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投資思考マガジン

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「投資以降マガジン」は、これから投資を始めたい方や、投資を次のステージに進めたいと考えている方に向けた、実践的な投資情報マガジンです。初心者向けに基本的な投資手法やリスク管理のポ…
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GMと現代自動車がEV提携へ:自動車業界の新たな再編の幕開け

GMと現代自動車がEV提携へ:自動車業界の新たな再編の幕開け

ゼネラル・モーターズ(GM)と現代自動車が、電気自動車(EV)市場における提携を検討しているというニュースが大きな注目を集めています。両社は、電池供給やソフトウェア開発、次世代車の共同開発など、広範囲にわたる協力を模索しており、この動きが自動車業界の再編を加速させる可能性があります。特に、北米市場におけるEVの供給網構築は、両社にとって大きな戦略的価値を持ちます。

米韓自動車業界の提携が意味する

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日本の半導体戦略:ラピダスとGAA技術の未来

日本の半導体戦略:ラピダスとGAA技術の未来

2024年現在、日本の半導体産業は新たな転換期を迎えています。かつて世界をリードしていた日本の電子産業は、次世代半導体を中心に再興の兆しを見せ始めました。その中心にいるのが、国策会社「ラピダス」です。ラピダスは北海道千歳市に建設中の工場で、最先端のGAA技術を用いた半導体チップの国産化を目指しています。この動きは、政府が掲げる日本の半導体戦略の一環であり、米国から見ても重要な商機となっています。

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キリン、ファンケルTOB成立で健康市場へ本格参入

キリン、ファンケルTOB成立で健康市場へ本格参入

ビール大手キリンホールディングス(HD)が、健康食品分野に大きく舵を切りました。2024年9月12日、キリンHDが実施したファンケルへのTOB(株式公開買い付け)が成立し、同社を年内にも全額出資子会社化することが発表されました。この動きは、キリンが「ビールだけの時代」を終え、健康関連ビジネスでのさらなる成長を目指す大きな一歩となります。

健康食品市場での勝負
キリンHDは、今回のTOBを通じてフ

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「原油価格下落と円高で日銀の利上げ経路はどうなる?WTI先物安値の影響を考察」

「原油価格下落と円高で日銀の利上げ経路はどうなる?WTI先物安値の影響を考察」

2024年9月、原油価格が1年4カ月ぶりの安値を記録しました。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物が急落し、これに伴いインフレ圧力も和らいできています。さらには円高・ドル安も加わり、日銀が計画していた追加利上げの経路はますますかすみがちです。今回は、原油価格の下落がどのようにインフレ抑制につながり、さらに日銀の利上げの道筋にどのような影響を与えるのかを考察していきます。

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「PS5 ProのAI技術がPCゲームに対抗!価格は11万9980円、その魅力とは?」

「PS5 ProのAI技術がPCゲームに対抗!価格は11万9980円、その魅力とは?」

2024年11月に発売予定のソニーの最新ゲーム機「PS5 Pro」。価格は11万9980円と、これまでのゲーム機に比べてやや高額ですが、AIを活用した最先端の技術で、ゲームの楽しみ方を一段と進化させます。特に、パソコンゲーム(PCゲーム)市場の強力なライバルとして、どのような魅力を持っているのでしょうか。今回は、PS5 Proの価格、AI技術、そしてPCゲームとの比較を中心に、その魅力を深掘りして

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倒産減少の裏に潜む危機?年末に向けた金利上昇の影響を見逃すな!

倒産減少の裏に潜む危機?年末に向けた金利上昇の影響を見逃すな!

「倒産が減った?そんなにうまくいっているの?」と、思わず喜びたくなるニュースが飛び込んできましたが、実はこの現象、短期的な要因が大きいのです。8月の倒産件数は前年同月比で5%減少し、29カ月ぶりに倒産件数が前年を下回りました。しかし、だからといって安心するのはまだ早いかもしれません。年末に向けて、また違う嵐が待ち受けている可能性があります。

1. 8月の倒産減少、その理由は?

8月の倒産件数は

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「フォートレスの常磐興産買収が示すリゾート再生戦略の未来:投資家にとってのリスクとチャンス」

「フォートレスの常磐興産買収が示すリゾート再生戦略の未来:投資家にとってのリスクとチャンス」

「フラガールもびっくり!今度は常磐興産が米投資ファンドに踊らされる?」——といっても、これは悪い話ではありません。むしろ、東北の誇りである「スパリゾートハワイアンズ」が新たな成長のステージに突入しようとしているんです。米フォートレスが日本のリゾート施設にどのような影響を与えるのか、そして投資家や経営者にとってのチャンスとリスクについて深掘りしていきましょう。

1. フォートレスの買収背景:レジャ

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パナソニックHDのオリンピックスポンサー契約終了の衝撃!企業経営者が学ぶべきポイントとは?

パナソニックHDのオリンピックスポンサー契約終了の衝撃!企業経営者が学ぶべきポイントとは?

パナソニックHDが37年間続けてきた国際オリンピック委員会(IOC)とのスポンサー契約を、2024年12月末で終了するというニュースが大きな話題を呼んでいます。この決断の背景には、現代の経営者が抱える多くの悩みと通じる部分があります。この記事では、パナソニックHDの決断から学ぶべき教訓を探り、企業経営者が直面する悩みをどう解決していくか考察します。

1. 長期契約の終わり:危機ではなくチャンスパ

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「株式報酬制度導入の効果とリスク:企業経営者と投資家が知っておくべきポイント」

「株式報酬制度導入の効果とリスク:企業経営者と投資家が知っておくべきポイント」

株式報酬制度が注目を集める今、経営者や投資家は「株式報酬、試してみようかな?」と考えているかもしれません。でも、こんなに魅力的な制度が本当に良いのか、少し不安になることもありますよね。ここでは、株式報酬制度の導入がどのような影響をもたらすのか、そして注意すべきポイントについて詳しく見ていきましょう。

1. 株式報酬制度の現状とトレンド
2024年6月末までに、1176社が株式報酬制度を導入してお

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 「ソニー生命の“債券偏重”運用に逆風?金利上昇で浮かび上がる新たなリスク」

「ソニー生命の“債券偏重”運用に逆風?金利上昇で浮かび上がる新たなリスク」

1. 債券の甘い罠?金利上昇で大ピンチ

ソニー生命が直面している問題は、私たちのような経営者にも他人事ではありません。金利が上昇すると、債券価格が下がるのは常識ですが、ソニー生命はそのダメージが直撃。2024年4〜6月期には、キャピタル損益が513億円の赤字に転じました。金利上昇で債券の価値が下がると、含み損を抱えた債券を売らざるを得なくなり、その結果、会社全体の利益にも大きな影響が出るわけです

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「グーグル解体?2025年、ITジャイアントの運命が決まる!」

「グーグル解体?2025年、ITジャイアントの運命が決まる!」

1. グーグルの行く末は裁判所が決める?

テクノロジーの巨人、グーグルがついに解体されるかもしれません。アメリカ司法省は、グーグルが検索エンジン市場で不正な独占を行っているとし、2025年8月までに解体を含む是正策の結論を出す予定です。「そんなこと本当に起きるの?」と思うかもしれませんが、アメリカの裁判所はすでに一審で「独占禁止法違反」の判決を下しています。問題の本質は、グーグルがどれだけライバ

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「年末調整の廃止で株価は上がる?デジタル化で得する企業・損する企業」

「年末調整の廃止で株価は上がる?デジタル化で得する企業・損する企業」

「年末調整?そんなもの、もう古い!」と河野太郎氏が言い放ったかどうかはわかりませんが、彼の年末調整廃止案は確実に注目を集めています。デジタル時代に対応する税制改革を進めるために、全納税者が確定申告を行う時代がやってくるかもしれません。ですが、これが本当にうまくいくのか?その不安と期待を探ってみましょう。

1. なぜ年末調整を廃止するのか?
年末調整制度は、給与所得者が源泉徴収された税額の過不足を

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 「中国車市場、民営3社の躍進と次なる成長の波を見逃すな」

「中国車市場、民営3社の躍進と次なる成長の波を見逃すな」

中国の自動車市場は、BYDや吉利汽車、長城汽車といった民営大手の成長が際立っています。2024年1〜6月期の決算を見ると、BYDが純利益で24%増の136億元を記録し、吉利汽車の純利益は7倍、長城汽車は5倍に膨れ上がりました。過当競争が続く中で、これほどの成長を遂げた背景には、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の需要が高まったことが大きく影響しています。

BYDは新エネルギー

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「鉄鋼業界の嵐?日本製鉄のUSスチール買収阻止に迫る米国政府の思惑」

「鉄鋼業界の嵐?日本製鉄のUSスチール買収阻止に迫る米国政府の思惑」

「鋼の心を持つ企業、でもその心をアメリカに届けるのは一筋縄ではいかないようです。」——米国政府が、日本製鉄によるUSスチールの買収を阻止する方針を示したことは、業界全体に衝撃を与えました。この決定、ただの独占禁止法の問題ではなく、国家安全保障というキーワードが深く関わっているのです。

1. 広がる国家安全保障の定義
キーバンク・キャピタル・マーケッツのフィリップ・ギブス氏によると、米国の国家安全

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