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記事一覧
『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』の内容について
同書を読んだので内容を自分なりにまとめてみる。
まずアメリカにおいて、未成年の性別違和感の診断について、いいかげんな診断が行われ、それに沿った手術も行われる、という問題自体はあるのだろう。一方で、本書のそうした危険についての紹介の妥当さは、控えめに言って懸念が残る。
未成年で、自分がトランスジェンダーではないかと悩む人の内、勘違いであるものも当然、あるだろう。一方で、勘違いでない人もいるだろう
「トランスジェンダーになりたい少女達」について、再び
本の危険性と切り分けについてさて、先日noteに書いた『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』は、KADOKAWAからの出版が取りやめになった後、『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』として、産経新聞出版から発売された。
上記で私が書いた問題点について、「どんな本にも良いところも悪いところもある」「特定の立場から書かれる本が
「護衛艦『いずも』をドローンで撮影した」とされる映像によって示された本邦の安全保障における「新たなリスク」
はじめに2024年3月29日に、Webサイト「X」において、海上自衛隊 横須賀基地に停泊する護衛艦「いずも」をドローンから撮影したとされる映像が公開されました。また、この映像は2024年3月26日に、Webサイト「bilibili」で公開されたようながら、現在では視聴できなくなっています。
Webサイト「X」では、この映像をもとに「自衛隊施設のドローン対策」について活発な議論が交わされています。
「傍聴ブロック」スクープの背景には記者たちの「見えざる連携」があった!尾行して取材した記者の知られざるエピソード
5月23日に『裁判の「傍聴ブロック」を教育委員会が組織的にやっていた!わいせつ教員事件裁判の裏で行われた工作を暴いた執念の取材』というタイトルの記事を配信しました。
しかしその後、指摘を受けて調べたところ、東京新聞ではなく、共同通信のスクープであることがわかりました。ただ、それでも東京新聞の記者の取材はその価値が決して色あせるようなものではなく、熱意と執念で取材した記者たちの「見えざる連携」とも
私が入管を信じられない理由 その1
入管法改悪案が成立してしまいました。入管に裁量を委ねる内容です。
送還停止効の例外規定「相当の理由のある資料」や、収容に代わる監理措置の判断、監理人の報告義務を課すかどうかの判断、在留特別許可の考慮要素を13個も挙げて「その他の事情」を考慮できるとしたところなど、運用次第では現状維持あるいは良くなることもあり得るのですが、司法修習生のころから数えると30年以上も信じられないところを見てきたので、
退去強制手続に入ってから難民申請するのはむしろ当たり前のこと
「退去強制手続に入ってから難民申請するケースも多く」?
こちらの動画でも紹介されている「退去強制手続に入ってから難民申請するケースも多く」という、難民審査参与員の発言、出入国在留管理庁2023年2月公表の「現行入管法の課題」でも紹介されていますが、むしろ、これは当たり前のことです。
本国における迫害を逃れて庇護を求める方々の目的は、安全な生活をすることです。難民認定されるのは、その手段のひとつに
ミニ論文を書いてみよう
こんにちは、あるいは、こんばんは。
文系大学院生のアーニャます。
今回は、私が学部生におすすめする「ミニ論文」についてお話してみたいと思います。
これは、学部生の早い段階で「大学院への進学」や「研究やってみたい」と思い始めた学部生や場合によっては高校生の方々に、試してみてほしいものです。
個人的に思うのは、本を読んだり論文を読む「勉強」だけではなくて、一次資料や歴史史料、データを読み込
穂積重遠博士の帝人事件弁論
NHK朝ドラ「虎に翼」で、主人公猪爪寅子の父直言が連座した大疑獄事件「共亜事件」。直言の弁護を引き受ける弁護士がなかなか見つからない中、寅子の恩師穂高先生が自分が弁護人になろうと名乗りをあげてくださったことに感激した方も多数いらっしゃることと思います。
穂高先生のモデルである穂積重遠博士も、民法がご専門でありながら、共亜事件のモデルである(と思われる)帝人事件で、これに連なって起訴された友人、大
他分野からみた法学の強さ:経済学分野
筆者
日本大学教授〔雑誌掲載時〕 安藤至大(あんどう・むねとも)
私は労働経済学を専門としている。当初はうまく機能する契約や組織のデザインを研究対象としていたものの、次第に働き方に関する法制度設計に興味を持つようになり、労働法の勉強が避けられなくなった。現行法がわかっていなければ政策についての議論に参加できないからだ。
そこで政府の会議や研究会等に参加すると同時に労働法の定番教科書を読ん
他分野からみた法学の強さ:司法・犯罪心理学分野――法学専攻の人たちとの関わりから
筆者
大阪大学教授〔雑誌掲載時〕 藤岡淳子(ふじおか・じゅんこ)
筆者の専門は「司法・犯罪心理学」なので、法学が専門の方々と知り合ったり、一緒に仕事をさせてもらうことが多い。キャリアの前半は、法務省矯正局で、主に心理・教育の職務に携わり、後半は大学で心理学を教える傍ら、性加害・性被害に関わる治療的教育やサポートを行う一般社団法人「もふもふネット」の代表理事として、性犯罪者たちの回復を支援する