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私と夫、夫婦のこと

2022年がはじまった。夫婦として迎える初めての新年は楽しく穏やかで幸せな時間だった。さて、どんな1年になるだろう。

そんな新年に私と夫のことを書きたくなったので書いてみる。

私と夫は3歳差で夫が年下。夫はしばしば姉さん女房と言うが、その通りだなと思うことも多々ある。

夫は建築士。一級建築士として設計事務所に勤めている。国立大学、大学院を卒業後に入社した会社一本でここまで頑張っている。夫を見ているとつくづくこの建築士という仕事に向いているというか、単純に好きなんだろうなと思う。とにかく集中力があって勉強家。難関と言われる一級建築士の試験も一発合格だったのもうなずける。

私はデザイン専門学校を卒業後、ずっとメーカーに勤めておりモノづくり、いわば製品企画デザインやプロデュースに携わっている。数年前よりインテリア建築業界のメーカーに勤めたことをきっかけに夫の業界にも近くなった。その流れもあり昨年インテリアコーディネーターの資格取得した。業界で働いていたこともあり、通信で約半年少し勉強して一発合格できたのはコロナ禍で時間があったからにせよ、大人になって新たに自信につながったひとつだ。

夫と出会う前から建築業界でいたので建築士さんと仕事をすることは多々あったのだが、夫と出会った時、縁がある業界なのかななんて思ったりした。確かに最初のメーカーから建築関連のメーカーに飛び込んでから、興味は増したし知る事も楽しかった。大きなモノづくりに携われるということも。

夫を見ていてもそうなのだけど、建築士さんて不思議だなと思うこともある。仕事内容的には設計をして図面を引く、いわば理系だとばかり思っていた。だけど理系の思考だけではなく、相手に伝えるコミュニケーション能力、そしてそれを分かりやすく説明する画や文章作りであったりと文系や芸術肌要素も多く必要な職業だなと思うのだ。いわゆる相反する思考が存在しているような…どっちがメイン?と思うほど。それは夫にも話すと確かにと言っていた。特に意匠設計においてはかも知れないが。(構造設計士はもっと理系一本という感じだろうか?)

私は建材メーカーという立場から有名な大手設計事務所の一級建築士さんやフリーランスで独自で活躍している建築士さんと様々な建築士さんに出会う。これがまた人それぞれで面白い。とあるセミナーの打ち上げパーティーの場にてどちらも有名な物件を手掛けており今後の建築業界を牽引する存在の人がいた。かたや組織設計の大手にて正統派な物件、かたや型破りな破天荒な物件を手掛ける対照的な2人。そんな2人が話している間に入りなぜか一緒に談笑する機会があったのだけど、今でもその2人の対比が濃すぎて印象的で忘れられなかった。それぞれの定義があり、それぞれの建築がありお互いの異なる部分を半分羨ましそうに、半分はそれはないなと思っているような節もあったりでとても面白かった。

と、少し話がそれてしまったけれど…
夫は今大きなプロジェクトに入っているがやはり苦労はそれに伴い大きくなっている模様だ。そう、建築士の夫というと時々、家を作れていいねとか少し羨ましがられることもある。確かに国家資格であり職に困ることはないだろうという点はあるだろう。でも実際、そんな余裕はないのが現実だ。30代で組織設計でいれば働き盛り真っ最中でとにかく仕事の日々。毎晩帰宅は遅い。地方の物件を持っていれば毎週現場へ出張。納期があったりすれば土日も当たり前に仕事である。夫いわく、終わりのない仕事でもあると言っていたがその通り。やろうと思えばどこもやれるのだ。どこで終わりの線を引くかは自分次第なところもあるだろう。モノづくりにおいては共通することかな。

あと夫は個人であったり同じ業界の友人とコンペに応募したりと個人活動にも時間があれば取り組んでいる。私はこの部分にすごく尊敬の念を抱くし、あまり言葉にしたり感情を出さない人だけど内心はきっと野心や夢があるんだろうなと感じるのだ。

自分のやりたいことを仕事としてやれることはとても幸せなことだ。望んでもできないことの方が多い。その点は私も同じなのだが、何かこれという1本がある人は昔から男女問わず好きなので、夫に惹かれたのもこれが大きかったかも知れないなと感じる。

2人での生活は日々穏やかである。30代で結婚した特権かも知れないが、お互いが自立していることが生活の水準を安定させているように思う。もちろん2人で夫婦でと考えることもあるし、それは幸せなことだとも思う。だけどいかなる時も「自分の人生」を大事にして欲しい。まずは「自分」で良い。自分の人生を大事にして2人の人生を大事にして欲しいし、私もそうでありたいのだ。

そしてそんな自立した2人である前提でちゃんと話ができる人であることは夫も私も重要視していたのでそこも一致していてよかった。物事の考え方、仕事のこと、家族のこと、そして未来のこと。誰かと生きていくためには建設的にちゃんと話し合えることは大事。これもお互いの職業柄もあるけれど、いきあたりばったりだったり、あれこれ気分で物を言うということは大事な場面では本当に少ない2人だ。もちろんささいなことで子供っぽいこと言ったり、お互いにあきれることもあるかも知れないけど。それは大きなことではないのだ。

そして夫の仕事を近くで見てわくわくできること。夫もまた私の仕事を理解し応援してくれること。これもまた理解あるパートナーとして心強いことだ。

妻として夫として夫婦になった2人。お互いより豊かな人生にするために、そして分かり合うために。安心感というのはたくさん言葉を交わすことで得られる。信頼感はその人の考えを知り深まっていく。愛情は日々の行動で伝わる。

私は夫と結婚して良かったと心から思っている。もちろん今は新婚なのでそう想えるのは当たり前かも知れないけれど。この先の未来のことは考えても仕方ないので、今の自分が素直にそう言えることを幸せに思う。



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