孤高の専門学校校長

五島列島中通島出身。漁師の息子です。 関西にある美容専門学校に35年、現在は同校の校長…

孤高の専門学校校長

五島列島中通島出身。漁師の息子です。 関西にある美容専門学校に35年、現在は同校の校長をやってます。 仏像を愛で、椎名林檎さんを崇拝するアラカン。 至極真面目なこととバカバカしいこと、硬軟両方を自分勝手に発信します。

マガジン

記事一覧

サバシスター

 サバシスターがいい。曲調もだけど、若いのに 日常に転がっている事柄から拾い上げるちょっとした機微を感じられる歌詞がいい。何より私たち中年以上の年代(笑)が 完全に…

コロナ 15

ーこのテーマでの投稿は実に1年ぶりであるー  今週初めのある朝のこと、起きようとしたら倦怠感があり やたら喉が痛い。その日は勤めには行ったものの 時間の経過と共に…

 もうすぐ蛍の季節がやってくる。我が国には古より蛍を愛でる文化があるが(外国にも蛍はいるんだろうけど)、ため息が出るような群生地であっても、また数匹が飛び交って…

ギャンブル

 昔、喫茶店に賭博ゲームなどというものがあった。競馬やポーカーなんかが画面(テーブルの天板そのもの)に映り、実際に100円玉をベットする。大体は負けるのだが、勝っ…

タンが無ければハラミを食べればいいじゃない!

 ご存知マリーアントワネットの言葉とされる『パンが無ければケーキ(お菓子)を食べればいいじゃない!』は、実際のところは全くの濡れ衣なのだが、あのお高くとまった女…

野外フェス

 先日久しぶりに野外フェスに行った。5月の空はあくまで青く、心地良い風が頬を・・・残念ながら撫でてはいかなかった。既に太陽は夏の光と熱を放っており、暑いことこの…

田舎モンバンザイ!

 嬉しいことに毎年たくさんの新入生を迎えるが、その中には地方出身者も一定の割合で存在している。毎年入学式では初めての一人暮らしを始めたばかりのそんな生徒たちが、…

プロスポーツ選手にぜひとも望むこと

 大谷翔平選手の優れたところは 今さら私ごときが挙げるようなものでもないが、彼の技術や野球センスは言うに及ばず、それ以上にメンタルの成熟度が素晴らしいと思う。ま…

こんな年寄りはイヤだ

 年齢を重ねてくると、こんな年寄りにゃなりたくねーな と思うことが多くなった。目につくようになったのかもしれない。でもきっとそれは即ち自分が歳を取ったってことだ…

お母さんの幸せ

 さこう(酒匂)さんは 時々私のお家に来る男の人です。お家に来る時はいつも私に何か買って来てくれます。お母さんと私との3人で水族館に行ったこともあります。  別に嫌…

ある星降る夜の出来事

『さてと。これで全部かな』 『うん。引越し屋さんの荷物、案外たくさんあったわね。いつの間にあんなに増えたんだろう』 『後の物は週末に。結局お前の家に送って良かっ…

どうして私が怒ってるかわかる?

 本稿の標題は 男が女性から尋ねられる質問の中で、最も恐ろしいものの一つである。しかし男にはこの戦慄の質問に答えねばならないことが、人生において幾度か起きてしま…

闘う人の歌

 誰かの発案や提案を聞いた時、嘲笑しようとしたり、論理の穴を指摘しミスをあげつらったりすることが脊髄反射のようになってしまっている輩はどの時代、どの年代、どの世…

線虫くん

 日本人の約半数は癌になるのだという。しかも女より男は60%もあの病に侵されるのだから、『私も罹るもの』として過ごした方が、きっと生き方としては正しいのだと思って…

入学式

 2024年4月8日は 本校美容科の入学式だった。今年も多くの若者を迎え入れることができ、嬉しい限りである。さてかく言う私が美容学校に入学したのは1980年、今から44年も…

プレイヤー&マネージャー

 肌感覚ながら リーダーとして チームを持ってほしい と思える人は、社員やスタッフが10人いる中で1人くらいかな? と勝手に思っているが、面白いことにそんな人はプレイ…

サバシスター

サバシスター

 サバシスターがいい。曲調もだけど、若いのに 日常に転がっている事柄から拾い上げるちょっとした機微を感じられる歌詞がいい。何より私たち中年以上の年代(笑)が 完全に忘れていた瑞々しい感覚を思い出させてくれるからいい。まるでウチの生徒たちみたいな見た目の3人には、我が校が毎年開催している夏のイベント(ヘア&ファッションショー)にゲスト出演してほしい。出てくれんもんかな?・・・あかんやろなぁ(笑)

もっとみる
コロナ 15

コロナ 15

ーこのテーマでの投稿は実に1年ぶりであるー

 今週初めのある朝のこと、起きようとしたら倦怠感があり やたら喉が痛い。その日は勤めには行ったものの 時間の経過と共に症状は悪化、終業の頃にはかなり辛くなって、帰りに自宅近くにある 遅くまでやってるクリニックに寄った。『ちょっと早いけど一応検査してみましょう』と言われ、鼻に細くて長い綿棒を突っ込まれる。看護師の予想通り まだ反応が出る前だったと思われ、

もっとみる
蛍

 もうすぐ蛍の季節がやってくる。我が国には古より蛍を愛でる文化があるが(外国にも蛍はいるんだろうけど)、ため息が出るような群生地であっても、また数匹が飛び交っている水辺の景色であっても、私はそんな場所いると 郷愁よりももっと限定的なシーンが頭に浮かぶ。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 ある夜、洋間(みかん山をやっていた頃は選別の作業部屋だった)に座らされた母が 祖父をはじめとする5,6人に

もっとみる
ギャンブル

ギャンブル

 昔、喫茶店に賭博ゲームなどというものがあった。競馬やポーカーなんかが画面(テーブルの天板そのもの)に映り、実際に100円玉をベットする。大体は負けるのだが、勝ったらその配当は同じ機械の下側から出てくる。時に何千円も買った時には店中にダンダンダンダンと鳴り止まぬ100円玉の排出音が響き、店内の客たちの注目の的になった。そのダンダン音の長さが勝った金額の大きさなのだ。
 しかしあのゲーム機の怖いとこ

もっとみる
タンが無ければハラミを食べればいいじゃない!

タンが無ければハラミを食べればいいじゃない!

 ご存知マリーアントワネットの言葉とされる『パンが無ければケーキ(お菓子)を食べればいいじゃない!』は、実際のところは全くの濡れ衣なのだが、あのお高くとまった女ならそんなことも言いそうだってことで、あのお姫様は洋の東西を問わず血祭りにされている。しかし最後はギロチンなんだもん、怖かっただろうなぁと思う。冤罪に陥れられた理不尽な事実もあったし、私は間違いなく彼女の擁護派だ。

 我が故郷、五島列島(

もっとみる
野外フェス

野外フェス

 先日久しぶりに野外フェスに行った。5月の空はあくまで青く、心地良い風が頬を・・・残念ながら撫でてはいかなかった。既に太陽は夏の光と熱を放っており、暑いことこの上なかったからだ。過去には本格的な俗にいう『夏フェス』と呼ばれるクソ熱い真夏の催しにも何度か行ったことがあるが、次の日にまで影響してしまうに及んで、最近は控えている。

 この日は夏のように暑かった。案の定ライブ後半に差し掛かる頃には もは

もっとみる
田舎モンバンザイ!

田舎モンバンザイ!

 嬉しいことに毎年たくさんの新入生を迎えるが、その中には地方出身者も一定の割合で存在している。毎年入学式では初めての一人暮らしを始めたばかりのそんな生徒たちが、赤い顔をしながら精一杯虚勢を張り 見えない戦いをしている。
 彼らはその式典に臨むほんの1ヶ月前に、友達や恋人と涙の別れをし、心配する家族に見送られて ここ大阪の美容学校生活のスタート地点に立っているのだ。

 そんな様子を見ていると、私自

もっとみる
プロスポーツ選手にぜひとも望むこと

プロスポーツ選手にぜひとも望むこと

 大谷翔平選手の優れたところは 今さら私ごときが挙げるようなものでもないが、彼の技術や野球センスは言うに及ばず、それ以上にメンタルの成熟度が素晴らしいと思う。まるでアニメやコミックのヒーローそのものだ。ごく近しい人の裏切りに遭っていたことが発覚した直後の今でさえ、ご存じの通りの活躍である。類い稀な能力、行動、成果、そしてコントロールされた精神力を兼ね備えた大谷選手は、もはや野球というものをやってい

もっとみる
こんな年寄りはイヤだ

こんな年寄りはイヤだ

 年齢を重ねてくると、こんな年寄りにゃなりたくねーな と思うことが多くなった。目につくようになったのかもしれない。でもきっとそれは即ち自分が歳を取ったってことだ。同族否定なのかもしれない。気をつけねば。
 以下はこれから老いへと続く道の入り口に立つ自分への戒めでもある。

《こんな高齢者は嫌だ》
 高齢者は時に自分勝手である。
 高齢者は時に盲目的である。
 高齢者は時に横暴である。
 高齢者は時

もっとみる
お母さんの幸せ

お母さんの幸せ

 さこう(酒匂)さんは 時々私のお家に来る男の人です。お家に来る時はいつも私に何か買って来てくれます。お母さんと私との3人で水族館に行ったこともあります。
 別に嫌いじゃないんだけど、一緒にいると私どんな顔をしたらいいかわからないし、なんだか変な感じで緊張します。

 この前お母さんは『コトちゃん、さこうさんがお父さんになってもいい?』と私に聞きました。私は小学校2年の時からずっとお母さんと二人き

もっとみる
ある星降る夜の出来事

ある星降る夜の出来事

『さてと。これで全部かな』

『うん。引越し屋さんの荷物、案外たくさんあったわね。いつの間にあんなに増えたんだろう』

『後の物は週末に。結局お前の家に送って良かったんだよな。・・・お義母さんまた泣くだろうな』

『ああ母さんね・・・仕方ないわよ』

『なんか今になって色々考えてしまうんだよなぁ。俺たち本当にもう終わりなんだよなって』

『そうね・・・。でも私たちきっとこうなるのが自然だったんだよ

もっとみる
どうして私が怒ってるかわかる?

どうして私が怒ってるかわかる?

 本稿の標題は 男が女性から尋ねられる質問の中で、最も恐ろしいものの一つである。しかし男にはこの戦慄の質問に答えねばならないことが、人生において幾度か起きてしまう。

 しかし•••。我々男にはその答えがわからないことが多いのだ(と、言い切ってもいいものだろうか? 他の男性諸氏も私と同様なのだと信じているのだが•••)。なぜなら男は女性が言うところの『問題』の大部分は 大した問題だとは思っていない

もっとみる
闘う人の歌

闘う人の歌

 誰かの発案や提案を聞いた時、嘲笑しようとしたり、論理の穴を指摘しミスをあげつらったりすることが脊髄反射のようになってしまっている輩はどの時代、どの年代、どの世界、どの組織にもいる。臆面もなく「できない理由」をしたり顔で指摘するのみに汲々とする。自分では思いつかなかった新しいことを他人に発言されるのを気嫌う奴らである。

 思えば阿波踊りの歌ではないが、この世は笑う阿呆と笑われる阿呆に二分されるの

もっとみる
線虫くん

線虫くん

 日本人の約半数は癌になるのだという。しかも女より男は60%もあの病に侵されるのだから、『私も罹るもの』として過ごした方が、きっと生き方としては正しいのだと思っている。

 私の理屈はこうだ。
1.どうせいつかは癌になる
2.ならばできるだけ早期に見つけたい
3.毎年の人間ドックは色々大変だ
4.だから簡単な検査でわかれば嬉しい
5.反応が出たら初めてドックに入る

 ステージ0や1で発見できれば

もっとみる
入学式

入学式

 2024年4月8日は 本校美容科の入学式だった。今年も多くの若者を迎え入れることができ、嬉しい限りである。さてかく言う私が美容学校に入学したのは1980年、今から44年も前のことだ。
 美容師という仕事の社会的地位は今よりずっと低く(今でも高くはなく歯がゆい思いはあるが)、雇用側のサロンオーナーも、ていねいに人材を育てる という考え方ではなく、新陳代謝が激しい使い捨ての部品としてしか見ていない人

もっとみる
プレイヤー&マネージャー

プレイヤー&マネージャー

 肌感覚ながら リーダーとして チームを持ってほしい と思える人は、社員やスタッフが10人いる中で1人くらいかな? と勝手に思っているが、面白いことにそんな人はプレイヤーとして特に優れているとはいえない場合も多い。いや、どちらかといえば、優れたプレイヤーがマネジメント側の仕事をするのは難しいことの方が多いと思っている。我々のような教員という仕事も他業種と同じく、プレイヤー能力の延長線上にマネジメン

もっとみる