旅ネコちびた

もと江戸っ子。セミリタイアを計画中。旅行、本、自転車についてなど、ぽつぽつと書きます。…

旅ネコちびた

もと江戸っ子。セミリタイアを計画中。旅行、本、自転車についてなど、ぽつぽつと書きます。愛車はKHS F-20t。

最近の記事

ちびたの本棚 読書記録「死が最後にやってくる」アガサ・クリスティー

イギリス人が一人も出てこないクリスティーの作品。古代エジプトが舞台だ。 馴染みのないエジプトなので、取っ付きにくくて読むのを後回しにしていたが、読み始めた途端に物語に引き込まれた。 裕福な墓守の一族に、ある日を境に一人また一人と家族が殺されるという事件が起こる。家族は皆、次は誰の番かと怯え疑心暗鬼になっていく。犠牲者が増えるに従い、全てを知っていると思い込んでいる家族の内面を、実は何も理解していないことに気付く。 そうそう、その人の心の内は他の人には分からないのがあたりまえ

    • 福島県西郷村を訪れる 一枚岩が造るクマが遊ぶ滝

      今回は那須を通り過ぎて一気に福島県白河へ向かった。去年の秋に下見をした雪割橋に行き、そこから水辺の遊歩道を散策することにした。 雪割橋のたもとのカルミヤでお昼代わりにおだんごを買う。 あそこで食べていいですか?とご主人に聞くと、「椅子があるからイイっスよ!」とのお返事😊ご主人も奥様も気さくでとても親切。効率よく散策できる駐車スペースを教えてくれた。ありがとうございます! 川から離れて山側へ歩いて行く。 遊歩道の全部のコースを歩くと往復4時間になるよ、とカルミヤのご主人

      • ちびたの本棚 読者記録「蛸足ノート」穂村弘

        ベッドでパンを食べるのが好き♡というエピソードが有名な歌人 穂村弘さんのエッセイ集だ。現在も読売新聞に連載中だ。本の方は見開きのページでひとつの話となっていて少しの時間でも読みやすい。 穂村さんの日常は短歌の世界そのものだ。彼の目を通して見た日常の世界は、いつも新鮮な驚きに満ちている。 物事に対する彼のその素直な感情は小学生のようで、そんなに慌てたりうろたえたりしなくても大丈夫だよ、と思わず背中をポンポンしたくなる。 穂村さんは、自分は時々パラレルワールドにいるようだと書

        • 珈琲&おやつ帳☕今も昔も懐かしい味 みちのくミルル

          最初にみちのくミルルを買ったのは、近所のスーパーの東北物産展だ。絶対おいしいぞ、と迷わず購入。だって「ミルクと白餡」の組み合わせなら間違いない。和菓子のような洋菓子のような、ままどおる、ヒヨコ、ハーバー、博多通りもんなどと同じ仲間だ。 その後、福島県三春町の玉ケ滝を訪れた時に、隣の郡山市であのミルルを買おう!ということになった。 そして工場の直売所でようやく買うことができた。実はその前に郡山駅で売っていないことがわかり、慌てて工場まで行くことになったのだ。 どこかで見かけ

        ちびたの本棚 読書記録「死が最後にやってくる」アガサ・クリスティー

          森の妖精の世界へ 那須伊王野地区のミツマタ群生地を訪れる

          今回の那須旅行の目的はカタクリとミツマタの花を見ること。 3週間前に全く咲いていなかったカタクリの花、そろそろ咲いたかな? 栃木県那珂川町のカタクリ山公園に到着 気温は9℃、暖かくなってきた。公園の入口にテントや看板が出現しているということはカタクリが咲いている? 3週間前は誰もいなかったけれど、この日の午前中は6組ほどの人とすれ違った。皆さんカタクリ目当てのようで、「咲いてました?」とすれ違う度に聞かれた😅少し上った日当たりの良いところにポツポツ咲いてますよ〜、今年は

          森の妖精の世界へ 那須伊王野地区のミツマタ群生地を訪れる

          ちびたの本棚 読書記録「八月の御所グラウンド」万城目学

          絶え間ない蝉の声と肌を焦がすような日差し。むせ返るような暑さの京都では、信じられないことが起こらないほうが不思議なのかもしれない。 美しい留学生シャオさんが放つ掛け声はまるで呪文のようだ。覇気のない主人公 朽木を始め、寄せ集めの草野球チーム全員の意識が、試合を重ねるごとに変わっていく。 あっけらかんとした日差しが降りそそぐグラウンドに、戦争という大きな波に呑み込まれた若者たちの心の内を思う。出陣学徒壮行式が京都でも行われていたことを知らなかった。 もうひとつの短編「十二

          ちびたの本棚 読書記録「八月の御所グラウンド」万城目学

          珈琲&おやつ帳☕さくら桜

          この季節に登場する、ある珈琲店のさくらブレンド。 去年飲んだ時に、ブレンドの美味しさを実感した。ブレンドって違いがあるんだ! ブレンドという豆ではないのだから当たりまえだ。 今年もあのふんわりとした甘い香りを待ちかねていた。 ブレンドってこういうモノなんだ! 以前から外でコーヒーを飲む時は、たいていその店のブレンドや本日のコーヒーを注文していたけれど、ブレンド=無難というイメージを持っていた。 でもこのさくらブレンドに出合ってからは、 ブレンド=その店のオススメ、 

          珈琲&おやつ帳☕さくら桜

          栃木県ひっそりたたずむザゼンソウ&春満欄のフレンチの夕食

          明け方まで降っていた雨も止んだので、那珂川のザゼンソウ群生地に行くことにした。 ザゼンソウは春の訪れとともに咲く貴重な花だ。見たことはないけれど、赤紫の色と中のブツブツが何となくグロテスクな印象だ😓 もしザゼンソウの見頃が過ぎていても、カタクリが咲き始めているかも。まあ何かしら咲いてるだろう。なにより足元がドロドロでありませんように! ?ザゼンソウどこ? 順調にカタクリ山公園に到着! まずはカタクリ群生地からスタート。 後から気付いたが、もう少し先に四阿があり、そこか

          栃木県ひっそりたたずむザゼンソウ&春満欄のフレンチの夕食

          ちびたの本棚 読書記録「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」アガサ・クリスティー

          ミステリーファンでなくとも、手に取らずにはいられない斬新なタイトル。これは、ある男性が死の間際に残した謎のメッセージだ。 事故か自殺か殺人か?それにエヴァンズとは誰?幼なじみのボビイとフランキーが謎解きに突っ走る。本職の探偵ではないけれど、時間と予算に制限がないせいか、思いついたら即実行する。痛い目に遭っても危険を省みることなど全くない。ちょっと待って落ち着いて!と言いたくなるほどの行動力だ。 真相を求めてウロウロする二人は、犯人にとって目障りなことこの上ない。彼らを始末

          ちびたの本棚 読書記録「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」アガサ・クリスティー

          珈琲&おやつ帳☕最初の一歩はセミナーから

          とあるコーヒー店の初級セミナーに参加した。 1年ほど前から再開したコーヒーのハンドドリップはあくまでも自己流だ。まあ!カフェが開けちゃうんじゃないの?というほど上手く淹れられる時と、うむむ…とイマイチな時がある。味が安定しないのだ。 まずは基本をプロに習いたいと思い、いつも豆を購入するお店のセミナーに行ってみた。 コーヒーとの付き合いは小学生の頃から コーヒー好きの父親に豆の挽き方からドリップまでひと通り教わった。子供に淹れさせたらラクだなぁと思っていたのかどうか。今度夢

          珈琲&おやつ帳☕最初の一歩はセミナーから

          ちびたの本棚 読書記録「ブラック・ヴィーナス 天才株トレーダー・ニ礼茜」城山真一

          プラチナブロンドのショートボブ。黒ずくめのスラリとした姿は完璧なフィギュアのようだ。ニ礼茜はそのいでたちから黒女神と呼ばれている。 城山真一さんの作品を最初に読んだのは「看守シリーズ」だ。そのプロットの精巧さは、まるで熟練の職人のようで、読み終わった後もその余韻を反芻した。この「ブラック・ヴィーナス」は彼のデビュー作品と知って期待が高まった。 もちろんこの作品もしっかりとした構成だ。主人公の茜の外見が派手なこともあり、看守シリーズよりはエンターテインメント系で取っつきやす

          ちびたの本棚 読書記録「ブラック・ヴィーナス 天才株トレーダー・ニ礼茜」城山真一

          日光杉並木街道を歩く&にわか撮り鉄になる

          2月の初め、前から歩いてみたかった日光杉並木街道へ。スギ花粉が飛んでいない今ならゆっくりできそうだ。 子供の頃、この杉並木は日光に向かう時の車酔いのピーク地点だった。まっすぐに見えるけれど、意外とカーブあり路面の凹凸あり(今はキレイな路面)で、ココを乗り切って右手に大谷川が見えてきたらひと安心だった。ああ、ようやく苦しいのもオシマイ…と。 杉並木公園からスタート ボランティアでの手入れや杉の木のオーナー制度など、様々な方法で杉並木を守っているそうだ。 ポーって聞こえた!

          日光杉並木街道を歩く&にわか撮り鉄になる

          ちびたの本棚 読書記録「好きになってしまいました」三浦しをん

          三浦しをんさんのエッセイを読んでいると、うふふっと、つい笑ってしまう。公共の場で読むのはとても危険だ。 昼休みに図書館に行った時、あぁ午後からもうひと頑張り働くか…と景気づけに手に取るのは、三浦しをんさんか穂村弘さんのエッセイだ。ほんの数ページ読んだだけでも、肩に入っていた力が抜けて気持ちが軽くなる。 今回のエッセイ集は、今までになく大人の雰囲気だ。「旅」や「美」というお題の縛りがあるエッセイが多いせいか、いつになく妄想は控えめ。三浦しをんさん本人も書いているが、可能な限

          ちびたの本棚 読書記録「好きになってしまいました」三浦しをん

          ちびたの本棚 読書記録 「神と黒蟹県」絲山秋子

          物語の舞台は架空の地方都市、黒蟹県。折り合いの悪い隣りの市の話、転勤してきた会社員や移住者の話、町起こしの話など、どこにでもある日常が描かれている。 ただそこには市民に混ざって神が暮らしている。 神はごく平凡な市民としてアパートや戸建てに住み、時にはひとりで暮らし、時には家族を持ち、そしてなんらかの仕事についている。昼食は街の蕎麦屋でとり、夜は居酒屋に行くこともある。 でも、神であるから当然かもしれないが、そのたたずまいや言動は、そこはかとなく浮世離れしているのだ。

          ちびたの本棚 読書記録 「神と黒蟹県」絲山秋子

          栃木県鹿沼市 純白の蝋梅 & 温泉三昧できたかも

          去年も訪れた鹿沼市の蝋梅の里。あの甘い香りを求めて再訪です。 栃木インターから30分ほど走ると黄色い幟が現れてくる。幟のおかげで順調に着いた。 蝋梅の里に到着 オーナーが丁寧に花の説明をしてくれて、希望すれば案内もしてくれる。何しろ広いし木の数も多いから、案内をしてもらえるとありがたい。 リピーターが多いのはオーナーの人柄もあるかも。 園内を歩いていると、オーナーの蝋梅への愛情が伝わってくる。きっと木の1本1本、花の1輪1輪に毎日声をかけながら手入れをしているのだろう。

          栃木県鹿沼市 純白の蝋梅 & 温泉三昧できたかも

          ちびたの本棚 読書記録「湯治場のぶたぶた」矢﨑存美

          湯治場と聞くと、何もせずに温泉三昧の療養をイメージする。体調が良い時に読書と散歩ができれば大満足の生活だ。 今回はある湯治場のオーナーが山崎ぶたぶたという設定。 彼はどのシリーズでもたいてい料理上手だから、湯治場の食堂でも和洋中華はもちろんのこと、ふくいくたる香りのコーヒーやお菓子だって期待できる。 温泉で体をいたわった後は、お腹と心も存分に満たせそうだ。 舞台設定はシリーズ毎に違っても、水戸黄門のドラマのように物語の流れはほとんど変わらない。それなのに新しい作品が出ると

          ちびたの本棚 読書記録「湯治場のぶたぶた」矢﨑存美