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【コラム】ファッションと社会について

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記事一覧

ファッションから外国の旅と禅思想を考えてみる

ファッションから外国の旅と禅思想を考えてみる

わたしは、イタリアの大学院で芸術・ファッションを学んでいます。

学びの中で、アーティストやファッションデザイナーの多くが、「異国への旅を通し、思想を変化させていること」に気づきました。

アートやファッションの世界では、いかなる作品にも「伝えたい思い」があります。だからこそ、考えや思想の移ろいは、その人の創造に目に見える大きな変化を与えています。

それは面白いと思って、今回は、海外への旅と、禅

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ファッション美術館が東京にできたらどうなるだろう?

ファッション美術館が東京にできたらどうなるだろう?

ユイマナカザト記事第3弾後半。
引き続き、「ファッションとアート・ファッション展の意義」がテーマです。

今回は、前半よりさらに深く、「日本のファッションデザインとアーカイブ作り」について掘り下げていきます。

ユイマナカザトのエピソードとして、こんな話があります。

中里デザイナーは、ブランドがヨーロッパに進出する上での問題として、海外でよく「なぜ、日本のメディアでの露出が少ないの?」と指摘され

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ファッションはアートか?ファッション展はなぜ増えているのか

ファッションはアートか?ファッション展はなぜ増えているのか

「ファッションはアートか、アートではないか」
その議論はずっと続いているし、未だ答えはありません。

近年では、ファッションブランドによる展示が増えました。
日本でも、ディオール展やイヴ・サンローラン展、メゾンマルジェラの「アーティザナル」展など、ブランド企業による大規模な展示イベントは記憶に新しいかと思います。

ユイマナカザト記事第3弾の今回は、ファッションとアートについて、さらに近年増えてい

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浮き彫りになったファッション業界の過酷な労働 バングラデシュなどの生産国に続き、先進国の業界トップ層まで

浮き彫りになったファッション業界の過酷な労働 バングラデシュなどの生産国に続き、先進国の業界トップ層まで

隠されてきたファッション業界の「闇」過酷な働き方が明るみにアパレル業界といえば、バングラデシュの労働環境など、人権問題に関わるショッキングなニュースが度々報道されてきた。

今では多くの人が日常的にチェックしているであろう、インスタグラムやTikTok。その世界でとりわけ華やかに、日常の充実感を映している(ように見える)インフルエンサーたち。

多くの人が憧れる華やかでエネルギッシュなそのイメージ

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費用や同意など、中絶と避妊の不安。「言えない」を今こそ、「話そう」

費用や同意など、中絶と避妊の不安。「言えない」を今こそ、「話そう」

“MY BODY MY CHOICE (私の身体は自分で決める)”

妊娠や避妊、中絶などの選択について、「身体の自己決定権(autonomy)」を求めて世界中の女性が口にしている言葉だ。

グッチが2019年に発表したジャケット

この言葉を聞いて、誰か身近な人を思い浮かべるだろうか。もしくは、自分とはどこか遠いイメージを抱くだろうか。

2022年に中絶を違憲としたアメリカをはじめ、海外ではこ

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