本と映画と万年筆

本と映画と万年筆でできています。

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記事一覧

「雨に唄えば」 1952

「雨に唄えば」 1952 アメリカ🇺🇸 ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン監督 2024年一発目の名作映画 ハリウッド映画がサイレントからトーキーへと移行する時代を描いた…

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「暗殺の森」 1970 バルト11 2023/11/12

「暗殺の森」 1970 イタリア•フランス•西ドイツ合作 ベルナルドベルトルッチ監督 ラストエンペラーで世に名を馳せる巨匠、ベルトリッチの出世作 4年前に男と女で主演を…

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「ブータン山の教室」 U-NEXT 2023/11/8

 ずっと見たかった映画をやっと見た。もっと早く見ればよかったと思う程心を打たれた。  ブータンの首都ティンプーそして僻地のルナナ村の景色が美しく見ているだけで幸…

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「初期フランドル派」 ヤンファンエイク 2023/11/8

  昨日、ナタリーポートマン主演の「Vフォー・ヴェンデッタ」を視聴していたら気になる絵画が劇中に出てきた。どこかで見たことがあるなと思い調べると、ヤンファンエイ…

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「偽りなき者」(2012) U-NEXT 2023/11/2

 個人的に俳優の中で、トップ3に入る2枚目だと思うマッツミケルセン主演の映画、偽りなき者。  本作はあらすじを読んだだけで観なければならぬと思わされた。  物語…

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「ノーカントリー」(2007) U-NEXT 2023/10/31

  ドライブマイカーで名演を成し遂げた韓国女優「パクユリム」のインスタを見ていたら、気味の悪い男の投稿があった。その男こそ本作のシリアルキラー、ハビエル・バルデ…

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 「長期金利」 備忘録 2023/11/2

 普段、ニュースでよく目にしていた「長期金利」。なんとなく理解するのが難しそうで距離を置いていた。しかし、私も立派な一社会人としてこういった社会を知るうえで基本…

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ホラー秘宝まつり2023 「バスケットケース」 2023/10/30

本日、ホラー秘宝まつり2023の最後の作品「バスケットケース」を見てきた。  サロンシネマに行くとたまたま、ダリオアルジェント研究会の矢澤さんも鑑賞しに来られていた…

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「男と女」(1966) 午前十時の映画祭 2023/10/29 バルト11

 午前十時の映画祭にてクロードルルーシュ監督の「男と女」を鑑賞した。  前情報は全くなしで視聴したため、非常に楽しめた。  広大な埠頭の前で会話をするアヌーク・…

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ホラー秘宝まつり2023「地獄の謝肉祭」 2023/10/29

 ホラー秘宝まつりも折り返しになり、少し寂しい気持ちになりつつも、ジョンサンクソン主演の「地獄の謝肉祭」を見てきた。  カニバリズムものと聞いた時点で「食人族」…

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「ストローマン論法」 2023/10/30

Youtubeを見ていたらたまたま高須幹也先生の動画が回ってきた。普段からステハゲやスーツとのプロレスが好きで見ていたのだが、今回の動画はそういった類のものではなく真…

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ホラー秘宝まつり2023 「オペラ座 血の喝采」2023/10/28 サロンシネマ

 昨日、ホラー秘宝まつりの二作品目「オペラ座 血の喝采」をサロンシネマにて鑑賞した。  ダリオアルジェントの作品は本年度「ダークグラス」が公開されたこともあり、…

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ホラー秘宝まつり2023 「世にも怪奇な物語」 202310/27 サロンシネマ

 昨日からサロンシネマにて、ホラー秘宝まつりが始まり第一作品目を鑑賞してきた。  記念すべき一本目は「世にも怪奇な物語」(1967)。フランスのオムニバス映画である…

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「石川佳純 講演会 私の卓球人生を支えたもの」 2023/10/26 岩国市民文化会館

 今日初めて石川佳純さんを生で見た。  あまり卓球に縁のある生活をしてきたわけではないので、そこまで石川さんについて詳しかったわけではないが、やはり実物を目の当…

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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 2023/10/25 109シネマズ広島

 ハリウッドが如何にも得意として飛びつくであろう題材。  いの一番に思ったのは、ディカプリオの老化である。(実はつけ歯を使用しているそうで、敢えて老けて見えるよ…

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「狂い咲きサンダーロード」(1980) 横川シネマ 2023/10/24

 待望の狂い咲きサンダーロードを劇場で鑑賞することができた。  私が個人的に崇拝するお笑い芸人・永野さんのYoutubeチャンネルにて存在を知り、いつか見たいと思って…

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「雨に唄えば」 1952

「雨に唄えば」 1952

「雨に唄えば」 1952
アメリカ🇺🇸 ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン監督
2024年一発目の名作映画
ハリウッド映画がサイレントからトーキーへと移行する時代を描いた作品にアーティスト(2011)があるが本作とは似て非なるものである。
アーティストがサイレント映画をメインに進行していくのと対照的に本作は鮮やかなカラーと音声入りで同じ時代を描いていてもここまで違った印象を受けるのかと思った

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「暗殺の森」 1970 バルト11 2023/11/12

「暗殺の森」 1970 バルト11 2023/11/12

「暗殺の森」 1970
イタリア•フランス•西ドイツ合作 ベルナルドベルトルッチ監督
ラストエンペラーで世に名を馳せる巨匠、ベルトリッチの出世作
4年前に男と女で主演を務めたジャンルイ•トランティニャンを迎え、第二次世界大戦前夜を描く。
同じイタリアなのもあってプロフォンドロッソと同じフォント。
悩みを抱えるジャンルイが電話に出るシーンから物語が始まる。後部座席で考え事をしながら回想シーンが始まる

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「ブータン山の教室」 U-NEXT 2023/11/8

「ブータン山の教室」 U-NEXT 2023/11/8

 ずっと見たかった映画をやっと見た。もっと早く見ればよかったと思う程心を打たれた。

 ブータンの首都ティンプーそして僻地のルナナ村の景色が美しく見ているだけで幸せな気持ちになれた。ブータンの幸福度が高い理由もわかる気がする。

 映画を見て驚いたのが、ブータンの人々も手食文化が根付いているということであった。調べてみると現在も世界人口の約4割が素手で食事をしているそうだ。

 劇中で登場する民族

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「初期フランドル派」 ヤンファンエイク 2023/11/8

「初期フランドル派」 ヤンファンエイク 2023/11/8

  昨日、ナタリーポートマン主演の「Vフォー・ヴェンデッタ」を視聴していたら気になる絵画が劇中に出てきた。どこかで見たことがあるなと思い調べると、ヤンファンエイクのもっとも有名な絵画であった。

 一時期美術史にのぼせていた時があり、その時分の気持ちを思い出した。

 15世紀から16世紀にかけてイタリア以外のヨーロッパでのルネサンス活動を指す”初期フランドル派”。その派閥の始祖ともいえるのがこの

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「偽りなき者」(2012) U-NEXT 2023/11/2

「偽りなき者」(2012) U-NEXT 2023/11/2

 個人的に俳優の中で、トップ3に入る2枚目だと思うマッツミケルセン主演の映画、偽りなき者。

 本作はあらすじを読んだだけで観なければならぬと思わされた。

 物語は幼女の悪意ない告発により幕を開ける。マッツミケルセン扮するルーカスは幼稚園教諭で、村の古くからの知り合いたちと仲が良く充実した日々を過ごしていた。

 そんな中、仲間の一人のテオの娘がルーカスに恋心を抱き、彼にアプローチをかける。だが

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「ノーカントリー」(2007) U-NEXT 2023/10/31

「ノーカントリー」(2007) U-NEXT 2023/10/31

  ドライブマイカーで名演を成し遂げた韓国女優「パクユリム」のインスタを見ていたら、気味の悪い男の投稿があった。その男こそ本作のシリアルキラー、ハビエル・バルデム演じるシガーであった。

 見るものに気持ち悪いと想う考えを芽生えさせる彼の髪型、表情そして全身から漂うオーラは只者ではない。第80回アカデミー賞で助演男優賞をつかみ取るのも納得の名演であった。

 ベトナム帰還兵のジョシュブローリンが、

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 「長期金利」 備忘録 2023/11/2

 「長期金利」 備忘録 2023/11/2

 普段、ニュースでよく目にしていた「長期金利」。なんとなく理解するのが難しそうで距離を置いていた。しかし、私も立派な一社会人としてこういった社会を知るうえで基本的なワードを一つずつ理解していこうと調べてみた。

 そもそも、長期金利とは日銀が一般銀行に貸し付ける際の金利らしい。なおかつ、10年国債の金利でもある。この事実が分かることで腑に落ちた。

 

 そして、問題になっているのが今回問題とな

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ホラー秘宝まつり2023 「バスケットケース」 2023/10/30

ホラー秘宝まつり2023 「バスケットケース」 2023/10/30

本日、ホラー秘宝まつり2023の最後の作品「バスケットケース」を見てきた。

 サロンシネマに行くとたまたま、ダリオアルジェント研究会の矢澤さんも鑑賞しに来られていたらしく、挨拶させていただいた。物腰の低い方で映画の知識のみならず、文化的素養をお話しされる姿からも感じる教養人である。

 普段劇場で映画を見る際に16㎜フィルムで撮影された作品は、そこまで見ることがないので最初は違和感を感じたが、思

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「男と女」(1966) 午前十時の映画祭 2023/10/29 バルト11

「男と女」(1966) 午前十時の映画祭 2023/10/29 バルト11

 午前十時の映画祭にてクロードルルーシュ監督の「男と女」を鑑賞した。
 前情報は全くなしで視聴したため、非常に楽しめた。

 広大な埠頭の前で会話をするアヌーク・エメと娘の会話から始まるOP。次に映し出されるジャン=ルイの車内での喋り方にジャン=リュック・ゴダールの「勝手にしやがれ」(1960)のジャンポールベルモンドを思い出した。

夫と妻を亡くしたやもめ同士が出会い、愛を紡ぐ物語であるが、そう

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ホラー秘宝まつり2023「地獄の謝肉祭」 2023/10/29

ホラー秘宝まつり2023「地獄の謝肉祭」 2023/10/29

 ホラー秘宝まつりも折り返しになり、少し寂しい気持ちになりつつも、ジョンサンクソン主演の「地獄の謝肉祭」を見てきた。

 カニバリズムものと聞いた時点で「食人族」を思い出したが、始まってすぐに似た雰囲気を覚えた。ベトナムの人々と食人族の先住民どちらもジャングルの中で生息をしているため両作品に通じるところを感じた。

 ベトナム戦争帰還兵が市民に忌み嫌われる存在になり、追われる点は私が大好きなランボ

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「ストローマン論法」 2023/10/30

「ストローマン論法」 2023/10/30

Youtubeを見ていたらたまたま高須幹也先生の動画が回ってきた。普段からステハゲやスーツとのプロレスが好きで見ていたのだが、今回の動画はそういった類のものではなく真面目な話だった。

 今回取り上げられていたのは議論をする際によく使われる手法の一つ”ストローマン論法”のことであった。この論法自体は、個人的に一年ほど前に詭弁論理学を勉強していた際に認知していたのだが、動画を視聴することでさらに理解

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ホラー秘宝まつり2023 「オペラ座 血の喝采」2023/10/28 サロンシネマ

ホラー秘宝まつり2023 「オペラ座 血の喝采」2023/10/28 サロンシネマ

 昨日、ホラー秘宝まつりの二作品目「オペラ座 血の喝采」をサロンシネマにて鑑賞した。

 ダリオアルジェントの作品は本年度「ダークグラス」が公開されたこともあり、サロンシネマではサスペリアやサスペリアPART2をリバイバル上映してくれたため、劇場で見ることができた。

 本作はOPから特徴的な描写で目を惹きつけられた。まず、もの凄い寄りで撮影した“カラスの目“。カラスは古来より死、荒廃そして裁きの

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ホラー秘宝まつり2023 「世にも怪奇な物語」 202310/27 サロンシネマ

ホラー秘宝まつり2023 「世にも怪奇な物語」 202310/27 サロンシネマ

 昨日からサロンシネマにて、ホラー秘宝まつりが始まり第一作品目を鑑賞してきた。

 記念すべき一本目は「世にも怪奇な物語」(1967)。フランスのオムニバス映画である。
オムニバス映画といえばジム・ジャームッシュ監督の「ナイトオンザプラネット」を思い出した。オムニバス映画のいいところは一本の映画で何本分もの満足感を得ることができる点である。

 本作はロジェヴァディム、ルイマル、フェデリコフェリー

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「石川佳純 講演会 私の卓球人生を支えたもの」 2023/10/26 岩国市民文化会館

「石川佳純 講演会 私の卓球人生を支えたもの」 2023/10/26 岩国市民文化会館

 今日初めて石川佳純さんを生で見た。
 あまり卓球に縁のある生活をしてきたわけではないので、そこまで石川さんについて詳しかったわけではないが、やはり実物を目の当たりにすると美しさに目を疑った。

 最近でいうとユニクロのcmのイメージが記憶に新しい。村上春樹の海辺のカフカを手にして喫茶店で佇む姿からは、卓球をしている際の闘争心剥き出しの彼女からは想像できない清純さを感じる。(決して彼女が卓球をして

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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 2023/10/25 109シネマズ広島

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 2023/10/25 109シネマズ広島

 ハリウッドが如何にも得意として飛びつくであろう題材。

 いの一番に思ったのは、ディカプリオの老化である。(実はつけ歯を使用しているそうで、敢えて老けて見えるようなメイクを施しているらしい。)

 陽気なOPから打って変わってオセージ族の人々が不審死していく様を映していくカットは流石はスコセッシといったところ。

 白人同士のやり取りの中で悪気なく、オセージ族の人々を”純血資産”と財の一つのよう

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「狂い咲きサンダーロード」(1980) 横川シネマ 2023/10/24

「狂い咲きサンダーロード」(1980) 横川シネマ 2023/10/24

 待望の狂い咲きサンダーロードを劇場で鑑賞することができた。

 私が個人的に崇拝するお笑い芸人・永野さんのYoutubeチャンネルにて存在を知り、いつか見たいと思っていた作品である。永野さんのお勧めする作品は思いのほかといっては語弊があるかもしれないが本当にすべて面白い。ヒッチャーからタランティーノ作品まで全て永野さんの影響で視聴した。

 本作は一言で言うと仁の漢っぷりを存分に楽しむ映画である

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