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本日から施行された収容に代わる監理措置 やっぱり従前と同じ 「対象者にとって利益になる措置」ではなかった

2023年に法律として成立した改定入管法、補完的保護対象者などの一部は2023年12月1日に施行されていましたが、本日2024年6月10日、残りの部分も全面施行となりました。

従来の仮放免より、民間による監視が厳しくなるとして批判の対象だった「収容に代わる監理措置」。本日東京入管に行った友人弁護士が、申請書等を受け取り、シェアしてくれました。以下に保存しておきます。


出入国在留管理庁のサイトにも申請書などはありますが、注意事項は載っておらず、こちらの方が詳しいです。

この最後の2枚、「被監理者届出書」ですが、その友人が職員に聞いたところ、以下のとおり説明があったとのこと。

最後の2枚は現在の仮放免期間延長許可申請と同じ役割をするもののフォームで、被監理者は最大3か月以内の期間を区切って出頭することになり、その際に「被監理者届出書」と題するこの書面を自分で書いて提出するのだそうです。

国会審議では、以下のとおり、仮放免と違って監理措置には期限を設けないので外国人にとって利益になると答弁しており、ほんの少しだけ良くなる可能性もあるかと思っていたのですが、やっぱり、違いました。

期限を設けず、法律上規定された取消し事由に該当しない限り収容されない、そういう点で、被収容者、仮放免対象者にとっては立場が安定的になるということで、仮放免に比べて対象者にとって利益になる措置であると考えます。

2023年4月18日の衆法務 西山卓爾出入国在留管理庁次長答弁

期限は設けられなくても、退去強制令書発付前の監理措置は退令発付により自動的に失効します(44条の9第6号)。

退去強制令書発付後は送還実施のために必要な場合は監理措置を取り消すことができます(52条の4第2項1号)。

ですから、「被監理者届出書」を提出するために出頭したタイミングで退去強制令書発付して監理措置を失効させたり、退去強制令書発付後であれば送還に必要だとして監理措置を取り消して収容することが可能となります。

期限を設けないから立場が安定して対象者にとって利益とか言っていましたが、やはり、従来の仮放免における運用とほとんど変わらないことが明らかになりました。

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