転職体験記 シリコンバレーのベンチャー企業に その3 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
時は昭和のバブル時代真っ只中。
経緯
シリコンバレーにある高速半導体メモリを開発·製造している会社に転職となったのです。
形式的には鉄鋼会社の米国駐在員で、鉄鋼会社の社員としての給与を貰い、その米国ベンチャーの社員としても給与を貰い、日米の年金保険料はダブルで払い、税金は日米の給与と駐在員手当(住居費、自動車購入費、交通費など)も含めた全収入に対して米国の税金を支払うという形でした。 渡米に際しては先ずは米国大使館でのビザの取得。形式的に半導体技術開発のエンジニアという建付けでの渡米でしたので、取得したビザは、H-1B。ビザ取得に際しての大使館での面接、その後の手続きとそれなりに面倒でした。
その2は渡航前の明るく楽しいひと時の話。
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今回は、予防接種の話からです。
私は結構予防接種は受けたり、麻疹(はしか)、風疹(3日麻疹)、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)等も子どもの頃に予防接種や実際に罹患したりして免疫はできていました。ですから特に渡米に際しての予防接種はしなかったのです。
そもそもインフルエンザの予防接種すら大学生になって以来殆どしていませんでした。
ある意味で感染症を軽く見ていました。
人事もワシントン事務所やヒューストン等もその程度の運用でやっているということで問題なしという結論でした。
しかし渡米後に完璧な予防接種を全国民にしている前提での米国医療制度の建付けを思い知らされる出来事に遭遇するのでした。
それは子どもの風邪。子どもにも完璧な予防接種済の前提なので、熱を出した位では全く驚かない米国流医療制度。その辺りはこちらをご覧になって下さい。
それから30年後にコロナ禍で再度予防接種の国際常識を思い知らされるとは想像だにしていませんでした。先進国はワクチンが準備される事が最優先で、マスクとか手洗いとかは副次的という扱い。本邦では考えられないのですが、死者がガンガン出てても兎も角ワクチンができるまでは無駄な抵抗…仕方がないという割り切りを感じていました。
海外に転職される方には強く、可能な限りの予防接種を受けることを強くお勧めします。
当たり前過ぎですかね。
閑話
話は逸れますが、それから20年後にネパールで地震関連のビジネスをした時のことです。駐在ではなく出張ベースなので狂犬病の予防接種の追加は、そこまでしなくてもという人事の判断。ネパールでは野犬が人に懐(なつ)いていて、市内に彷徨(うろつ)いているののです。しかも結構大きな犬で、頭数も半端なく…。それでも現地の販社、パートナー企業の方は大丈夫と言うのですが、狂犬病がとても心配でした。
勿論杞憂に終わるのですが、とても緊張感ある日々でした。
閑話休題
こんな感じで渡航前の準備は進んだのでした。
そしていよいよ渡航。今では考えられませんが、当時は航空券はフルフェアのJALビジネスクラス。アメリカン航空だけがシリコンバレーど真ん中のサンノゼ空港直行便が有ったのですが…
因みにサンノゼ国際空港にはこんな日系人に纏わるお話が…
ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼ国際空港(ノーマン・Y・ミネタ・サンノゼこくさいくうこう、英: Norman Y. Mineta San José International Airport) (IATA: SJC, ICAO: KSJC, FAA LID: SJC)は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州サンノゼにある国際空港。単にサンノゼ国際空港とも呼ばれる。空港名が冠する「ノーマン・Y・ミネタ」は日系人として初めてアメリカ合衆国で閣僚となったノーマン・ヨシオ・ミネタ(いずれも元サンノゼ市長・下院議員・商務長官・運輸長官)に由来する。サンノゼ市は空港のマーケティングのため、サンノゼ・シリコンバレー・ミネタ国際空港に改称することを検討している。
出典
しかしJALさんはサンフランシスコ国際空港行きだけでした。ですからシリコンバレーまでは車で小一時間といった感じです。
今では考えられませんが、当時は新入社員でも役員以外は(役員は当然ファーストクラス)当たり前のように海外渡航時は常に正規料金のビジネスクラス航空券。なのでビジネスクラスでもファーストクラス直近の席でした。預け荷物も1番最初のロットで出てきました。
新婚旅行でニューカレドニアに行ったのみで、2回目の海外。でも入国審査イミグレーションも、通関カスタムもニューカレドニア並みに甘々でした。
就労ビザのご利益(りやく)か…
ということでやっとアメリカに入国できたのでした。
税関を抜けて空港ロビーに出て先ず最初にやることは…
つづく
海外への転職も読者の皆様の選択肢に入れて貰えたら嬉しいなぁ…
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