大和』があったろう。 カタルシス。それはヒロイックな場面を観させられて大泣きし、そのあとに訪れる心身が洗い清められたように感ずるアレである。間違えていけないのは、それは限りなく生理現象に近いのであって精神の活動ではない。非戦の誓いや批判精神とは無縁の現象であ

          砂漠に水を撒く  「カタルシスで終わらせてはいけない」

          独立国沖縄に行きたい

          もう二か月ほど前になるか、テレ朝の「アメトーーク」で「沖縄大好き芸人」が放映された。芸人界の勝ち組が自慢のトークを繰り広げるなか、いずれのプレゼンも面白く、沖縄のすばらしさがよく伝わってきた。彼らにとって沖縄は地上の天国なのだろう。しかしながら、無用老人にはノドにひっかかる小骨がある。はたしてかれらは知るや知らずや、かつて沖縄に生き地獄があったことを。 1999年2月(その後もう一度)、仕事で那覇市に出張する機会があった。それまで自分は観光で沖縄へ行く気にはなれなかった。太

          独立国沖縄に行きたい

          夏空@尾根幹

          夏空@尾根幹

          ユニクロでソール・ライターを見つけた

          ユニクロあるあるは、同じジャンルのアイテムが豊富で、豊富なだけじゃなく陳列棚がいくつもあって、レジを済ませて帰ろうとすると掘り出し物に遭遇してしまうこと。 先日は4FでTシャツ2着を買って2Fに降りると、ギャラリーにデザインTシャツが並んでいる。peace for all というチャリティの一群だった。歳相応に柄物は避けているので、見るともなく見ていると、なにやら目を惹く一点がある。イラスト物が多い中でフォト作品をプリントしたもの。 作品は初見だったが、独特の匂いがする。

          ユニクロでソール・ライターを見つけた

          「有効期限:令和8年〇月〇日」のおかしさ  

          現在は2024年7月。一説では令和6年だそうな。つい先日車検をすませたが、例によって受け取った車検証(やシール)の有効期限は年号表記されている。自賠責保険証書しかり、健康保険証しかり、高齢受給者証しかり、等々、鬱陶しいこと目下の猛暑をしのぐ。 年号が生身の人間の寿命にリンクされている以上、2年先1年先はおろか、1ヶ月後に「令和」が存在する保証はない。よって、行政文書の有効期限をはじめ、未来日付一般を年号表記することはきわめて不合理かつおかしなことなのである。 年号(和暦)

          「有効期限:令和8年〇月〇日」のおかしさ  

          毛越寺は「もうつうじ」か?

          世界60か国を巡っても、日本を何周回っても、何も覚えない出川哲朗の突き抜けた能天気さに癒されて「充電旅」を観ているが、数回前のスタート地点は毛越寺だった。 懐かしさに思わず身をのりだした。初訪から半世紀以上たったが、当時の感動はあせていない。若いころから旅というとなぜか足が北(北海道・東北)に向いたものだが、最初の東北一周自転車旅で立ち寄ったのだった。 京都の大寺のような「あるまじき」威圧感はなく、広濶で静謐なたたずまい(いまほど観光客であふれてはいなかった)に藤原文化の

          毛越寺は「もうつうじ」か?

          「任意」という強制  ハンコより自署が大事

          6月半ば、自分の前を走っていたローディが信号無視で交差点に進入(T字路のバー部分を直進)し、横断歩道で高齢女性にぶつかり転倒した。目撃者として緊急通報。(なお、ロードバイクはゆるい傾斜を惰性でころがるような速度だったため、女性は軽傷ですんだ。) 後日現場での実況見分に呼ばれ、さらに1週間後、警察に呼ばれた。供述調書に署名を求められたのである。いつものライド途中に寄ることにしたが、ひとつだけひっかかりがあった。身分証明書のほかに朱肉を使うハンコを持参せよというのである。 折

          「任意」という強制  ハンコより自署が大事

          藤井聡太の凄み

          ことわっておくが、自分は藤井のファンではない。というか藤井はもはや人々の好悪とは無縁の境地にある存在である。中継動画に「聡太!聡太!聡太!」などというコメントを上げる御仁がいるが、心配無用、藤井は放っておいても勝ち続ける。 そんな藤井もフルセットの末、伊藤匠七段に叡王位を譲った。藤井の強さをいやというほど見てきただけに感慨も一入である。早速「牙城崩壊」とか「藤井八冠の○○日天下」という心ないニュースが流れた。こういう連中は無視すればいいのだが、もしシンプルに一言だけ反論する

          藤井聡太の凄み

          言わんこっちゃない  米民主党の蹉跌

          <b>「もしトラ」</b>がいよいよ現実味を帯びている。先のディベートでのバイデンの体たらくは、極東の無用老人でさえも、ずっとずっと前(彼が二期目への意欲を示したとき)から予測できたことだった! 直後にバイデンは選挙戦の継続を表明したが、民主党内はどうやら上を下への大混乱。あわててバイデン支持表明が続いているのは、かえって混乱の大きさを物語っている。ニューヨークタイムズは決然と撤退を勧めた。支持表明と同じくらい、撤退後の後継候補談義がかしましい。 アメリカ人3億、そのうち

          言わんこっちゃない  米民主党の蹉跌

          やったねNHK でも冤罪はなくならない

          NHKはBS1以外観なくなって久しい。ところが先日、総合TVの「法医学者たちの告白」というドキュメンタリーをタイトルに惹かれて録画、再生。ビンゴだった。NHKもここまでやれるんだと見直した。今頃、ここで言及された警察・検察の当事者、担当した裁判官は歯ぎしりと怒り(もちろん正当な怒り、ではない)に震えているのではないか。今後NHKに陰湿な嫌がらせが向けられないかが心配である。 冤罪を生む元凶である自白重視の捜査やそれを受容する裁判は20世紀の遺物と、うかつにも思い込んでいたが

          やったねNHK でも冤罪はなくならない

          ゴルゴ13になりたい

          NHK-BS1「国際報道」の女性キャスターとして活躍する酒井美帆の美貌にはいつ見ても感心する。(しかしあれは営業用のそれであって、一度だけ目にしたオフショットのキラキラ活き活きした表情ときたら…!) Wikiによれば2018年からというから長い。何代ものメインキャスター、サブキャスターを見送り、いまや押しも押されもせぬ当番組の顔である。 5年ほど前だったか、明石家さんまが「気になる女性たち」の私的なランキングを披露したことがあって、彼女はたしかベストスリーに入っていた(順位

          ゴルゴ13になりたい