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#恋愛

【詩】下戸ガエルの聖夜

【詩】下戸ガエルの聖夜

駄々捏ねる仔猫の咳き(しわぶき) に凍える夜
親指ピアノ持ち、期待に耳をそばだてても
隧道に仲間の歌声はない

淋しさも板につき
自販機の汁粉をぐい呑みし
「なに 孤独でも弾けるさ」と
下戸下戸鳴らすよ カエルの歌

モミの木てっぺんの星
更にその上で輝く星が美しい夜は
君の詩よりも自分の言霊で
心をまともに戻したい

寒空に澄んだ空気を奏で過ぎて
風邪をひくなら
長湯しながら、呑兵衛の君を待つか

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【詩】坊主頭にありがとう

【詩】坊主頭にありがとう

君の良さと誠実
どう私の気持ちに応えていいか
分からない時、頭丸めちゃう不器用さ
分からないことは「分からない」と言える素直さ
それが、私が君の中に見つけた宝物

5月の誕生日44歳の別れ道
妊娠期間も計算できないのに
大人の男気取りで
主導権握りたかったの?
交際期間も誤魔化して
安倍ちゃんの良いこと探しも、比喩ばかり
背伸びしても、オナゴに待ち伏せされる
良い男にはほど遠く、見え隠れした君の稚

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【詩】月から太陽への手紙

【詩】月から太陽への手紙

大事な言の葉は
メールや手紙や動画配信じゃなくて
会えた時に届けたらよかったな

寂しくて不安でも
連絡の頻度は決めておけば
よかったな

君の仕事に 私の学びに
支障きたさないようにできたら
よかったな

君だけに固執しないで
友達と過ごしたり趣味を楽しめば
よかったな

適度な距離が取れたらよかったな
素直で平坦な心で関われたら
よかったな

君が誰といても
根底では揺るぎなく
「大丈夫」と思

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【詩】横綱は恋をしない

【詩】横綱は恋をしない

君のバンドメンバーを見ててもね
「服が素敵」と思っただけ

お年寄りは優しいけど、生理的に受け付けない
彼の理想の女性になるのは息苦しいよ

ナンパしない人は誠実だけど、
君に捨てられる不安から逃げた
私の不誠実だった

別に恋がしたかったわけじゃない
恋愛なら誰でもいいんじゃない

お姫様になって
白馬の王子様に出会いたかったんじゃない
王子様に幸せにして欲しかったんじゃない
君に王子様になって

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【詩】Love for yourself

【詩】Love for yourself

私はあなたみたいに
部屋の片付けとか得意じゃないし
お金の管理も苦手だし

私はあなたみたいに
素直じゃなくて
プライド高杉くんだし

普通の女の子みたいに
お化粧もしないし
フェミニンじゃないし

あなたみたいに
自分が酔って言ったことも
次の日には、忘れられる程
沢山お酒が飲めないし

あなたみたいに
友達の家でお風呂借りるのに
みんなの前で恥ずかしげもなく
パンツ一枚になるような
オープンな

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【詩】花束を野に放て

【詩】花束を野に放て

忘れたいけど忘れたくない

コップの水みたいに
毎日ゆれる私の気持ち

他人の目線ばかり
あなたの目線ばかり
気にしているのかもしれないね

カードの表と裏みたいに
毎日変わる私の気持ち
自分の気持ちが
裏目に出たらどうしよう

そんなことばかり気にして
生きてきたのかもしれないね

白黒はっきりさせなくちゃ
0か100かで考えなくちゃ
こうあるべきを大事にしなくちゃ
そんな風に生きてきたのに

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【詩】風船の気持ち

【詩】風船の気持ち

私は同じ人間同士で
あなたと向き合えていたのかな
あなたが、私をどう思うかじゃなく
私は私の人生をどう生きたいか
考えれていたのかな

ずっと他人の目ばかり気にして
自分を抑え込んで
パンパンに膨らんだ風船みたいに
負の感情を溜め込んで

君がギター弾く為に整えた爪で
軽くつつかれただけで
パンッって割れて
中身を溢れさせて
いたんじゃないかな

ずっと感情押し殺して
我慢して
嫌なこ

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【詩】To respect

【詩】To respect

どんなに手紙書いても
君には分かって貰えない

なんで君ばっかり
好きなことやって
なんで君ばっかり
家族にめぐまれて

なんで君ばっかり
人気あって
信頼されて
なんで私ばっかり
大変なの?

私は人一倍
頑張ってるのに
なんで批判ばかり
されるの?
人から敬遠されるの?

どうせ私なんか
君に比べたらね

そうやって嫉妬し続けて
自分を卑下して
目の前の幸せを
無視してきた

そのままの自分じ

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【詩】悲しみの糸巻きを止めて

【詩】悲しみの糸巻きを止めて

あなたが運命の人かなんて
分からない
あなたが私をどう思ってるか
なんて分からない

でも、あなたを悲しませると
悲しくて心が折れそうになる

過剰な防衛反応で
あなたを失ったことが
関係を壊したことが
あなたと同じ人間同士で
あれなかったことが
自分を大切にできなかったことが
悲しくて前に進めない

あなたがいなきゃ生きていけない
私ではないはずなのに
もう1人でも大丈夫なはずなのに
心が空っ

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【詩】湯上がり玉子

【詩】湯上がり玉子

仲間と夜通し過ごした後の温泉
待たせるのが心配で
恩着せがましく
急ぎ出た湯上がり

後からのんびり出てくる君
「この人には私のペースで大丈夫」
ホッとした瞬間

束の間の幸せ
消えない不安に
のみ込まれる心

君が酔って鼻の下伸ばした
女の子と同じじゃないと
きっと愛されない

誰よりも近くにいないと
きっと愛されない

大丈夫だと分かっていても
募る焦りと過剰な期待
伝えられた愛情
信じられ

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【詩】春にして君を離れ

【詩】春にして君を離れ

仕事帰りのバス
セーラー服脱いだばかりの
女の子たち
せつない気持ち 友に語る

思い出す
君との関係
もう大人な筈なのに
君の才能と境遇に嫉妬する
幼い私

重すぎる期待背負わせず
自分の足で立ち
共に歩きたかったのに

どうにもならない現実と
せつなさにつける薬もない

それでもまだ生きていけるなら
人を信じて傷つくことを
恐れない勇気を
松明に灯して生きていきたい

バスを降りて
先を歩く

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【詩】つみびとの灯火

【詩】つみびとの灯火

君への後悔で
柄にもなく
占いなんかやっちゃって
また神様に叱られた

見捨てられ不安と不信感で
関係を壊した上に
君の気持ちを知りたいなんて
「不届き者の罪人に等しい」
ということらしい

最もな話だ
僕は疲れる度に 面倒が嫌で
神様の意思に反する
嘘を重ねてきた

だけど 歌うたいの友達は
占いにハマる暇があるなら
僕に全てを焼き尽くす炎を
消す力があることを
君に伝えるべきだと言うんだ

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【詩】酔拳の夜は明けて

【詩】酔拳の夜は明けて

酔拳ばりに
酔ってギター振り回して
歌ったあと
ヘベレケで女の子に囲まれて
「幸せやわあ」と呟いて
俯いた女の子に
声をかけ続けたからって
誰も君を捕まえたりはしないさ

だって、もう既に君は
謝ったじゃないか
充分反省したじゃないか

言葉を押し付け過ぎた君との最後の夜
お酒と傷つきストレスで
らしくない虚像を演じる君が
酷い男どもとダブって見えて
巡査に通告すると言っただけさ

それでもまだ君

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【詩】リラックマの休息

【詩】リラックマの休息

リラックマの着ぐるみを着て
オザケンを聴きながら
ぐっすり眠り
失恋の傷を癒やすことで
僕から逃げた君を解放してあげたい

人知れず茨の森を全力で
駆け抜けた僕の休息なら
それができるかな

男の欲望は微笑ましく受け流されるのに
月の怒りや悲しみは恐れられるのは嫌

だから、力士の如く
大らかで包容力のある
人間になりたい

今更信じて貰えない
だろうけど
愛おしい存在がいるから