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プリッツというタクトで
「スタッフが美味しくいただきました」
「スタジオも距離をとったうえで、放送します」
「マスクをして接客しますご了承ください」
「マスクがありませんご了承ください」
「正面を向かないように配慮したうえで」
「人の少ない道を通って」
そんな言葉が上から下にどんどん降りてきて
些末な かいらしい日常にもこんな注釈がついて
水飴の中を歩くように
からだに重くまとわりついた無関係なものが
その先の車窓を生きている。
日本を離れ、別の国の山奥で暮らしている。
経済発展が著しいこの国にも、まだまだ狂犬病や風土病が残っている。
だが、それらを診察できる医療は十分に整っているとは言えない。
「最近じゃ、国内のどの都市でも代わり映えがしなくなった」としばしば耳にする。ここに暮らしてみて、それは事実でもあり、また事実ではないと感じる。
わずか10年前、この地域の人々は家に出たネズミを捕まえて食べていた。
茹でて食べる
そして はじまる日々に
和田誠さんが亡くなった。
「おっ面白いものが読めそうだぞ」
ーー彼が装丁を手掛けた本は好みのものが多かった。
子どものときに町立図書館で出会ったエッセイ、『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズ。私にとって初めて触れるエッセイだった。夢中になって読んだ。
作中には、作家と和田さんのやりとりが収められることがあり、それがなんともオシャレで憧れたものだった(そして奥様を認識したとき、とてもびっ
水場の底からこんにちは
すこし前から男女150人規模の集団生活をしている。
会社の研修のようなもので、語学を主眼に置いた約2カ月間のプログラムだ。
世間は新元号を迎えだようだが、ここにはテレビもないし、携帯の電波もあまり入らない。
私は窓から見えるタンポポが黄色から白に変わったな、とか、建物内に侵入してくるカメムシの種類が変わったななどと思いながら過ごしている。
有難いことに個室が与えられているのだが、風呂とトイレは共用