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#エッセイ

何よりも「切実な言葉」が欲しい

何よりも「切実な言葉」が欲しい

「暮らし」という言葉を聞きますと、同じような意味の「生活」という言葉より、少しだけ上品に聞こえる気がします。

もともと、このnoteの中の「少しだけ考えました」というマガジンは「暮らしの文学」という題名でした。それは、敬愛する池田晶子氏の最後の著作「暮らしの哲学」から取られたものです。
「哲学的エッセー」という分野を開拓した、哲学者池田さんの作品は、どれも舌峰鋭く、哲学によって世の中を変えようと

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何でもできるが何もしていないような違和感

何でもできるが何もしていないような違和感

いつも考察に満ちた天果さんのスマホの記事を読んで考えた。

道具とは、自らの身体だけでは果たせない能力を獲得するためのものだ。

蟻塚に木の枝を突っ込んで大量のアリを捕食するチンパンジーの行動はよく知られる。
ヒトも空を飛びたいから飛行機を作った。
チンパンジーもヒトも自らの身体が形を変える可能性を待たず、道具を作って目の前の欲望に応えたといえる。

飛行機を作らなければ数百万年後にヒトは翼を背に

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いまいち読まれない記事にこそあなたらしさが隠れている

いまいち読まれない記事にこそあなたらしさが隠れている

 noteを書き続けて記事がたまってくると、たくさんの共感を得られる記事と反応がいまいちの記事が出てきます。

noteを始めたばかりでフォロワーさんがいなかったということも理由のひとつですが、そういう記事でもあとから伸びてくるということもあるし、物理的な問題だけではないように感じます。

今日は”人から共感を得られないわたしも大切だ”という話を書いていこうと思います。

そもそも誰でも『偏り』を

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ささやかだけれど、大切なこと

29歳で都内の広告代理店に勤務していた頃、私は体調を壊した。

振り返ってみると、いわゆる燃え尽き症候群みたいになっていたのだと思う。

大学を卒業し、会社員になってからの私の20代は、ほぼ全てを仕事に捧げていた。

都会で自活してやりがいのある仕事を持っている女性でありつづけることを信じてやまなかった時だ。

女子校、女子大を出たこともあってか、「女性が社会で自立し、輝いて生きていくべきだ」とい

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【風呂酒日和4-1】 あけぼの湯

【風呂酒日和4-1】 あけぼの湯

素敵なフロサケを求めて歩き始めてから、ふと思っていたことがあった。
一番古い銭湯ってどこなんだろう。
そう思ったら、調べなければならない。そして調べたならば、行かなければならない。

最寄り駅は船堀。
調べた情報によるとなんと創業は江戸時代とのこと。
一体どんな銭湯なんだと意気込んで向かうと、通りに面したところに看板と奥の入口へ続くアーケードが現れた。
どうやらこれが最古の銭湯への入口のようだ。

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迷惑は、かけた分だけ許せばいい。

迷惑は、かけた分だけ許せばいい。

「あなたは他人に迷惑をかけて生きているのだから、
他人があなたにかける迷惑も許してあげなさい」

インドにこんなことわざがあるそうです。
このことわざが好きで、私は迷惑をかけた時もかけられた時も、この言葉を思い出すようにしています。

確かに人って生きている以上、迷惑をかけているんですよね。
極論を言うと、呼吸しているだけで地球に迷惑かもしれないですし。

迷惑をかけないように生きているつもりでも

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