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ちびたの本棚 読書記録「照子と瑠衣」井上荒野

表紙には颯爽とした二人の女性が色鮮やかに描かれている。この表紙を見て、ぼんやりと懐かしく感じたのはなぜか。読み進むうちに、あ!これはあの映画のオマージュだ、そうに違いないと思った。
表紙を見てすぐに気付いた方も多いかと思う…💦

片や専業主婦、片やシャンソン歌手の照子と瑠衣は、クラス会でのある出来事をきっかけに親しくなる。ただの友人ではない、互いに相手の心の痛みや喜びを自分の事のように感じている二人だ。

年齢を重ねているからこそ、彼女たちは怖いものなしに行動する。人の顔色を伺うことなく、これからの人生を伸び伸びと過ごしたいと迷いがない。過去をくよくよと振り返らず、ただ前を向いて生きる潔さが爽快だ。

ハラハラする場面はあるけれど、物語は概ね順調に進んで行く。こんなに都合よくいくかな?と感じる点はあるけれど、二人を応援する気持ちが勝って気にならない。

彼女たちの年齢に近づいた時、しがらみにとらわれず、まっすぐに軽やかに生きることができるだろうか。
からりとした青空を見上げた時のような晴れ晴れと清々しい気持ちで読み終えた。


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