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メメント・モリ★3【10冊読むまで帰れま10・7月⑦】薬物と倫理観の間で
「メメント・モリ」原田宗典【評価★3】
※評価は独断と偏見、5段階
高校時代に原田宗典氏の「十九、二十」を読んで以来、全く同氏の本を読んでなかった。そんな中、2013年に薬物所持で逮捕されたという情報を耳にした時、衝撃を受けた。
そんな原田氏が薬物逮捕明けに出したコラム、エッセイ集。「メメント・モリ」は「死を忘れるなかれ」という意味。
コラム、エッセイというのは建前で、よう大麻でキマッた描写
高校時代★3【10冊読むまで帰れま10・7月⑥】何者でもない自分を認めて
「高校時代」三田誠広【評価★3】※評価は独断と偏見、5段階
芥川賞作家・三田誠広の自身の高校時代をモチーフにした小説。何年前かに古本屋で買って以来、本棚で眠っていた。僕は何度も公言しているように、この手の自伝的小説が大好きである。
あらすじは、進学校に入った主人公が自身のアイデンティティに悩み、休学するまでを描く。実際に三田氏も休学している。
あらすじを書いてしまうと非常にあっさりはしている
猛き風に告げよー私説UWF伝★3【10冊読むまで帰れま10・7月⑤】プロレスと心中します!
「猛き風に告げよー私説UWF伝」夢枕獏【評価★3】※評価は独断と偏見、5段階
この一冊は、「ある革命的一冊」の前に読めば、相当興奮する内容になっているのは間違いない。1990年の初版本である。格闘技、プロレス大好きの夢枕獏氏が書いた私説UWF論である。
プロレス論、プロレス報道は、「ある革命的一冊」の前と後ろで、読み方、見え方が全く違ってくる。
その名は、ミスター高橋著「流血の魔術 最強の演
たけしの死ぬための生き方★3【10冊読むまで帰れま10・7月④】これぞ幽体離脱
「たけしの死ぬための生き方」ビートたけし【評価★3】※評価は独断と偏見、5段階
94年に起こしたバイク事故の回顧録と、毒舌コラムがセットになった本で、初版は1997年で20年以上も前。
当然ながらこの本の価値は、ビートたけしがバイク事故を起こしてから、生々しい記述で当時を振り返ることにある。一度死線をまたがなきゃ、書けないことがある。当書の書き出しは、「ヌイグルミ」を例に、自身の体験を語ってい
森見登美彦の京都ぐるぐる案内★2【10冊読むまで帰れま10・7月②】うーむ。。
森見登美彦の京都ぐるぐる案内【評価★2】※評価は独断と偏見、5段階
うーむ、分からない。。森見ワールドというものが。僕は森見登美彦の愛読者ではない。むしろ何度も挑戦してるんだけど、いつも途中で挫折している鬼門の作家。私が大学時代に4年間過ごした京都を舞台にしている作品を多数出されているのだが、人間って相性もあるのね。
森見ワールドの入門書として、京都のガイドブックならばと手に取ってみたが、全く
編集者の時代★3【10冊読むまで帰れま10・7月①】雑誌作りはスポーツだ
「編集者の時代」マガジンハウス編【評価★3】※評価は独断と偏見、5段階
創刊号のPOPEYEの巻末に収録されていた、初代編集長の木滑良久(きなめり・よしひさ)氏の「フロム・エディターズ」というコーナーをまとめて編集されたもの。1号から100号まで収録されている。スタートは1976年6月25日とあり、本巻最後の掲載は1981年3月25日。
なんせ、私が生まれる前に書かれたコラムなのだが、古臭くな
うつ病九段★4【10冊読むまで帰れま10・6月⑩】言葉こそ、うつ病の治療薬
「うつ病九段」先崎学【評価★4】※評価は独断と偏見、5段階
藤井聡太2冠で沸く将棋界、先崎学九段がうつ病で休場し、復帰する前までを描いた話。
そもそも、うつ病に対しての理解がありますか?
僕の職場には幸い、うつ病から復帰した先輩がいたので、何となくの想像はつく。理解ではなくて。
自分は高校時代、将棋部だったので、先崎学九段のイメージをしっかり持っていただけに、話のイメージがしやすかった。
十九、二十★3【10冊読むまで帰れま10・6月⑨】欲しいと思った瞬間に行動せよ
原田宗典「十九、二十」【★3】※評価は独断と偏見、5段階
これまた高校生の時に読んだ本を、本気で再読。
高校の時に読んだ本を再読して、いつも首をひねるのが、当時の高校生のみずみずしい感性だったら、ノー文句で★5なんだけど、今の僕の感性からすると…★3になってしまう。
この現象は思うに、主人公の年齢とも関係してくるという仮説。主人公のウダツの上がらない山崎は20歳になる手前。一方、現在の僕は不惑
冷静と情熱のあいだRosso★2【10冊読むまで帰れま10・6月⑦】女性作家の恋愛小説は…
「冷静と情熱のあいだRosso」江國香織【評価★2】
フィレンツェのドゥオーモで再会しようと10年前に誓った元カレ元カノが悶々とする、イタリアを舞台にした恋愛小説。
辻仁成が描いた元カレ側の視線に対して、江國香織が描いた元カノ側の視線で物語は相互補完される。
1つの恋愛小説を元カレ元カノの両方の目線から組み立てていくという作戦は大成功を収めている。これは間違いない。ただ、組み合わせた作家がど
冷静と情熱のあいだBlu★3【10冊読むまで帰れま10・6月⑥】駄目男とイタリアと
「冷静と情熱のあいだBlu」辻仁成【評価★3】※評価は独断と偏見、5段階
辻仁成が男性側からの視点、江國香織が女性側からの視点で描いた恋愛小説。
フィレンツェのドゥオーモで再会するという10年前の約束を軸に、一度別れた彼氏彼女が、再会できるか悶々とするというストーリー。
仮にこのストーリーが、フィレンツェでの再会ではなく、スカイツリーの頂上での再会だと、どういう風に映るのだろうか。このストー
ララピポ★3【10冊読むまで帰れま10・6月⑤】高級下衆小説という新ジャンル
**「ララピポ」奥田英朗【評価★3】 **※評価は独断と偏見、5段階
奥田英朗は「東京物語」「マドンナ」を読んでいたけど、今回の「ララピポ」は新境地。
下衆小説と言えばいいのだろうか。表紙裏の能書きには「下流文学の白眉!」と書いてある。登場人物の6人はそれぞれが個性的。
対人恐怖症のフリーライター
NOと言えないカラオケボックス店員
AV風俗専門のスカウトマン
デブ専DVD女優のテープリライ