見出し画像

より良いキャリアを築く「働く場」の選択(5)~どのような「場(職場)」で仕事をする?~

前回は、働く場としての業界、企業、雇用等について紹介しました。

https://note.com/nac750192/n/n19e423ffc1f4

今回は「入社後どのような職場(部門)に配属され、仕事をすることになるか」といった観点での分類について紹介します。
ここではNo.10の記事で定義した企業分類のうち、実業企業系、実業支援企業系と、実業を持ちつつ支援もする企業系(以降、プラットフォーマ系と呼ぶ)の3事業について紹介しています。


1.想定配属先の分類

一般的な企業では社内での位置付けとして、大きく2つの部門分類があります。それは、「稼ぐための部門」か、「稼ぐ仕事を管理、支援する部門」かということです。

1.1 直接部門(現場部門)「稼ぐための部門」
・企業において、ビジネス(稼ぐ世界)を実践する部門。企業経営を直接支える部門であり、現業(製造・販売現場)部門とも言う。
・実業企業においては、「本流」と表現をされることも。(間接部門<直接部門という意識)

1.2 間接部門(管理部門、後方部門(バックオフィス系)と言うことも)「稼ぐ仕事を管理、支援する部門」
・企業において、ビジネス(稼ぐ世界)を実践している部門を、有形、無形(間接的)に支える部門。
・経営マネジメント面(業績、内部統制、広報、企画・研究、マーケティング等)で、企業運営を支える部門。
・業務、事務処理面 (総務、経理、会計、人事等)で、各部門運営を支える部門。

2.職場(配属)部門の概要

一般的な配属先部門の役割と位置付けを紹介します。最近は職種別募集も多いので、会社説明会や面接などの際に、その内容・職務範囲などについて、よく確認することが重要です。

2.1 実業企業
実業企業における一般的な部門やその位置付け、採用基準などについて示します。(図1)

図1:実業企業

■システム関連部門の現況
現在、大企業の多くが「情報システム部門」の在り方を見直しています。特に技術進歩が著しいことや、システム部門要員のキャリアパス作りの難しさなどから、子会社化(分社化)する傾向にあります。
また、子会社化された企業は、自社グループのシステム開発だけでなく、グループ以外に「外販」する傾向もでています。所謂、システム部門のプロフィット化(間接部門からの脱却)ということです。
更に、自社内の人材・ノウハウだけでの維持、拡大の難しさは否めず、ITベンダー等との共同会社化ということも始まっています。(双方の専門性を活かした取り組み)  

■情報システム部門の在り方
情報システム部門の在り方は、企業によって異なります。以下のような形態での運用が、一般的に取られています。

(1)インソース型
・社内の一部門として位置づけられている形態。
・組織内で、「企画・開発・保守・運用」といった組織(部・課)に分けられている場合が多い。

(2)子会社/社内情報システム部門共存型
・ものつくり(開発)の部分のみを子会社化する形態。
・システムコストの明確化、見える化が狙い。
・社内 :企画、予算などの統制機能。
・子会社:開発・運用・保守中心。

(3)完全子会社型
・基本的な「全てのシステム機能」を子会社化する形態。
・社内 :事業企画(方向性のみ統制)、予算統制など。
・子会社:システム企画から開発・運用・保守まで一貫対応。
・システム要員のキャリアパス担保、外販でのプロフィット化推進が狙い。

(4)ITベンダー(パートナー企業)との共同会社化
・完全子会社化に加え、パートナー企業の専門性を活かした共同会社運営形態。
・形態1:IT部門要員を、パートナー企業に全面移管。(出向・転籍)
・形態2:IT部門を中心に、パートナー企業と合弁会社を起業。(パートナー企業の出資比率を51%以上とするケースが一般的)

2.2実業支援企業
実業支援企業における、一般的な部門やその位置づけ、採用基準などについて示します。(図2)

図2:実業支援企業

■支援領域(対象範囲)について
従来の中心的な対象範囲(要件に基づくシステム開発)での支援はもとより、より顧客経営にコミットする領域での支援強化が求められている。(「コンサルティング型」支援)
・ビッグデータの利活用が現実化したことにより、データサイエンティスト(Data Scientist)スキルや、キュレーター(Curator)、BP(Business Producer)的支援役割が求められている。(情報解析、分析力)
・ITベンダーに限らず、支援先企業との「共同会社化」推進のための専任部隊を持つケースが増えている。

■ITベンダー系企業とコンサルファーム系企業の取り組み

(1)ITベンダー系企業(電機)
・大手の多くは、工場系を含め、物流、コールセンター、保守サービス系業務などを「関係会社や提携先での運営」に切り替えている傾向にある。
・ソフトベンダー系は、組織として工場・物流などは持たない場合が多い。(委託)
・ITベンダーでは、「コンサルティング力」の拡充を図っている。

(2)コンサルファーム系企業
これまでの直接部門の構成例を示します。(図3)
昨今、上流(構想、企画、要件分析等)だけでなく「下流(システム開発)」までの全体フォローを要請されることが多くなっており、対応力の拡充を図っています。(図2の情報システム部門の要員)

図3:コンサルファーム系企業

2.3 プラットフォーマ系(実業+実業支援)企業
プラットフォーマ系企業における、一般的な部門やその位置付け、採用基準などについて示します。(図4)

図4:プラットフォーマ系企業

■プラットフォームビジネスの主な役割

(1)システム部門・技術支援部門・営業/サービス企画・マーケティング部門
・プラットフォームの設計から構築、運用・保守
・補完プレーヤー、ユーザーの開拓・提案・支援
・プラットフォーム上のサービスの創。(自社向け、補完プレーヤー向け、ユーザ向け)   
・新しい技術の開拓、研究、適用
・蓄積した情報の活用(データサイエンティスト)
・分析した情報の提供・流布(エバンジェリスト)  等

(2)提供システム機能(クラウドサービス)
・検索・マッチング機能  
・情報媒介
・信頼性に加え、短期でのサービス提供 
・関連サービス(決済・物流等)     等


以上、どのような「職場・職種」があるかといった観点で紹介しました。

今や、あらゆる部門(職場)で「IT(システム)利活用」が求められています。よって、どのような部門に配属されたとしても、自身の「IT技術、ノウハウ」をどのように活かすか、自身、自部門の生産性を如何に高めるかについて取り組んで欲しいと思います。

文系だから「営業系、事務職系」、理系だから「システム系」といった採用選択の考え方は、今や無くなっていると言えますので、自ら職種を狭めることなく、視野を広げた選択を心掛けるようにして下さい。

次回は、どのような「場(業界)」があるのかといった観点での分類について紹介したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?