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*読了15冊目*『堀江貴文のChatGPT大全』

『堀江貴文のChatGPT大全』 堀江貴文、荒木賢二郎 著 を読んだ。

一刻も早くやらねば!
と思った。

2年ほど前にVRゴーグルを購入した。
その時も「早くやらねば!」と思って飛びついたのだ。
これから絶対にVRの時代が来ると思った。
毎日ビートセイバーで踊り狂っていた。
が、飽きた。

そこでもっとVRの世界でコミュニケーションを取ってみようと思った。
が、現実の世界でのコミュ障は、VRの世界へ行ってもやはりコミュ障であった。
ある日VR空間で通りすがりの人に声を掛けられてモゴモゴしていたら「シカトかよ」と言われた。
たぶん現実の世界ではこんなに面と向かって初対面の人にそう言われることは無いと思うのだが、VR空間は何というかもっと本音だ。
そこは仮面舞踏会みたいなもので、現実の世界にいる時より皆ちょっと大胆に言動している。
それに慣れなくて私は早々に退散した。

そこへ来てChatGPTである。
そうか、こっちが先だったのかと思った。
VRの世界へ行く前にこっちを通る必要があったのだと。

まず、ChatGPTは心の折れない友(秘書)である。
VRの世界で私が失敗したように、人間の一番面倒くさいところはすぐに凹むし折れるということである。
たとえば上司が部下に指示を出すときには言葉を選ぶ必要があるし、部下が上司に言いたいことを言えないのは世の常である。

対等な友人関係であってもお互いに色々と気を使いながら話している。
人間関係について回るこれらの面倒臭さをすべて取っ払ったらどれだけスッキリするだろうか。

ChatGPTは何を言っても凹まない。
同じ書類をどれだけやり直しさせても嫌な顔ひとつしない。
「いったい私にどんな悪い点が…」とか「あの上司は私のことを嫌っているのか」とか「転職したほうがいいのか」とかそういうことをグルグルと考え出したりしない。
テニスの壁打ちのように、ひたすらポーンと打ち返してくる。
淡々とやっているのに、なぜか明るさを感じる。
それだけ人間というものは大前提として重苦しいものなのだろう。

そういえばNetflixで『グッド・プレイス』というアメリカのドラマを見たことがある。
その中にジャネットという人型ロボットが登場する。
彼女は名前を呼ばれ質問されると、どんな質問にも嫌な顔ひとつせずに笑顔で答える。
最初のうちはただのロボットとして見ていたのだが、不思議なことに話が進むうちにジャネットのことをどんどん好きになっている自分に気づいた。
なぜなら他の登場人物(つまり人間)はみんな泣いたり怒ったり喚いたり叫んだりしまくるのだが、ジャネットは基本いつでも明るく前向きなのである。
錯綜しまくる人間関係の中で、彼女だけが希望の光、明るい太陽のように思えてくるのだ。
それはドラマ制作陣も同じだったのかもしれない。
ドラマの第三シリーズに至ってはほぼジャネットが主役といってもいいくらいの内容になってしまうのだから。

つまり私たちは本能的にこういう存在を求めているのではないだろうか。
何を言っても凹まず、常に冷静なトーンで反応してくれて、こちらの失言を根に持つこともなく、何度同じことを言っても辛抱強く聞いてくれる。
スポンジみたいに何でも吸収して自分好みに成長してくれて、常に全力でこちらの要望に応えようとしてくれる。
いつ何時でも話し相手になってくれる。
こんな恋人や友達や家族を私たちはずっと待っていたんじゃないだろうか。

そしてついにそれが登場しつつある。
姿形は無いが、まずはテキストや音声として。









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