すみれ

ただ書くのが好きな私の記録。

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記事一覧

ゆっくり踊ろう

この世界は幸せだろうか この窓から見える景色は永遠だろうか 物騒な世の中で穏やかな午後の光さえ澱んで見えるけど 夢をみることをやめずに進むしかなくて たった1人の…

すみれ
3か月前
2

人生の折り返し

今月でついに40歳になった。 40歳ってすごい大人だと思っていた小さな頃の私。なってみるとなんだかこそばゆい感じがすると共に、やっぱりすごく大人な年齢だなと思う。実…

すみれ
6か月前
11

人生のパズルピース

来週から夫が会社の研修旅行で海外へ行く。そして来月は友達の結婚式で東北まで。どちらも行っても大丈夫かな?と息子がいるからかお伺いがあった。 私はもちろんどちら…

すみれ
7か月前
7

君がこの世界に生まれた日のこと

41週目4日、分娩時間32時間。 母子手帳に記された記録を見て笑いが出た。私のお産体験は想像以上に過酷なものだった。今振り返っても軽いトラウマレベルだ。お産は交通事…

すみれ
7か月前
6

臨月と故郷の景色

里帰りをしてからちょうど1ヶ月。妊婦生活も後半、臨月に突入している。逆子に悩まされていたが臨月に入ってするっと下を向いてくれた。ちょうど仕事も終えて重荷が下りた…

すみれ
11か月前
9

いるべき場所

妊娠中にも関わらず、昨年から始めた新しい仕事がなかなかチャレンジングなことだらけで最近はストレスも多い。 やりたい仕事と言えばそうだ。ずっとこだわり続けたクリエ…

すみれ
1年前
5

君との時間

今日で妊娠20週を迎えた。いわゆる折り返しらしい。 春に宿った小さな君は、順調に育っている。悪阻という修行のような日々を約1ヶ月過ごし、マイナートラブルに見舞われ…

すみれ
1年前
4

イロトリドリの春に

あの日は3月にしては初夏のような暑さだった。家からクリニックまで通う道で少し汗ばんだ。 その3日前、私はトイレで二度見をした。生理予定日から2日経ってもこなかった…

すみれ
1年前
6

家族の在り方

30代最後の年になった。結婚2年目。 私たちは今、不妊治療へとページを進めている。 妊活を始めた去年の春。結婚式を終えて、新しい土地で最初は気負いせず自然に任せた…

すみれ
1年前
9

深呼吸して空を吸い込む

いくつもの時間がたくさん流れて、いくつもの街の景色を見ながら新たな場所にたどり着いた。 育った家族は少しずつ老いを重ねていき、いつまでもたくましいと思っていた祖…

すみれ
1年前
11

満月の夜に飛び立って

満月の夜に飛び立つ夜空には まだ見ぬ物語のはじまりに向かう鳥になる 人生は驚きと選択に彩られ 不思議な縁を纏い 私にはまた新たな物語が与えられた 他人が出会い家族…

すみれ
2年前
3

明日がくることは

先週、仕事でお世話になっていた方が亡くなったと連絡があった。 東京に出てきてお手伝いでしていたお仕事で出会った人だった。 今年41歳になる男性(独身)で、背が高く…

すみれ
2年前
21

パノラマの町

その日も暑い日だった。もうそろそろ決めたいとやってきた内見の家。 玄関を開けて入った瞬間、いいなと感じて、部屋へ進むと開放感のあるベランダからの景色に決心した。 …

すみれ
2年前
12

記録される世界

今朝、通勤途中の風景。 マンションから出てきた若いカップル。彼女は出てきてごみ捨てに行く。彼氏は少し前でその様子を携帯に収めていた。それに気づいた彼女は嬉しそう…

すみれ
2年前
19

旅するように生きようか

赤いチューリップを買って飾った。2輪、鮮やかに窓際を彩ってくれる。南向きの部屋に越して、眺めの良い窓からの景色。小さな四角から大きな四角になり、心もなんだか広く…

すみれ
2年前
11

私と夫、夫婦のこと

2022年がはじまった。夫婦として迎える初めての新年は楽しく穏やかで幸せな時間だった。さて、どんな1年になるだろう。 そんな新年に私と夫のことを書きたくなったので書…

すみれ
2年前
47
ゆっくり踊ろう

ゆっくり踊ろう

この世界は幸せだろうか
この窓から見える景色は永遠だろうか

物騒な世の中で穏やかな午後の光さえ澱んで見えるけど

夢をみることをやめずに進むしかなくて

たった1人の味方と私を形成してくれた愛の塊たちを

ただただ抱きしめて生きていきたい

ゆっくり踊ろう
闇を裂きながら
ゆらゆらと

大きな何かを変える力はないけれど
大切なものを守る勇気だけは持っていたい

ゆっくり踊ろう
ゆっくり眠ろう

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人生の折り返し

人生の折り返し

今月でついに40歳になった。

40歳ってすごい大人だと思っていた小さな頃の私。なってみるとなんだかこそばゆい感じがすると共に、やっぱりすごく大人な年齢だなと思う。実際にそうなのだけど。

人生100年時代と言われるけれど、長生きできたとしても好きなことを不自由なく健康でと考えると80歳ぐらいまでが妥当ではなかろうかと思うところがある。そうなると40歳は人生の折り返しのような気がするのだ。80歳ま

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人生のパズルピース

来週から夫が会社の研修旅行で海外へ行く。そして来月は友達の結婚式で東北まで。どちらも行っても大丈夫かな?と息子がいるからかお伺いがあった。

私はもちろんどちらも行っていいよと返答。会社の研修旅行は給料から天引きで積立をしていて数年に一度行われる行事ごと。これで息子が生まれたばかりで小さいので行けない!なんてことはむしろあってはならない。いつも思うのが、逆の立場なら?ということで、私もその立場な

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君がこの世界に生まれた日のこと

君がこの世界に生まれた日のこと

41週目4日、分娩時間32時間。

母子手帳に記された記録を見て笑いが出た。私のお産体験は想像以上に過酷なものだった。今振り返っても軽いトラウマレベルだ。お産は交通事故にあったぐらいのダメージを受ける、男性は死んでしまうレベルの痛み、鼻からスイカなどなどこれまでたくさんのお産の壮絶さは聞いてきたつもりだった。しかしいざ自分の出産を体験すると、母の偉大さ、いや女性の母体のすごさを改めて実感すると共に

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臨月と故郷の景色

臨月と故郷の景色

里帰りをしてからちょうど1ヶ月。妊婦生活も後半、臨月に突入している。逆子に悩まされていたが臨月に入ってするっと下を向いてくれた。ちょうど仕事も終えて重荷が下りたのもあったのかな。

そんな私が子供を身ごもりまた地元で生活をするのは6年ぶり。もちろん時々は帰省していたけど、また長期で滞在するのは久々なのだ。母の手料理を満喫しながら、相変わらず喧嘩もするがなんだかんだうまくやっている両親と愛犬に癒され

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いるべき場所

いるべき場所

妊娠中にも関わらず、昨年から始めた新しい仕事がなかなかチャレンジングなことだらけで最近はストレスも多い。

やりたい仕事と言えばそうだ。ずっとこだわり続けたクリエイティブな業務であり、やりがいもあることだとは思う。

ただ年齢も年齢になり、そして妊娠して子供を持つという未知の世界に突入することを目前として疑問が湧いてきている。

自分の本当にやりたいこと。自分の本当の姿や、自分なりに感じる素質のこ

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君との時間

君との時間

今日で妊娠20週を迎えた。いわゆる折り返しらしい。

春に宿った小さな君は、順調に育っている。悪阻という修行のような日々を約1ヶ月過ごし、マイナートラブルに見舞われながらも、数週間に一度の健診で君の姿を見る度に励まされ、自分の体の中に宿る小さな命の不思議を感じられずにはいられなかった。

約20週も一緒にいてもなお、まだ本当に君はここにいるのか?なんて思う日もある。日々は穏やかに、時に乱れながら、

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イロトリドリの春に

イロトリドリの春に

あの日は3月にしては初夏のような暑さだった。家からクリニックまで通う道で少し汗ばんだ。

その3日前、私はトイレで二度見をした。生理予定日から2日経ってもこなかった生理。いつもぴったりに生理がくる私は少し早いけどフライングをした。なんとそこで出てきたのがくっきり2本線だったのだ。

さらにさかのぼること約1ヵ月前。通っていたクリニックで久々に受診をした日、急遽、人工授精を行うことにした。半分ダメ元

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家族の在り方

家族の在り方

30代最後の年になった。結婚2年目。

私たちは今、不妊治療へとページを進めている。

妊活を始めた去年の春。結婚式を終えて、新しい土地で最初は気負いせず自然に任せた。それから数カ月、クリニックに通う中で、私達は現実をつきつけられた。

”男性不妊”

クリニックに通うとやはり原因を追究していく。その中で直面したのは、高齢である私のホルモン値が少し悪いぐらい(それ以外は特に問題なし)と夫と精子が少

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深呼吸して空を吸い込む

深呼吸して空を吸い込む

いくつもの時間がたくさん流れて、いくつもの街の景色を見ながら新たな場所にたどり着いた。

育った家族は少しずつ老いを重ねていき、いつまでもたくましいと思っていた祖父母も弱っていく姿を少しずつ目にしていく。

隣では新たな家族である夫が変わらずにいてくれて、その絆は温かく深く、少しずつ2人でひとつになっている。家族計画なんて思い描いた通りに進まないけれど、きっと2人で生きるか、もう1人か2人一緒に生

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満月の夜に飛び立って

満月の夜に飛び立って

満月の夜に飛び立つ夜空には
まだ見ぬ物語のはじまりに向かう鳥になる

人生は驚きと選択に彩られ
不思議な縁を纏い
私にはまた新たな物語が与えられた

他人が出会い家族になる不可思議な法則の下
まばゆい細かな星空に抱かれて
私はまた新たな夜を超えて行く

逆さまのカシオペア座に微笑んで
私を形成してきた全ての物を抱きしめて
私はまた歩いていく

満ちていくように
また新しく生まれ変わるように
月の満

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明日がくることは

明日がくることは

先週、仕事でお世話になっていた方が亡くなったと連絡があった。

東京に出てきてお手伝いでしていたお仕事で出会った人だった。
今年41歳になる男性(独身)で、背が高くイケメンなお兄さん的な存在に。プライベートでは共通の友達と数回飲んだことがあるぐらいでほとんど仕事上での絡みだった。

当たり前だけど仕事は真面目で頼りになり、老若男女問わず誰にでも平等に接して、気さくで本当に優しい人だった。

私が仕

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パノラマの町

パノラマの町

その日も暑い日だった。もうそろそろ決めたいとやってきた内見の家。
玄関を開けて入った瞬間、いいなと感じて、部屋へ進むと開放感のあるベランダからの景色に決心した。

「私、ここがいい。」

そう彼にメールしてその日に決めた。

夏の暑い日に2人で引っ越しをした。

南側のベランダからは遠くに富士山が見えた。向かい側には一駅先のまばゆいタワーマンションがそびえ立つ。見下ろす住宅街はどこか平和的だった。

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記録される世界

記録される世界

今朝、通勤途中の風景。

マンションから出てきた若いカップル。彼女は出てきてごみ捨てに行く。彼氏は少し前でその様子を携帯に収めていた。それに気づいた彼女は嬉しそうにおどけた様子を見せた。

きっとインスタグラムかTikTokにアップするのかな。なんてほほえましく見た。

そう、今はすべてが記録される世界。

約10年前からスマートフォンが普及し、記録媒体は大幅に増えた。そのツールはバラエティーに飛

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旅するように生きようか

旅するように生きようか

赤いチューリップを買って飾った。2輪、鮮やかに窓際を彩ってくれる。南向きの部屋に越して、眺めの良い窓からの景色。小さな四角から大きな四角になり、心もなんだか広く感じるようになった。

世界はまた混沌とした欲望と正義の間で揺れ動いている。私の住むこの国は平和だろうか。この瞬間、この時間の向こう側には考えられない世界が広がっていたとしても。私は平和と言えるだろうか。

…なんて大げさに考えても、日々の

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私と夫、夫婦のこと

私と夫、夫婦のこと

2022年がはじまった。夫婦として迎える初めての新年は楽しく穏やかで幸せな時間だった。さて、どんな1年になるだろう。

そんな新年に私と夫のことを書きたくなったので書いてみる。

私と夫は3歳差で夫が年下。夫はしばしば姉さん女房と言うが、その通りだなと思うことも多々ある。

夫は建築士。一級建築士として設計事務所に勤めている。国立大学、大学院を卒業後に入社した会社一本でここまで頑張っている。夫を見

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