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東京生まれ、ほぼ東京育ち。早稲田大学卒。1994年弁護士登録。2009年から代々木上原…

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東京生まれ、ほぼ東京育ち。早稲田大学卒。1994年弁護士登録。2009年から代々木上原で法律事務所経営 http://milestone-law.com/ Photo by Kanako Baba

最近の記事

入管収容施設を視察する入国者収容所等視察委員会の「視察の手引き」は、視察される出入国在留管理庁が作っていました

入国者収容所等視察委員会は、2009年法改正で設立されたもので、「入国者収容所等の適正な運営に資するため、法務省令で定める担当区域内にある入国者収容所等を視察し、その運営に関し、入国者収容所長等に対して意見を述べるものとする。」(入管法55条の10第2項)組織です。 その活動内容は、出入国在留管理庁のサイトで報告されていますが、かなり細かな運用変更に留まります。2022〜2023年の活動はこちら。 例えば、牛久の入管に運動器具の充実を要望したところ、ぶら下がり健康器が設置

    • 監理措置許可後に就労許可受けるには、これから雇ってもらおうとするところが源泉徴収ちゃんとやっていることを証明する書類出してくださいとお願いしないといけない。

      2024年6月10日施行の入管法により、退去強制令書発付前であれば、許可を得て就労することが出来る制度が設けられました(法44条の5)。 この制度について、以下の著書では、このように記しました。 しかし、出入国在留管理庁が法施行に伴って公表したQ&Aでは、以下の書類が必要とされています。 こんな書類です。 これからお世話になろうという会社の社長さん等に、おたくがちゃんと源泉徴収やっているかどうかを示すため必要だからこの書類出してください、なんて言えるわけがないです。最

      • 入国警備官の教練 

        2024年9月19日の入管問題調査会発表の準備で、全難連が情報公開請求で取得してくれた要領などを読んでいるのですが、「職務執行要領」というものがあったので、一部、共有します。 https://note.com/irtf/n/nfe1d2630edd0 42頁に「第5章 教練」という見慣れない言葉が出て来て、そこから この文書、黒塗りの部分もたくさんあるのですが、こんなところを私みたいのがnoteに公開したら、ますます入国警備官のなり手はいなくなると思います。なのに、当局

        • 全件収容主義を否定する昭和30年1月7日外務省文書

          2024年7月6日にこんな投稿をしました。 その末尾に「原文資料は脚注に書いてありました(すみません、その部分のスキャンを忘れました。)。こんど国会図書館で閲覧・謄写してきます。」と書きましたが、ようやく、今日謄写してくることができました。 PDFの5枚目、ページ番号だと383に「出入国管理令第52条第5項において「、、、退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときは、送還可能のときまで、その者を入国者収容所に収容することができる」と、収容をも任意的に規定

        入管収容施設を視察する入国者収容所等視察委員会の「視察の手引き」は、視察される出入国在留管理庁が作っていました

        • 監理措置許可後に就労許可受けるには、これから雇ってもらおうとするところが源泉徴収ちゃんとやっていることを証明する書類出してくださいとお願いしないといけない。

        • 入国警備官の教練 

        • 全件収容主義を否定する昭和30年1月7日外務省文書

          被収容者処遇規則(昭和56年法務省令第59号)は廃止されました

          改定法施行前に入管収容のルールを定めていた被収容者処遇規則(昭和56年法務省令第59号)は、処遇に関する詳細な規定を盛り込んだ改定法の施行に伴い廃止となりました。 令和6年法務省令第37号の5条です。 e-Govの表題部に「廃止」とあり、令和6年法務省令第37号で廃止になったらしきことは分かったのですが、この省令原文を探したところ、なかなかヒットせず。 令和6年5月29日の号外128号に載っていることが分かり、公式サイトから原文当たって30分以上かけてようやく見つかりまし

          被収容者処遇規則(昭和56年法務省令第59号)は廃止されました

          第5回難民・移民フェスに参加してきました

          2024年7月20日、35度超えの中、練馬区の平成つつじ公園で行われた第5回難民・移民フェスに参加してきました。 ステージでお話もさせて頂いたのですが、本来の目的は、前回杉並で行われたときのようなトラブルを未然に防止するための役割。私だけでなく、若手弁護士4名とともに、会場をうろうろして、パトロールしていました。 児玉はこのビブスを着用。2001〜2002に難民支援協会主催の被災地法律紙芝居隊で岩手・宮城の避難所や仮設住宅を回ったときに着用していたものが一つだけ残っていた

          第5回難民・移民フェスに参加してきました

          2001年当時のニュー・ジーランド難民審査実務 インタビューは2〜4時間 異議の決定は半年以内

          今から20年以上前の2001年5月、NZの難民の地位控訴局議長 ロバート・アラン・マッキー氏が東京地裁で丸2日間かけて、難民条約の解釈は求められる公正な手続などについて証言をしました。 今やっている訴訟の証拠として提出しており、次回の書面作成にあたり読み直しているのですが、現在でも十分通用する内容を含んでいます。 国側の反対尋問を読んでいるのですが、改めて驚かされるとともに、これくらいが当たり前だよなと思ったりもします。 ・一次申請のインタビュー時間 NZ 通常2時間

          2001年当時のニュー・ジーランド難民審査実務 インタビューは2〜4時間 異議の決定は半年以内

          1955年には仮放免中でも公然と就労ができていた

          もう一つ。李英美「出入国管理の社会史」129頁の1行目に日韓親和会という団体の集計で、「仮放免後の新たな就職先として、最も多いのも『労務者』106名であった。」とあります。 以下の同じ筆者による論文92頁で、「日韓親和会」は以下のとおり紹介されています。 https://ritsumei.repo.nii.ac.jp/record/13970/files/ks_7_riyongmi.pdf ”日韓親和会(以下、適宜親和会)は、朝鮮戦争のさなか 1952 年 6 月 26

          1955年には仮放免中でも公然と就労ができていた

          全件収容主義を否定する1955年外務省見解

          李英美さんの李英美「出入国管理の社会史」という本を読んでいたら、非常に重要な情報に接しました。 https://www.akashi.co.jp/book/b625458.html 130頁に、1955年の日本側(外務省第三課条約局)の見解として、52条5項の「収容することができる」という文言は、「収容をも任意的に規定している」としていたそうです。 全件収容主義を争った訴訟などでは、39条や52条で「収容することができる」としているのだから、日本語を素直に読めば収容しな

          全件収容主義を否定する1955年外務省見解

          70年前に逆戻りしたかのような永住取消の法改悪

          2024年6月14日、故意に公租公課の支払をしない場合等に永住許可の取消ができるとした入管法改悪案が参議院本会議で可決、成立してしまいました。 たまたま、昭和27(1952)年の国会議事録を読んでいたら、当時審議されていた出入国管理令について、こんな議論がされていたのが目に止まりました。 そう、当時の出入国管理令24条4号ホは次のように定められていました。 昭和56(1981)年には削除 ところが、この条項は、昭和56(1981)年の改正時に削除されています。その理由に

          70年前に逆戻りしたかのような永住取消の法改悪

          送還予定時期の説明がされることになった?

          「送還に関するお知らせ」 昨日の続きです。こちら、やはり同じ友人からいただいたもので、東京出入国在留管理局で入手したものとのこと。 この3つ目に送還予定時期の説明等をすると書いてあります。 法律はもちろん、規則にもそのような規定はありません。新たに退令発付された人について入国警備官が作成することになった「退去のための計画」(法52条の8)の内容につき、パブコメが募集されていた出入国管理及び難民認定法施行規則(案)48条の4第3号で「本邦外に送還することができない原因とな

          送還予定時期の説明がされることになった?

          本日から施行された収容に代わる監理措置 やっぱり従前と同じ 「対象者にとって利益になる措置」ではなかった

          2023年に法律として成立した改定入管法、補完的保護対象者などの一部は2023年12月1日に施行されていましたが、本日2024年6月10日、残りの部分も全面施行となりました。 従来の仮放免より、民間による監視が厳しくなるとして批判の対象だった「収容に代わる監理措置」。本日東京入管に行った友人弁護士が、申請書等を受け取り、シェアしてくれました。以下に保存しておきます。 出入国在留管理庁のサイトにも申請書などはありますが、注意事項は載っておらず、こちらの方が詳しいです。 こ

          本日から施行された収容に代わる監理措置 やっぱり従前と同じ 「対象者にとって利益になる措置」ではなかった

          エルキュール・ポワロもボブ・マーリーも難民だった

          講演で難民のお話をさせて頂くときには、難民支援協会の以下のサイトをご紹介して、イメージを変えていただくようにしているのですが、最近立て続けに、前からよく知っている人が難民だったことを知りました。 その1 エルキュール・ポワロ 1人目はエルキュール・ポワロ。英国舞台の小説でベルギー人が探偵なのに違和感を持ってましたが、ドイツに占領されたベルギーから亡命した難民でした。理由が政治的意見なのか、民族なのか、国籍なのかははっきりしませんが。 クリスティは、実際に近所の教区にいた亡

          エルキュール・ポワロもボブ・マーリーも難民だった

          「長期収容の理由として治安上の考慮を強調することは、日本人の出獄者との扱いとの関連より適当ではない。」とする1955年外務省アジア局第5課作成文書

          李英美さんの「出入国管理の社会史 戦後日本の『境界』管理」という本を読んでいます。 昨日読んだところで、60〜70年前の日本政府は、私自身の考えと同じ見解を取っていたことがわかりました。今より遙かにまともだったのですね。 収容の目的〜在留活動禁止は含まれない 一つ目は、収容の目的についての以下の記述です。  国は収容の目的は、送還確保だけではなく、在留活動の禁止を含むとして、逃亡の危険が無い人や、送還停止効によって送還が法律上できない難民申請者の収容を正当化しようとして

          「長期収容の理由として治安上の考慮を強調することは、日本人の出獄者との扱いとの関連より適当ではない。」とする1955年外務省アジア局第5課作成文書

          112日間入管収容場の中で運動させなかったことを違法とした2002年東京地裁判決とそれを覆した2003年東京高裁判決

          2024年5月17日の入管問題調査会で、改定法により処遇はこう変わる、というお話をさせて頂きました。 その中で、現在の被収容者処遇規則28条では原則毎日とされている戸外運動が、改定法では「日曜日その他法務省令で定める日を除き、」(55条の38)とされたことをお話ししました。そして「その他法務省令で定める日」とは、改定後の出入国管理及び難民認定法施行規則により、土曜日、祝祭日、年末年始(12月29日から1月3日まで)となる見込みです(改定法施行規則50条の19が引用する50条

          112日間入管収容場の中で運動させなかったことを違法とした2002年東京地裁判決とそれを覆した2003年東京高裁判決

          改定入管法施行規則案に対するパブリックコメント

          出入国在留管理局が改定入管法の施行規則案を公表し意見募集を始めました。 意見の提出期限は4月22日0時0分です。 急ぎ、添付+貼り付けの意見を送っておきました(急いでたので誤字のある可能性多)。他にも気づいたら、追加で送ります。 出入国管理及び難民認定法施行規則についての意見 2024年3月25日

          改定入管法施行規則案に対するパブリックコメント