Fumi

主にエッセイを書いています。映画と本と外国のひとり旅が好きです。日常で感じたことを中心…

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主にエッセイを書いています。映画と本と外国のひとり旅が好きです。日常で感じたことを中心に書いています。

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  • 雑記やエッセイ

    日々暮らしの中で感じたことを書いています。完全に個人的な日記だったりメモだったり。個人の感想に近いです。

  • 映画エッセイ

    映画が好きです。映画にまつわる話や映画のエッセイを書いています。

  • ひとり旅の記録

    これまで行った、海外でのひとり旅の記録を中心に書きます。

  • 私の東京物語

    18歳で上京した時のことや、東京の街の思いを綴ったエッセイ集。懐かしい思い出や葛藤、現在の想いなどを綴っています。

  • Podcast「Fumiのミッドナイトシネマトーク」

    自身のポッドキャスト番組や、出演した番組について。

最近の記事

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20代の最後にロンドンに飛び立ったときのこと

今から6年前、残り数ヶ月で30歳になろうとしていた29の私は、20代の最後をこのまま平凡に終わらせたくないという衝動に駆られて、一人でロンドンに飛び立った。といっても、大それたことではない。ただの一人旅である。 20代は色々迷走していた。大学を卒業してからすぐに洋服関係の仕事をしたけれど、物足りなくて1年でやめた。それからずっと都内でマーケティングやウェブ関係の仕事をしていたが、社会(というか会社)に迎合しすぎた結果、自分を見失い身体も壊して29歳の時に思い立って東京を去り

    • 今日はパーソナルヨガと整体へいく。産後の自分をメンテナンスしなければと10日に一度のそれと月一のエステを続けてやってみているけど体調などの変化は皆無だがメンタル的には良い感じ。最近は今の変わった自分を平常時として認めるほうが大切だと思えてる。変化って悪いことばかりじゃない

      • 【日記】一寸先を楽しむ日々

        昨日父が手術をした。無事終わってよかったと安堵したが、麻酔の影響でまだアレコレ辛いみたい、と母から報告がある。何でも心配して何かあるたびに事前調査していろいろなシミュレーションをする父だが、それは想定外のことで少し気落ちをしてるみたいだ。とにかく早く良くなって夏休みには皆で食卓を囲めますようにと祈る。 昨年11月に娘を出産した時私もそうだった。私は過去の手術等の事情から最初から帝王切開での出産だと決まっていたので、経験者のブログだとか動画だとかをみてどんなことが起こりうるか

        • 映画『チャレンジャーズ』今年1番面白い映画

          ルカ・グァダニーノ監督作品 映画『チャレンジャーズ』のテキストを寄稿させていただきました。 現在、育児中にも関わらず、信頼して任せていただいたことにも感謝しています。個人的にもかなり好きな作品の文章を書く事ができ嬉しい仕事でした。 ぜひご一読ください。

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        20代の最後にロンドンに飛び立ったときのこと

        • 今日はパーソナルヨガと整体へいく。産後の自分をメンテナンスしなければと10日に一度のそれと月一のエステを続けてやってみているけど体調などの変化は皆無だがメンタル的には良い感じ。最近は今の変わった自分を平常時として認めるほうが大切だと思えてる。変化って悪いことばかりじゃない

        • 【日記】一寸先を楽しむ日々

        • 映画『チャレンジャーズ』今年1番面白い映画

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        • 気まぐれな短編小説
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        記事

          出産してから映画や小説などの時間は確実に減ったけど焦りはない。かつてビジネスに躍起になってそういうのが全然できなくなった事があったがそこからでもまた復活することできたから大丈夫と思える。苦い経験も何事も無駄というのはないのかもしれないね

          出産してから映画や小説などの時間は確実に減ったけど焦りはない。かつてビジネスに躍起になってそういうのが全然できなくなった事があったがそこからでもまた復活することできたから大丈夫と思える。苦い経験も何事も無駄というのはないのかもしれないね

          映画【パスト・ライブス】もう戻ってはこない過去との決別

          映画「パスト・ライブス」は公開日のレイトショーで観た。映画が始まった時の私はまさか車の中で泣きながら帰ることになるとは思っていなかっただろう。 どうして泣いたのかはいまだによくわからない。 きっともう自分の人生の過ぎ去ってしまった、後戻りできない様々な瞬間を思い出してしまったからかもしれない。 中年になるということは、今後の老いを想像することではなく、過去を失っていくことなのだ、と気がついてしまったのだ。 私は過去の恋人に未練を持ったことがほとんどない。全くないと言った

          映画【パスト・ライブス】もう戻ってはこない過去との決別

          日記 【主体性を取り戻す作業】

          振り返ると、うまくいかない時は大体の場合主体性を失っていた時であるように思う。 先日月に一度の美容室に行った。私は大体いつも「こうしたい」というスタイルがあるはずなのに今回ばかりはピンときていなかった。誰かにそれ似合うよ、と言われる髪型にしたかったというのもあるしなんとなく忙しくて考える暇もなかったのだ。 「髪の毛を切るのは自分ですけど、その髪と一緒にいるのはFumiさん自身だから。どうしたいか決めてもらわないと。」 いやあなたに提案して欲しかったんですよ、とその時は内

          日記 【主体性を取り戻す作業】

          父と私、そして娘

          そういえば、私の父もそうだったのだ。今の自分がいるのは、あの父がいたからではなかったか。 つい先日、NHKの朝の連続テレビ小説『虎に翼』の中で主人公の虎子の父が病床で娘に過去の失態を次々と暴露し家族に謝るという、切なくも面白いエピソードがあった。 「こんな情けない父さんで悪かった」という父。 それに対し、伊藤沙莉演じる娘の虎子は苦虫を噛み潰したような顔をし続けるも、最終的にはこう言うのだ。 「女学校に行くのを後押ししてくれたのも、いつも可愛いって言ってくれたのもお父さ

          父と私、そして娘

          日記 愛してる、レイモンド・カーヴァー

          時に「これは自分のための物語だ」と思える小説に出会うことがある。 学生時代には村上春樹、時を経てポールオースターやレイモンドチャンドラー、そしてカーヴァーが私にとってその1人だと言える。 共同起業するも仲違いして人生もビジネスも泥沼になったちょうど5年前の自分をどん底からすくい上げたのもカーヴァーの短編小説だったと記憶している。 そして今またこの作家の文章に私は夢中になっているのだ。 なぜこんなにも惹かれるのだろう。 彼の小説にある気配や感覚は、言葉にするのが難しい。

          日記 愛してる、レイモンド・カーヴァー

          映画『異人たち』は現時点で今年ベストの傑作だったが主人公二人の親密になるシーンがあまりにも切なくあまりにリアルでいまだに忘れられない。アンドリュースコットがこんな事は久しぶりだからと息継ぎがうまくいかず呼吸が乱れる箇所。あのシーンだけでもう奇跡のような映画だったと思う

          映画『異人たち』は現時点で今年ベストの傑作だったが主人公二人の親密になるシーンがあまりにも切なくあまりにリアルでいまだに忘れられない。アンドリュースコットがこんな事は久しぶりだからと息継ぎがうまくいかず呼吸が乱れる箇所。あのシーンだけでもう奇跡のような映画だったと思う

          映画『異人たち』あの人を思い平穏を祈る

          自分の大切な人が実は大きな喪失を経験していることを言わずに心に留めていたりそれらを抱えて生きているかもしれないと思うことを絶対に忘れないようにしたいと思う。 山田太一原作、アンドリューヘイ監督作の映画『異人たち』を観て思った。 そして自分自身が経験してきた自分の寂しさや孤独を無かったものとして無味乾燥な人生を歩んでいなかっただろうかと。 同時に、この作品が「自分はもう大人だから」と日頃弱音を吐かずに平気そうに生きている人に届くものとなればいいと感じてもいる。 どんな人

          映画『異人たち』あの人を思い平穏を祈る

          日記: 日々と娘と映画と

          桜がヒラヒラと散る様をみたら、2000年代の岩井俊二映画を思い出した。 松たか子主演で北海道から上京した大学生一年生の瑞々しい姿を捉えた『四月物語』。制服似合ってないね、などといいながら桜並木を駆けながら高校に進学する2人の可笑しくも美しい映画『花とアリス』。どちらも何度観たか数えきれない程に偏愛している作品である。 昨日、初めて生後5ヶ月になった娘を連れて地域の子育て支援センターという場所に行ってみた。 当たり前のことだけれど人間は行動あるのみなのだなと、些細なことな

          日記: 日々と娘と映画と

          或る春の日の日記

          春の香りが目の前を通り過ぎた時、西池袋のマンションのベランダで1人缶ビールを飲んだ記憶が蘇った。今から約20年も前のことで、私が大学生だった頃のことだ。 学生の頃は新学期が好きだった。 たとえその前の年をダラダラと過ごして成績も恋愛もパッとしない一年を過ごしたとしても4月にはリセットされる気がしていた。 大学生で上京し最初に住んだのは池袋だった。ただ大学が近かったから選んだだけだった。静かで落ち着いていたし、窓を開けると大学附属の小学生のかん高い声が聞こえてくるところが

          或る春の日の日記

          新しいテーブル と向田邦子の名エッセイ

          夫と結婚して良かったと思うことの一つに、ものを選ぶ価値基準がほとんどにおいて似ているというのがある。好きなものが似通っていると言うよりも、よほど気に入ったものでない限り不便でも買わない、買う時には金額は気にせず20年先も使いたいきちんとしたものを選択するところだ。つい最近結婚5年目にしてようやく納得のいくダイニングテーブルを見つけて注文をした。今は建築士でもある夫が大掛かりなDIYで仕上げた無垢材のテーブルを使用しているが(これもとても気に入っている)子供が産まれて食卓を囲む

          新しいテーブル と向田邦子の名エッセイ

          映画館という駆け込み寺があって良かった。世の中から遮断された誰の顔も見えない暗闇の中にいる時だけは、妻でも母でも何でもない自分1人の人間となれる気がする。というわけで、今月はDUNEとオッペンハイマーの公開が死ぬほど楽しみだ。

          映画館という駆け込み寺があって良かった。世の中から遮断された誰の顔も見えない暗闇の中にいる時だけは、妻でも母でも何でもない自分1人の人間となれる気がする。というわけで、今月はDUNEとオッペンハイマーの公開が死ぬほど楽しみだ。

          永福町で過ごした日々の記憶

          今から約10年前、東急井の頭線の永福町駅から徒歩数分の場所で一人暮らしをしていたことがある。 渋谷にある広告代理店に勤務していた二十代後半の頃のことだ。その前は池袋に住んでいたが、通勤の利便性となんとなく縁起のいい名前の駅名に惹かれてその地を引っ越し先に選んだ。 駅前の商店街を抜けた先には「東京のへそ」という別名を持つらしい大宮八幡宮、その奥には和田堀公園があり時々健康のためにランニングをしたり休日にコーヒーとパンを持って散歩に出かけたりもしていた。言わずと知れたグルメの

          永福町で過ごした日々の記憶