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そして はじまる日々に

和田誠さんが亡くなった。 

 「おっ面白いものが読めそうだぞ」

ーー彼が装丁を手掛けた本は好みのものが多かった。  
子どものときに町立図書館で出会ったエッセイ、『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズ。 私にとって初めて触れるエッセイだった。夢中になって読んだ。
作中には、作家と和田さんのやりとりが収められることがあり、それがなんともオシャレで憧れたものだった(そして奥様を認識したとき、とてもびっくりした)。



"本を手に取るための指" が私に10本あるのだとしたら、そのうちの1本は和田さんによるものであったと思う。

いずれ彼の訃報も『三谷幸喜のありふれた生活』に収録されるのだろう。
私は、「それはあまりにも読みたくないな」と一度は思ったのだけれど、すぐに「やっぱりとっても読みたいな」と思ってしまったよ。

 単なる一読者に過ぎないけれど、 「実は結構いろいろ貰ったものだな」 とそっと手を見たりして。

憧れの人たちはどんどん遠くなるけれど、憧れの作品は消えない。
でもね、彼らのいない日々が始まるのはやっぱり寂しい、と今日ぐらいは言いたいよ。

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