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*読了17冊目*『イーロン・マスク 下』
『イーロン・マスク 下』 ウォルター・アイザックソン著 を読んだ。
とんでもなく面白かった『イーロン・マスク 上』の続きである。
上下巻通して思ったのは、たぶん究極の心配性なんだなということだった。
頭のいい人は物事の突端に触れただけでその全貌を知る。
だから今の人類の様子を見ただけでこの先の地球の行く末を見通してしまって「このままじゃダメだ」と思ったのだろう。
私たちがせいぜい数十年(自分の
*読了14冊目*『放課後ミステリクラブ 1 金魚の泳ぐプール事件』
『放課後ミステリクラブ 1 金魚の泳ぐプール事件』 知念実希人著 を読んだ。
本屋大賞に初めて児童書が選ばれたというので読んでみた。
そうか、本好きを育てるならより早い時期から…ということなんだな。
確かに子供の頃に本を好きになった人は余程のことが無い限り一生読み続けると思う。
私は普段あまりミステリーを読まないので不勉強だったが、作者の知念氏はもともとは大人向けのミステリー小説を書いている人
*読了12冊目*『リカバリー・カバヒコ』
『リカバリー・カバヒコ』 青山美智子著 を読んだ。
公園にある古いカバの乗り物にまつわる都市伝説、それをめぐる短編集。
各章ごとに主人公が違いそれぞれ独立した話になっている。
新築マンション「アドヴァンス・ヒル」の住人たちが、敷地からほど近い公園と、公園の目の前にあるサンライズ・クリーニングを通してゆるーくつながってゆく物語である。
私は特にに第4話「勇哉の足」が好きだ。
タイトルの通りこの
*読了10冊目*『祖母姫、ロンドンへ行く!』
『祖母姫、ロンドンへ行く!』 椹野道流著 を読んだ。
もともと『ハリスおばさんパリへ行く』など、おばちゃんが異国の地で珍道中を繰り広げる系の話が好きである。
しかも今回は80代のおばあちゃんと20代の孫娘という凸凹コンビが繰り広げる旅だというので楽しみに読んだ。
まずこの旅は普通の旅ではない。
超ゴージャス旅である。
飛行機は行きも帰りもファーストクラスで、宿泊しているホテルも最高級、しかもジ
*読了8冊目*『成瀬は天下を取りにいく』
『成瀬は天下を取りにいく』 宮島未奈著 を読んだ。
志が大きいって大切なことだなと思った。
成瀬の掲げた志は「200歳まで生きる」である。
だから毎朝走り込み、丁寧に歯を磨く。
200歳まで生きるためには与えられたリソース(肉体資源)を大切にする。
掲げた夢がドデカイ奴は、大抵身の回りの小さなことに気を取られない。
それはスポーツ選手などもそうだと思うが、日々の練習で友達との仲が疎遠になっても
*読了7冊目*『墨のゆらめき』
三浦しをん著 『墨のゆらめき』 を読んだ。
うん、好きだ、大好きだ!
以上。
旨いものを食べた時と一緒で、本当に好きなものは「うーん、旨い!」しか出てこない。
そんなわけで、今回は主人公の実直なホテルマン・続力(つづきちから)の人に話しかけられやすい性質について非常に共感したので書いてみる。
まず、人に話しかけられやすい人の特徴の描写が見事である。
つまりこれは、作者自身がこういう体質で
*読了2冊目*『光のとこにいてね』
2023年本屋大賞第3位、直木賞候補作、「光のとこにいてね」一穂ミチ著を読んだ。
主役は果遠と結珠というふたりの女の子だが、私が圧倒的に応援したいのは結珠の家庭教師、藤野だった。
なんでこんなにいい男なんだ?
でもこの物語においては、彼がいい人であればあるほど悲しい。
ただの都合のいい登場人物のように思えてしまう。
藤野は小瀧家の不穏さも、結珠と果遠の事情も、全部知ってたくせになんでわざわざ結