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ギャンブル

 昔、喫茶店に賭博ゲームなどというものがあった。競馬やポーカーなんかが画面(テーブルの天板そのもの)に映り、実際に100円玉をベットする。大体は負けるのだが、勝ったらその配当は同じ機械の下側から出てくる。時に何千円も買った時には店中にダンダンダンダンと鳴り止まぬ100円玉の排出音が響き、店内の客たちの注目の的になった。そのダンダン音の長さが勝った金額の大きさなのだ。
 しかしあのゲーム機の怖いところは1回の勝負の勝ち負けというより、勝った際に『ダブルアップ』(違っていたかも)と称し、勝った金額が倍になるチャレンジができることだった。1,000円の勝ちがそれにより2,000円になる。恐ろしいことにその2,000円も倍にできる。4,000円、8,000円、16,000円・・・。そのチャレンジは勝ちさえすれば永遠に続くのである。ルールは簡単だが、負ければ0になる。私の友達などはこれが好きで、いつも倍々ゲームに熱狂し、結局負けるまで続けていたものだ。

 その機械が賭博機と呼ばれ、それで遊ぶことが違法行為となった後も、街の喫茶店でしばしば見かけたような気がする。しかし賭け事というものは、胴元が勝つようになっているのは古からの事実であろう。たとえば私の周りにもパチンコばっかりやってるような奴等がいるが、結局一定期間トータル(数ヶ月や年単位)で見た場合にプラス収支の人と 出会ったことがない。よって私の中では賭け事など趣味にとどめておいた方がいいというのが絶対的な定理だし、意地になるタイプの人はそもそもハナから手を出してはいけない。

 私はあらゆる賭け事はしない。競馬競輪競艇オートレースはもちろん、パチンコマージャン花札オイチョカブポーカー・・・。そんな私なのに、妻は宝くじを買うのだった。毎回発表日には(当たりをチェックするのは私だが)、『あ〜!今回もダメだったぁ!』を繰り返している。私に言わせるとあんなに率の悪いバクチはないのに•••。

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