三浦しをんさんは好きな作家さんのうちの一人。どの作品も脳内に動画が再生されるかの如く情景が動き始める。この作品は、墨のにおいや息遣い、筆が紙の上を走る音まで聞こえてくる。男の友情に心が温まる爽やかな読後感。『舟を編む』を想起させる言葉の説明と紙についての説明も良き。