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エッセイはとつぜんに

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つれづれなるままに、ひぐらし、ではないが、ときたまPCにむかひて。役には立ちませんが、何の変哲もない日常を楽しめるようにはなるかもね。
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やさしいものさがし

やさしいものさがし

花粉症と風邪のミックスで、どうにもぼんやりと体調がわるい。

そんなときは文章も、やさしいものしか読みたくないし、書きたくない。

やさしいもの、やさしいもの。

頭の中にはいちご大福とか、ペコちゃんのほっぺとか、マシュマロとかがぽこぽこと浮かんでくる。

手元にあればそれについて存分に描写したいところなのだけれど、あいにくないので、なんだかなあとなる。今日は買いにいくほどの元気もない。

お菓子

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「みんなのフォトギャラリー」で感じる贅沢

「みんなのフォトギャラリー」で感じる贅沢

先週のある日、noteをひらいたら、うれしいクラッカーがあらわれた。

こうやって、自分では見過ごしてしまう小さな節目節目で、さりげなく背中を押してくれるnoteの、人間味あふれるしくみがとても好きだ。

冷たい画面を通してだけれど、たしかにその先には「ひと」がいるんだなあ、と思わせてくれる。そしてその「ひと」たちが、大多数や特定の著名人だけじゃなく「ひとりひとり」のことにも思いを馳せて、つくって

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【note商店街】気まぐれ写真ギャラリーぽこねん #004「暑中おみまい申し上げます」展

【note商店街】気まぐれ写真ギャラリーぽこねん #004「暑中おみまい申し上げます」展

コロン、コロロン。

バンブー製のドアベルの音が、いつにもまして耳に心地よい。

そういえば店主、このドアベルはどこか南国のみやげ物だと言っていたっけ。どうりで暑い季節が似合うわけだ。

客「こんにちはー」

店「あ、いらっしゃいませ」

客「あー! 中は涼しいですね。外はもう暑くて暑くて、溶けそうですよ」

店「いやほんと、今年はかないませんね」

客「ほんとぼく、夏ってキライなんですよ。汗かく

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カフェと海と南国気分(たまには、夫婦で)

カフェと海と南国気分(たまには、夫婦で)

ひさびさに夫とふたりで過ごせる日を捻出して、海へ行った。

私が海へ行きたいと言ったのだ。

先月のわたしの誕生日には娘がまさかの入院となり、自分たちも体調を崩してなかなか大変な日々であった。ようやく日常を取り戻したいま、遅めのバースデー企画で希望を叶えてもらうことになった。

福岡市内の家から、車で1時間ほど。糸島へ向かう。

道中、ランチに行くお店を検索する。

普段ならば和食大好き、海辺なら

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自然界の配色の美しさよ

自然界の配色の美しさよ

娘がかぼちゃを好きすぎて、ここのところよくかぼちゃを煮る。

その日もいつものようにかぼちゃを切っていたのだが、ふと、台所の蛍光灯の下で切られたかぼちゃを改めて見て、その配色の美しさに目を奪われた。

森を思わせる深い緑の皮に、鮮やかな黄色の中身。

包丁を片手に、「ほう……」と手を止めてかぼちゃの一片を舐めるように見回しているあたり、いろんな意味で危ないひとである。

* * *

でもなんだか

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昧爽

昧爽

指先はとっくにかじかんでいた。

季節は冬。

前夜のキャンプではテントもなく、大地の上に直接置く豪州式の寝袋で寝た。スワッグというらしい。

寝転がって上を見ればダイレクトに星空。外気、マイナス2度。

焚き火を囲むようにして仲間たちとなんとか眠る。

翌朝、まだ真っ暗な夜明け前に起き、その場所を目指す。

朝日を見るのに、有名なスポットがあるらしい。凍てつくような寒さのなか、早朝だというのにぞ

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もくじのようなページ【随時更新】

もくじのようなページ【随時更新】

はじめての方にもわたしのnoteアカウントの全体像が見渡せるよう、固定用にもくじのようなものを置いておくことにしました。

※「簡潔なプロフィール」+「スキを最も多くいただいているnote5選」は■こちらのページ(別note)■をどうぞ。この「もくじのようなページ」は盛り込み過ぎで長いので、興味のある部分を“つまみ読み”ください〜。

※反響の大きかった記事はこちら↓にストックしています。

* 

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愛しき、なんでもない日々よ

愛しき、なんでもない日々よ

朝起きると、1歳の娘がとなりにいない。

さてこんどはどこへ転がったのかと思って寝ぼけまなこで見渡してみたら、夫の布団の足もとのほうに、娘らしき綿毛布のかたまりを見つけた。

おや、きょうはそっちへ出かけたのね。

娘の寝相は実に自由で、日々の運勢占いみたいなもんである。

あっちへころころ、こっちへころころ。

夫の表現をかりるなら、「毎日パン粉まぶしてんのかってくらい転がる」のだ。

* * 

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ありふれてるものアート

ありふれてるものアート

毎日みているはずのなんでもない日常の風景が、突然アート作品のように別の意味をもってみえてくる瞬間がたまにある。

今日は、カーテン。

そのときわたしは部屋のなかにいて、なんの気なしに、レースのカーテン越しに透ける外の景色をぼーっとながめていた。

窓の外にあっていた目の焦点を、次にレースのカーテンにあわせ、引き続きぼーっとする。

ぼーーーーーっ。

ふと、そのカーテンの描く光の陰影がどうにもう

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学校のなかだけが世界じゃないからね

学校のなかだけが世界じゃないからね

って、将来自分にこどもが生まれたら言ってあげたい。

もし学校があわなくてつまらないと思っているなら、「だから大丈夫、何の心配もない! んじゃ他の世界を見にいこうか」というニュアンスで。

もし逆に、学校が楽しすぎてむしろ人気者になって有頂天になっているなら、「まだまだ世界は広いからね、油断するでないぞ、ははは!」って。

どちらにしても、世界は広いのだ。

そして私はその広さを、その価値観の多様

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春をたべる(こごみ)

春をたべる(こごみ)

いつものスーパーで、ふだんは見かけないものを売っていた。

それが、こごみ。

ご存知の方も、ご存知でない方もそれなりにいらっしゃるであろう、微妙な知名度の山菜である。旬は4、5月。南では3月ごろから、東北では6月の初夏まで採れるらしい。まさに、今が旬。

そして何をかくそう、私はこのこごみが大好きだ。

スーパーで見かけた瞬間にハッとし、「あ! こごみちゃん!」と(心のなかで)無意識にちゃん付け

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