砂漠に水を撒く 「カタルシスで終わらせてはいけない」
早田ひなの「特攻記念館へ行きたい」発言(騒動?)で思い出したのが標記のことば。故大林宣彦監督が大岡昇平原作の映画『野火』の監督塚本晋也との対談で発したもの。戦争映画への戒めである。念頭には『永遠の0』や、遠くは『男たちの大和』があったろう。
カタルシス。それはヒロイックな場面を観させられて大泣きし、そのあとに訪れる心身が洗い清められたように感ずるアレである。間違えていけないのは、それは限りなく生理現象に近いのであって精神の活動ではない。非戦の誓いや批判精神とは無縁の現象であ