*読了7冊目*『墨のゆらめき』
三浦しをん著 『墨のゆらめき』 を読んだ。
うん、好きだ、大好きだ!
以上。
旨いものを食べた時と一緒で、本当に好きなものは「うーん、旨い!」しか出てこない。
そんなわけで、今回は主人公の実直なホテルマン・続力(つづきちから)の人に話しかけられやすい性質について非常に共感したので書いてみる。
まず、人に話しかけられやすい人の特徴の描写が見事である。
つまりこれは、作者自身がこういう体質であるということだろう。
そして私も同じ体質である。
思いつくことを書いてみると、とにかく道を尋ねられる。
自転車をこいでいても前に立ちはだかられて道を尋ねられる。
いや、そこは普通歩いてる人に尋ねるでしょ?と思うが、なぜかわざわざ自転車を止めに来る。
または道の反対側の人がわざわざこちらに走って来て道を尋ねてくる。
いや、そっち側にも人歩いてたよね?と思う。
もしくは向こうから走って来た車が突然私の横にビタづけして停まり、ウィーンと窓が開いたと思ったら道を尋ねてくる。
いやなんか急に車間距離詰められて中に引きずり込まれるかと思ったわ。
観光で海外に行っても現地の人に「この電車は〇〇駅に停まるか?」などと尋ねられるし、なんで駅にこれだけ人がいるのにわざわざ旅行者丸出しの私に聞くのかと思う。
それに私は超ド級の方向音痴だ。
よってほぼ99%まともに答えられた試しがない。
そして次は動物編だ。
まず私は動物がそんなに好きではない。
好きではないというと語弊があるかもしれないが、家でペットを飼っていた経験もないので、どのように彼らと接していいのかわからないのである。
ある日、仕事の帰りに停留所でバスを待っていたら足に何やら冷たい感触を感じて視線を下げた。すると黒い犬が私のスネの辺りに湿った鼻先をピトッとくっつけてじっとしていた。思わず「ひゃ」っという声を飲み込んだ。そのままお互いにまんじりともせずいたが、やがて犬は何事も無かったかのように去って行った。
またマンションの自転車置き場には何十台もの自転車が並んでいるが、いつも私の自転車のカゴに入っている猫がいた。初めて会った日は、自転車を引っ張り出そうとした途端にカゴから何かが飛び出して来たので「ギャア」と思わず叫んだ。
それ以来、自転車に近づくときには遠めにカゴをまず目視するようになった。
モフモフの白い毛がカゴから飛び出ている時は、驚かさないように静かに近づき、お互いに「来ましたよ」「ああ、来たんですね、じゃ出ますわ」と言った感じで持ち場の交換をするようになった。
ニューカレドニアで乗馬体験レッスンをした時のことだ。
私の乗った馬だけがなぜかみんなと反対方向にむかって走り出した。
慌てた教官(いかつい体格をした現地のおじさん)が、「馬になめられてるぞ!馬に主導権を握らせるな!!」的なことを叫んでいたが、どうやっても私の馬は最後まで自由にふるまい続けた。
そして私は「もっと威厳を持て!」など教官に叱られ続けた。
今住んでいる部屋はターミナル駅近くのマンションの17階だ。
だが、バッタにコオロギにてんとう虫、なんだかよく分からない虫たちが入れ替わり立ち代わり現れる。
いったいどうやって地上60メートルの高さまでやってくるのかと思う。
潰すのは恐いのでおそるおそる捕まえてベランダに放す。
が、虫もそんなに得意ではないので出来れば来ないでほしい。
虫といえばとにかく蚊に刺される。
何かのテレビ番組で足が臭い人が蚊に刺されやすいというのを見たので、犬が私の脛に鼻をつけていたこととも考えあわせると、私は臭いのかもしれない。
私本人がいなくとも、自転車にすら猫が住み着くところを見ると、自転車にも私の匂いがしみついているのかもしれない。
そしてやはり人間も、もとはといえば動物なので、その嗅覚で私の匂いを嗅ぎわけているのかもしれない。
自分で自分の匂いはわからないので、臭いのかもしれないがどうにも対策のしようがない。
なんか今回はまったく読書感想文じゃなくてすみません。