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自分の考えは、5割合っとけば良いよね。

人の価値観・考えを押し付けてはならない、なんて言葉があると思うのですが僕は全くそうは思いません。自分が誰かと関わる以上、誰かに自分の価値観・考えを押し付けるのは必要なことだからです。人はそれを繰り返して現在まで成長してきましたから。

例えば経営とかでも、この方法で成功したからこうしろ!みたいなことを言う人は多いですよね。皆さんご存じのランチェスター戦略とか心理学とかもその内の一つです。

そして僕もその心理学を使っていますし、多くの人はそういった人の考えや価値観を利用させてもらうことなんてザラにあるし、必要なことです。


こんにちは、まひろです。



価値観は人に押し付けても良し


ここで、こんなお話を紹介します。



ある日、僕が電車に乗っていたら3人の子供連れの父親が乗ってきた。子供はひどく暴れ周りの客にも迷惑がかかり始め、ついには大人から新聞を奪い取ってクシャクシャにしたのである。しかし父親は一向にそれを止めようとしない、放置しているのである。


周りの客もだんだん怒りが積もってきた時、その父親の隣の客が尋ねた。

「あなたのお子さん、随分と荒ぶっているようなのですが、それがあなたの家庭のルールなのですか?僕の常識では電車の中では周りの人に迷惑をかけないようにするのがルールなのですが。」


 するとその父親はこう答えた。

「ええ、申し訳ない。先ほど妻の事故死を聞いて子供も随分と取り乱している様です。僕もこれからどうすれば良いのか考えていて…」


その話が聞こえた周りの客の顰めた表情がなくなった。

この父親の事情を聞いてそれでもなおこの人を攻められる人間はほとんどいない。それどころか怒りすら収まり、周りの人間の感情は同情に変わったのであった。



皆様はこのお話を聞いて、どう感じましたか?

何も知らず父親を攻めた人間を悪いやつだ、事情を知って気が一転した乗客は愚かだ、はたまた子供を放置した父親が悪い、多分人それぞれの感想があると思います。


しかし、この話で言えることとして父親の隣に座っていた人が父親に注意をしなければ、周りの誰かがキレてしまった可能性もあるし、何も言われず周りの誰の人間の誰にも理解されずこの父親と子供は悪者として電車を降りていった可能性もあるし、子供がもっと乗客に迷惑をかけた可能性もあるし、何も起こらなかった可能性もあるということで、その内またはそれ以外の事態に発展するのかは誰が何を考えてもわかるようなことではないと言うことです。



だから、自分の価値観や考えを相手に押し付けることは必ずしも悪いことではないのです。むしろ、僕はこの場面で父親の人に隣の乗客が話しかけたのは事態がどちらかと言えば良い方向に転んだ方なのではないかとすら思えますから。


しかし、僕が最近どうかなと思うのはこれを履き違えて自分は正しい過信する人が多すぎること。

確かに、人を魅了するにあたって自分に自信を持つことはとても大切な魅力であり、自分は正しいと信じるのもその内の一つでしょう。

自分に自信を持つことは非常に良いことでまひろ(筆者)自身も自信を持つことの重要性は、過去にも沢山の記事でお話しさせていただいているのですが、自分の考えや価値観が完成されている、絶対的に正しいと考える、これは間違えているだろうなと。



人は不正確である


近年ではAIが発達したことによって人間の不正確性はより可視化されました


例えば僕は将棋が好きなので、タイトルマッチYouTubeなどで見ることがよくあり、将棋についてあまりご存じない方でもなんとなく見たことがあるのですが、プロの棋士の試合の解説ってプロの棋士が行います。

「5二銀?!これはすごい手ですね〜。こんなのよく見つけられますね。」

みたいに。

こんな感じで、今まではそれ以上に適した人がいなかったのでプロ棋士が解説を行ってきたのですが、最近は棋士の手に対してAIが解説をするようになったんですよね。

例えば

「この手を指したら勝率が上がるよ」

とか、最終局面では

「この手を指すと、相手に絶対勝つことができます」

みたいな、もうこの状況からではこの手を指せば相手は何をしようが勝つのが確定するよということをAIは教えてくれるんですよね。いわゆる詰みってやつで、これが何よりもの最善手なのです、絶対勝てるから。


じゃあプロ棋士全員が毎回毎回その手を間違えずに指せるのかというと、これは試合を見ているとわかることなのですが、プロ棋士でもその手を見逃すor見つけられないことは普通にあるんですよね。

皆さんご存じ偉大な羽生善治さんも、豊島さんとの試合で羽生さんに確実に勝つ方法があるよということが確定していたのでAIがその指し手を示していたのですが、羽生さんは自分が負けたと判断して、降参なされたことがある程に。

ちなみにその試合では、豊島さんも自分の勝利確定の手を逃されていました。


しかし、こうやってAIの解説付きで試合を見ているのに「あ〜勝てたのに〜」とか思っちゃう方もいらっしゃるのですが、実際AIの解説がなかった時代では試合を見てそんなことを言う人はまずプロ棋士でもほとんどいなかったんですよね。


しかし、もちろんプロ棋士なんて凡人は絶対なれないし、本当に選ばれた人間の中から、もっと言えばタイトルの本戦に出られる人なんてもうトップもトップな訳です。だからこれはほんと冗談抜きで日本の9割以上の人より頭が良い人達のお話です。もちろんAIがなかった時代にもこんな現象があったのかと言われると、確かにありましたが現代よりも随分と少なくなりますよ。


そしてこれは将棋だけの話に限らず、人である限り自分の考えや価値観が絶対的に正しくて確定されたものだなんて幻想はまずないです。



自分の考えは不確実だと思え


だからもちろん、自分に自信を持つことは大切なことなので自分の考えや価値観に誇りを持つことは大切なのですが、その話と自分の考えや価値観が絶対的に正しいかと言う話は別の話なのです。


しかし、人は変化を拒んだまま年齢や経験を重ねたり、仕事に情熱があるからこそ、どうしても自分の考えや価値観は正しいと思い込むようになっていってしまいます。こういう節がある方は、仕事に懸命に熱中されていたと言う証拠でもあるのです。


ただそうしていると、自分に自信を持つ事と自分の考えや価値観の正確性の話をごっちゃにしてしまう人が多いんですよね。

だから自分が間違えているとわかっても

・自分は今までこの方法でやってきた

・自分はこの方法で成功してきた

・経験を積んできた

と言って、正論から逃れてしまう人は少なくはありません、それは年齢や経験が重なれば重なるほどに、情熱が入れば入るほどに。

ですが、そういうことは自分の考えや価値観が正しいことの説明には一切ならなければ、根拠にもならないのです。それは藤井聡太さんのような存在が現れるように。



他人には、世界には、僕たちが知らないことでほとんどが埋め尽くされています。

これはちょっと考えてみると当たり前のことで、世界一周は約4万キロですそれに比べて人間なんてせいぜい身長があって2メートルですから、地球は周囲だけでも人間の2000万倍の長さあります。そしてそんな広い世界に情報が溢れかえっています。

だから


自分が考えていることは5割あっとけば良い、世界は広いし自分の知らないことで溢れかえってるんだから。


僕はそう考えています。


例え5割間違えていたとしても、5割正しければ0.5の5を四捨五入して1.0で10割です。

大元の軸(5割)があっていれば、自分の間違えは見つけたら正していき、改善できるところを見つけたら改善していけば、5割が10割に自然と近づいていきます。

この前こんな記事でもお話ししましたが↓

成長すると言うことは、変わると言うことです。だから成長に伴って、自分の考えや価値観も変わるのは当たり前だし必要なことで、何も意見を変えることは悪いことではなく、むしろ成長している証です。


だから、自分の考えや価値観に自信を持つのは良いのですが、間違えたなって思った時はためらったり変なプライドを持たずににサッと正したり改善することって、仕事でも恋愛でも人間関係でも、何にでも重要な要素だなと僕は思います。



それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

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