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在日米軍基地で働くということ-3-

私は、在日米空軍がある地域で生まれ育ちました。

今回書いている記事も、他の在日米軍基地に関する記事も、私の地元にある基地で経験したことを元に書いています。

他の地域にある米軍基地と比べて、共通する部分もあれば、全然異なる部分もあると思いますので、あくまで基地の現状の一部として読んでいただけたら幸いです。

カスタムしまくるアメリカ人

基地では飲食店で働いた。
いちばん最初に気付いたのは、アメリカ人はオーダーのカスタムをしまくるってこと。
メニューに載っているそのままを食べるってことはなかなかない。

オーダーが入るとかなりの確率で
“No tomato, no onion, extra bacon...”
(トマトとオニオン抜き、ベーコン多めで…)
ってな感じになる。

「本当に自分が食べたいものを食べる」ということに重きをおいている人が多いのだろう。
味が思っていたのと違ったり、オーダー間違いがあると、がっかり具合が半端じゃなかったり、きちんと主張するところは、日本人との大きな違いだと思う。

日本であれば、「でも悪くないよね」などと言いながら、できるだけ残さないように食べたり、苦手なものはお皿の端によけて食べたりするのが大半だ。

これは飲食店だけに限らず、アメリカ人はできるだけ自分の求めているものが得られるように、主張したり交渉したりする。
日本人は、より平和に解決するために自分が我慢したり、調整する。

どちらのやり方にも賛否両論あるだろう。
しかし、アメリカ人の逞しさ、日本人の他人を思いやる姿勢はどちらも良いところだ。

お客様との関係性の違い

アメリカ人と日本人のお客様の違いにも気付いた。

日本人とのやり取りは、とってもシンプル。
お客様は注文し、こちらではオーダーをとる。
礼儀正しく丁寧にやり取りをする。
基地関係者で既に顔見知りの人や、フレンドリーな人、アメリカスタイルに慣れている人などだと世間話をすることもあるが、稀なケースだ。

一方、アメリカ人はよりカジュアルでフレンドリーなことが多い。
“How are you?”ではじまり、
”Have a good day!”で終わることが大半だ。
はじめてのお客様、常連さん関係なく、
「この基地に赴任したばっかりなんだよねー」
「今日は忙しくて、お腹ぺこぺこだよ!」
なんて世間話はしょっ中だ。

更に面白いことに、お客様側でも接客側がアメリカ人なのか日本人なのかでやり方を変えているのだ。
日本人がアメリカ人スタッフに話す時は、よりカジュアルに世間話する人もいるし、アメリカ人が日本人スタッフに話すときはオーダーだけシンプルにする人もいる。
これは面白い気付きだった。

従業員たちも十人十色

こういった違いは、従業員たちの間にもあった。
お客様とよりも距離が近い分、その違いは顕著に感じたように思う。
私がいちばん感じたのは、言語の違いによるミスコミュニケーションや文化の違いによる仕事への取り組み方だった。
ちょっとの言い回しの違いで、相手が失礼だと感じて怒ったり、お互い普通に仕事してるのに、「なんであんな働き方するんだろう?」って不満に思ったり。
もちろん、中には意図してサボっていたり、アメリカ人が好きじゃない人もいれば、日本人が好きじゃない人もいたので、一概には言えない。
それでも、いざ話をしてみると、
「そんなつもりじゃなかったんだけど、嫌な思いをさせたならごめんね」
「自分ではちゃんとやってるつもりだったけど…じゃあどうしたらいいかな?」
ってなことは少なくなかった。

米軍基地に限らず、多国籍な環境で働いたり暮らしたりする時、こういった文化の違いを理解することや、お互いに話し合って問題改善していくことは、大きな課題だと思う。

違いを理解して、相手に合わせて対応を変えたり、時には協力をお願いしたり、在日米軍基地での仕事は学びや気付きがたくさんあった。
これが、他の国にある米軍基地だったら、またそれぞに違いがあるのだろうと面白く思った。

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