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ひとつなるもの すべてなるもの

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ひみの連載ストーリー
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#性

第236話 隠されていた本当の秘密

第236話 隠されていた本当の秘密

 毒づいていた。
来る日も来る日も浄化をしても、未だ私の子宮の奥底に憑依しているヤマタ先生の意識に、もういい加減鬱陶しさを募らせていた。

 もちろんこの教師の他にもいくつか憑依は残っていたが、スサナル先生との間にある『性』エネルギーをクリアに浄化しようとする度に、必ずといっていいほどヤマタ先生が表面へと浮かんできていた。

「もう!私があなたのお相手じゃないってことは嫌というほどわかってるでしょ

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第228話 エンディングの始まる場所

第228話 エンディングの始まる場所

江ノ島からの帰りの車内でけーこと喋っている途中、重要なメッセージが降りてきた。今日という日から冬至を迎えるまでの期間が一体何を意味しているのか。
 その深淵を覗くにつれて、自分という人間が、何故今ここに生まれているのかの意味を問わない訳にはいかなかった。

 そして夜、冬至までの緊急メッセージ(※)と題してnoteに掲載するための内容を降ろし始まると、振り返るほどに過去の自分が現在の自分のため

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第208話 プレアデスの性と子宮に棲む龍

第208話 プレアデスの性と子宮に棲む龍

 『たった一人の女性に巡り会えない男性の魂の悲しみが、時間と共に男性器を肉体のみの快楽の道具にしてしまった……。』

 本来男性の肉体とは、その魂全部の愛を、たった一人の真実の女性に注ぐためのものであった。宇宙でたった一人だけに捧ぐ純粋な『愛』のためのもの。

 ところが肝心のその女性とは長い輪廻の歯車の中で、今まで巡り合うことが決してなかった。その悲しみは悲痛さを増し、その一人の人を探し回ってい

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第207話 波打ち際の人魚の夢

第207話 波打ち際の人魚の夢

 次に訪れるべき神社の名前が判明すると、全てが恐怖に支配された。浄化も排出も間に合わないほど大量の闇が押し寄せたことで、一瞬で頭蓋骨の中が膨れ上がってパンパンになった。

 それはまだ、六月の上旬のある日のこと。けーこと共に、川崎市にある川崎大師に空海さんを訪ねていた。
 その帰り道、駐車場からほんのニ、三分の場所を通過した時に、男性器が描かれたピンクの幟(のぼり)を発見するとほんの一瞬ギョッとす

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第201話 そらのいろ

第201話 そらのいろ

 羽田空港神社から、meetooという船の女神に男性神をお迎えした。
 太陽が一番長く伸びる夏至の中、やって来てくれた空の船の男神もまた太陽のような人だった。

……

 あれからも、私とけーこは週にニ、三か所という驚異的なペースで神社仏閣などに出かけ、様々な事を吸収していった。

 昔は自殺の名所だったという川を見下ろす弁財天からは、生者にとっての目線では決して得られない視点をいただく。
「せめ

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第2💍💍話 約束の指輪

第2💍💍話 約束の指輪

「きっと僕のことなんてすっかり忘れちゃったかな。あの時置き去りにしたこと、怒ってるんだろうな……。」

 ヤマタ先生から“命そのもの”である性を取り返したことにより、スサナル先生の“顕在意識に近い部分”がようやく私の存在を思い出し始まった。それまで私の魂を覆い隠していた憑依が外れてきたことで、吹雪を彷徨う彼の視界に私という灯台の明かりが薄っすらと届き始めていた。

 根気よく繰り返し、「大丈夫だよ

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第199話 想い合う。支え合う。

第199話 想い合う。支え合う。

 その宇宙子さんとのセッション終盤、そろそろエネルギーを閉じようかと意識をこちらに戻す準備を始めた時に、家の電話が鳴り響いた。

 あっ、なんか電話来ちゃった。どうしよう……。

 ところが一瞬だけ狼狽えるも、お知らせのように2コールだけ鳴ると音はすぐに切れてしまった。そしてその瞬間に気がついた。

 そうか、この人だったのか……。

……

 いつからか、家に一人か、あるいはリビングに一人の時だ

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第198話 性を奪還せよ

第198話 性を奪還せよ

 次の宇宙子さんとのセッションでは、再び表面までたくさん浮上してきた義行と、一度はゆっくり蓋をした、その母であった過去世を視ていくことになった。

 初めて親子と分かった時には幼児だった義行は、先日少しだけ成長した姿で現れた。それが今日のセッションで視えた“今生の別れのシーン”では、六、七歳の年齢は殆どそのままに、カーキの上下に身を包んだ坊主頭の姿となっていた。
 太平洋戦争は、その終盤の局面へと

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第197話 青の触感

第197話 青の触感

 間、髪を容れずにとはまさにこのこと。
あれほどの難所となった箱根の峠越えをしたばかりだというのに、その翌々日にはさっそくけーこと出かけていた。

 鎌倉市長谷寺。
あじさい寺としても有名な境内の一角には『弁天窟』という洞窟があり、空海によって彫られたといわれる弁財天がいらっしゃる。
 満開の紫陽花が咲き誇り、とっくに初夏の陽気となったその日、ひんやりとした洞窟内の静謐(せいひつ)さが肌にも魂にも

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第179話 ツインレイという信頼関係

第179話 ツインレイという信頼関係

 真っ黒がどこまでも広がった、夜の海のような存在と会話をしていた。

「お前はお前でいろ。そうでないと俺も俺でいられない。」

 私にそれを伝えてきた“彼”の真意とはこうだった。

……自分が作り出した“彼女”が、彼女自身に不足を感じている。足りないと言わんばかりに次々と異質なものを身につけ、どんどん自己から遠ざかっている。
 そのままのお前を愛したかったのに。なのにお前は俺を傷つける。そのうち俺

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第155話 性のブロック

第155話 性のブロック

 年が明けて間もなく、再びかよちゃんの夢を見た。
起きてから、胸の辺りにムカムカとした吐き気のような感覚と、下腹部の冷んやりとした感覚とを覚え、それらが“真実の探り時”が来ていることを伝えていた。

 今まで散々頑張って内観してきた性のことだから、ようやく浮上してきたとはいえ、ここで今日視てしまっていいものなのかと少し躊躇い(ためらい)が無くもなかった。
 グッと意識を集中させてみるもそんな私の迷

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第151話 暦の不条理

第151話 暦の不条理

 玄関の鏡の前に立って、「やっぱり今日はこっちの靴にしよう」と思う。運転する時右足の踵(かかと)を床につくので、おしゃれ靴のそこだけ汚れてしまうことを考えると普段履きのブーツのほうが都合がいいけど、今日という日はかわいくありたい。ちょうどインターホンが鳴り、扉を開けるとやはり普段より綺麗な格好をしているけーこが立っていた。

 十二月二十五日。閑散としたショッピングモールで、二人でクリスマスディナ

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第144話 魂の空間は螺旋する

第144話 魂の空間は螺旋する

 幼稚園の頃、近所に住むかよちゃんの家に遊びに行った。
 誕生日を迎えたかよちゃんは、着せ替え人形用の、小さな子供でも簡易的な服が作れるデザイナーセットのおもちゃを貰っていた。
 そのおもちゃでの遊びに誘われ、私も自分の着せ替え人形を持って彼女の家にお邪魔すると、リボンやレース、紙のメジャーや布切れなどで、テーブルの周りは瞬く間に賑やかになった。

 ひと通り遊び尽くし飽きてきた頃。
彼女は付属品

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第131話 お金と性

第131話 お金と性

 宇宙子さんとのセッションを続けると決めたことはいいとして、そこに絡んで毎回お支払いするためのお金の不安が湧いてきた。
 今までも、もう十年以上にも渡ってお金のブロックを解除しようと色々なことを試してきて、怖さが出るたび飛び込んできた。
 家計簿もつけない。買い物の基準を金額だけに決めない。ひとつひとつチャレンジしながら、ひとつひとつ感情を視てきたこの十年だった。

 それでも“闇の見方”が格段に

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